まるしょう農園の投稿一覧

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 一年前から思案しておりましたが、今シーズンのポンカンの価格を3kg箱、5kg箱、10㎏箱の全てにおいて、100~200円の値上げをさせていただきました。出品開始年から一昨年前までほとんど値上げをしていなかったと記憶しておりますが、現在の栽培法を続けるためには選択の余地が無くなりました。生産者として最も申し上げにくい値上げの話ですが、ご了承をお願いいたします。
 
 以下に値上げに至った原因を記します。

 ・資材の高騰
   天然系農薬、天敵利用の農薬、段ボール箱、機械類、修理費、光熱費(三相200V使用)など。

 ・人件費 
   当農園の紹介欄にも載せておりますが、ポンカンやデコポン、文旦などに欠かせない追熟を、当園では木箱に収めて専用貯蔵庫で行います。果実は採収直後に果皮の水分を減らす(後の品質保持に必要)ために、コンテナのまま数日間の乾燥予措を施した後、サイズ別選果をします。そのあとで約一ヶ月の追熟期間に入るのですが、近年はコンテナのまま貯蔵するのが主流になっています。木箱に移し入れる作業から貯蔵庫の棚に運び上げるまでの作業が負担になることや、多くの木箱や設備の整備に費用が掛かることなどがその理由だと思います。作業のたびに果実の入った重いコンテナや箱を移動させる必要がありますので、多くの労力と時間がかかります。貯蔵法によって味にも大きな差が出ますが、労力、経費にも大きな差が出ます。経営だけを考えれば、除草剤や化学系農薬で害虫をやっつけて、キズのない果実を採収し、市場価格の高い出始めを狙って、できるだけ早く出荷することが最善の策です。現にその通りに経営をする農家もあるようです。昨日も集荷場を除くと、農場から直行したかと思うような果皮の硬いピカピカ新鮮果実の集団が見受けられました。引き取り業者は果皮の硬い果実の方が新鮮さが感じられて好ましいと言います。これでぽんかんの評価を回復できるのか? 疑問です。 前々号で申し上げた 味か経営か の選択の時代になっています。
 写真を掲載しましたが、当農園の方針と作業過程の大切さを理解してくれている方々が、年末でも待ったなしの作業を大晦日まで続けてくださいました。その労苦には賃金アップで応えたいと思います。
 
 ・新たな冷蔵施設の増設、農道の新設、など
   追熟や貯蔵をする際に、品種や時期によって冷温庫の温度が異なります。例えば、ポンカンとレモンを同じ温度では貯蔵できません。また、春から夏にかけては、冷温貯蔵庫→作業場→冷温貯蔵庫 と、余った小夏などを移動させますが、適温の場所で保存しなければ、温度に敏感な果実の品質は低下します。作業場に大型冷蔵庫を設置することによって、労力と人件費を省き、品質をより長く維持できるものと思います。


 『食べチョク』に出店するにあたり、味と安全性を重視すること以外に、送料を含めた総額を小売店の店頭価格よりも低く抑えることを念頭に置いてまいりました。同じランクの商品であれば、最も手ごろな価格にできている、との自負がありますが、今回の値上げもその範囲内で納めたつもりでおります。
 さて、物価高のニュースが日常ごとになっている昨今ですが、そのしわ寄せを強く受けているのが大家族の方々ではないかと感じています。値上げをしておいて、大きな声で言えるようなものではありませんが、大家族様向けの一部の商品を少々値下げして出品させていただきます。十分な数量の追熟を待って10㎏箱で出品いたします。せめてもの罪滅ぼし?です。

 こんな時節に、「まるしょう農園、お前もか?」の声が聞こえてきそうですが、味と安全性を確保するためには避けられなくなりました。やむを得ない状況ですので、ご理解をお願いいたします。
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 今年は1月10日をぽんかんのお届け初日とさせてもらいました。おいしくなったと思える果実からお送りいたします。追熟状況は、温度、湿度、通風性などが影響しますが、果実のサイズによっても要する時間も異なります。日照条件などは各果実にも差が出ますので、同じ貯蔵室の同じ木箱の同サイズの果実でも個体差があります。お届け開始のころは、木箱から木箱へ渡り歩きながら五感を使って一つ一つ選び出さなければなりません。一月下旬になれば、食べごろの果実が多くなりますが、その段階で温度を下げて酸度を維持するべくドアの開閉にも気を遣うようになります。
 
 さて、近年、果物のおいしさの指標として”糖酸比”という言葉がよく使われるようになってきました。糖度は含まれるショ糖ですし、酸度はクエン酸ですが、両方とも%で表されます。糖酸比とは、糖度÷酸度 のことです。糖度が12%で酸度が1%であれば、糖酸比は12 となります。同じ糖度12%でも、酸度が0.8%であれば、糖酸比は15 ということになりますので、甘さをより強く感じることになります。系統にもよりますが、温州みかんは甘い晩生で糖度12%前後でしょう。ぽんかんで11~14%、15%以上も珍しくはないでしょうが、晩生ミカンの方が甘い印象があるでしょう。ぽんかんが逆転するには高い糖度を活かすための酸を(分解)調整する追熟(デンプンが糖に変わることを含む)期間が必須なのです。因みに美味しい温州ミカンの糖酸度は12~15程度と言われます。ポンカンも同程度と言われますが、香りも重要な要素ですし、果肉の硬さや果汁の量なども大切なことだと考えております。要は、糖と酸とのバランス+α です。コクと深みのある味を追求したく思います。

 いつもの如く、冗長な話になってしましましたが、先程申し上げた糖と酸の感じ方には個人差もあるとのことです。甘みの感じ方は個人によってそれほど大きな差はないようですが、酸っぱさは人によって大きな差があるそうです。ということは「これは絶品だ!」と言う同じぽんかんを、別の人は「酸っぱい。」または「甘いだけだ。」とおっしゃる可能性があるということです。また、生まれ育った地域によっても差があることを赴任先で感じたことがあると農業の研究者から聞いたこともあります。100%主義は無理ですね。
 自分の舌を信じてはいますが、流行語のような「糖酸比」に惑わされて、糖酸度計セットなるものを買い求めました。赤字続きの経営で「そんな高価なものを?!」との叱責を無視したのですが、年金生活者なら一ヶ月は財布が空になる。それでもキット・・・と思った次第です。叱責した方は、「父親に似てきたね。収入がある度に貯蔵庫を建てたり、新しい機械をよく買っていた。まだ糖度計が珍しい頃、大卒初任給二ヶ月分をはたいて買ったのが二つもある。」と。・・・ 。やっぱり、トウサンだ!  何とか役立てます。
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 おはようございます。とうとう大晦日となりました。今日もこれから作業が続きます。お手伝いの方々にも頭が下がるばかりです。申し訳ない。
 前回、年内には出荷開始日をお知らせする、と約束しておりましたが、年内最後の1日になってしまいました。
 出荷日ではなく、『食べチョク』ではお届け日とした方がよいかと思います。1月10日 とさせていただきます。
 ただし、『グランクリュ なべしご』に関しては1月15日 とします。『グランクリュ なべしご』は大きい果実でもあることですので、その分だけ追熟に時間を要します。品評会で最高の賞を受け続けた品質を再現しているつもりですが、昨年は該当果ゼロでした。今年は、生産者としてだけではなく、一人の消費者として楽しみにしているところです。恵まれた条件下で土づくりから追熟までの全過程を一つも省くことなく育てて、初めて手に入るポンカン本来の味であると考えています。(是非、多くの方に味わっていただきたいと思いますので、『グランクリュ』は値上げをしません。)
 
 今年の初めに、値上げについてのお願いとご説明をこの欄で致します、と申し上げておりましたが、1年遅れのお願いを次回か次々回辺りにさせてもらいます。物価高騰の折、厳しい生活を強いられている方も多いことでしょう。そんな時節に、「お前もか!?」と言われたくはありませんが、木箱貯蔵などを諦めて人件費を削減するしかない状況になりました。味か経営かの選択です。詳細は次号以降に致します。
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 おはようございます。またまた早く目が覚めました。現在午前3時です。1か月前に久しぶりの投稿をしてから、お馴染みの方々や青山マルシェでお会いした方々が読んでくださっているようです。ありがとうございます。

 今月も残すところ、あと10日余りになり、採集、果皮の乾燥予措、運び込み、選果、木箱への移し替え、貯蔵庫の棚への差し入れなど、作業に追われております。採収は天気がよければ、来週には一応完了できそうです。一応、と言いましたが、若い樹(7,8年生まで)の果実は採収せずに残してあります。糖度も高めになってきて、若木特有の大きな果実も多いのですが、古樹と違って、まだ少し果皮が幾分厚いように感じますので、成木の収穫が完了した後に混ざらないように取り入れて、大手の取引先にジュース用として引き取ってもらうことになります。デビューするまではもう少し待たねばなりません。
 
 昨日、仲買関係の方が農園まで来てくれました。聞きますと、今週からポンカンを販売するところが出てきた、と。 む?む?むっ! 地域や農地、系統などによって差はあるのでしょうが、またしても、旬を無視した販売競争が始まっているようです。果物は出始めに高値で取り引きされることが多いのですが、無理をして早く出荷しては果物本来の味が伝わりません。食べていただく消費者の方々は言うに及ばず、生産者にもプラスにはならないと考えています。過去を振り返れば、こぞってポンカンを植えて大生産地となった県が評価下落(=価格下落)の煽りを食って撤退し、他の品種に切り換えた例もあります。栽培に適した気温の不足もあったのでしょうが、施設、設備投資の問題もあり、当事者の方々が味わうことになった苦労を思うばかりです。   
 当地では、近年、他業種からの若い世代がポンカン園を引き継ぐ動きが出てきて、貯蔵庫を建てたり、機械類をそろえてゆく姿を見ていると、頼もしく感じます。しかし、中には、準備不足のままポンカンに手を出し、この時期になって、採集用コンテナを貸せ、を言ってくる強者もいるとのこと。これから先の追熟にまつわる作業や必要な設備で苦労することが心配されます。ポンカンの本来の味を伝えてくれるようになることを願うばかりです。

 さて、生産者側の話ばかりをしてしまいましたが、お客さま(消費者)側の話をさせていただきましょう。昨シーズンは開園以来の不作で、『食べチョク』での販売も断続的かつ短期間のものとなりました。商品も、キズ有りのみ。農薬を使わないので多少のキズを当然のことだとしてご承知くださっていることに感謝する次第です。お客さまにはしっかりと味の出た果実をお届けしたつもりですが、コメントが返ってきました。「少し柔らかくて、新鮮さがなくて、残念です。」との趣旨でしたが、そのコメントを読んで、つい腕組みをしてしまい、添付された写真を見て、さらに「うーん」と唸ってしまいました。「この隔たりをどうすればいいのかしらん。」 果皮は光を反射してツヤの良さが映っています。お客さまの指摘は、やわらかさと新鮮さ、です。私たちがこだわっている採収後の予措と追熟は、果皮の水分を減じて果肉の質を維持し、甘さを出し、適度の酸を維持することです。その結果として、果皮はしんなりとした張りができて光沢が出てきます。湿度の調整役も木箱が果たしてくれるので、多くの労力をかけてコンテナから敢えて移し替えて貯蔵するのはその為なのです。収穫したばかりのポンカンは果皮は固く、味もイマイチ、常温で保存すると果肉が水分を失いやすいのですが・・・。
 さて、問題は、「新鮮さと追熟」に象徴される消費者の方々と生産者の私たちの間にあるこの大きな乖離を解決しなくてはならないことですが、いったいどれだけ多くの方が一連の作業をご存じなのだろうか? 例えば、ポンカンだけでなく、不知火(デコポン)や文旦などには追熟が必要であることをご存じの消費者は全体の何パーセントいらっしゃるのだろう? 生産者にとっては当然なことでも、消費者にとっては初耳である、ということはいくらでもあって、それは当たり前のことのはず。私たち生産者がするべきことは、安全でおいしい果物をお届けすることと正直に接することによって、誤解や悪循環を断ち切ることだと考えます。都市生活者と田園生活者(何やら某氏の小説名のようですが)、消費者と生産者が”分断”されないように努力してゆこうと思います。かなり強引な文末になりましたが、そろそろ動き出しの時間ですので、続きはまた近いうちに。
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