まるしょう農園の投稿一覧

 おはようございます。まだ午前4時すぎですが、年齢のせいか、早く目が覚めることが多くなりました。
 昨日、12月に入りましたが、お昼前にもかかわらず段々畑の中ほどにある小屋の温度計では一昨日に続いて24℃を超えていました。全国向けの天気予報では県中央部にある高知市辺りの数値ですから、当地では冬場は3~4℃ほど高くなることが多いのですが、流石に夏日の気温となると少し不安にもなります。
 豊作の年には色づきが早まる傾向がありまして、他園では先月末から収穫を始めたところが増えています。除草剤を使用しているところも多く、樹の下には草がありませんし、色づきも早いようです。一方、緩い傾斜地で平面地形の新しい方の園では10月下旬に草刈りをしたのに、もう膝辺りまで伸びていて再度刈り取って敷き草にしたところです。今年5回目の草刈りだと思います。面倒なことですが、お陰で土はフカフカです。化学系農薬は以前から使用していませんが、肥料も昨年から100%有機肥料にしましたので、地温も高いはずです。水田でも有機栽培地では1℃以上温度が高くなると聞いたことがあります。果実の色づきが周囲に比べて遅いのは、そのあたりが理由なのかもしれません。殺菌、殺虫剤も有機JAS規定に沿って許可された天然系のみ2回の散布ですので、果実のキズの多さは例年通りです。畝を高くして排水性を良くしてはいるのですが、段々畑の旧園ほどの味が出ません。標準よりは少し上かと思いますが、残念ながら新園の果実は大手の団体に出荷します。幾ら安全であっても、キズがあるものは安く引き取られますし、掛けた労力に見合う価格にはなりません。また、近隣の園からの農薬のドリフト、大雨時の流入なども危惧されますので、新園は有機栽培の申請はしません。
 10年ほど前に、農薬ゼロを目指す大手の自然食品の会社の方が当園に来られた折りに、「化学系農薬の使用をやめると果実のキズだけでなく、樹自体をやられますよ。」と忠告をしてくれたことがありました。プロの目は流石です。その言葉通り、新園も旧園も毎年二桁の樹の伐採をせざるを得なくなっています。開花時などのエネルギー消費の多い時期には即効性のある化学肥料配合のものも使っていたのですが、それも全廃したことも枯れの増加に拍車をかけたのかもしれません。それに従って、新たな苗の購入、育成、移植に経費と労力を取られるようになり、人手をさらに増やす必要が出てきました。安全性や味の良さを認めるにも拘らず、有機栽培が広まりにくいのは、増加する労力に老齢化する農家が対抗できないのが一因ではないかと思ってしまいます。
 愚痴っぽい話になってしまいましたが、今年『食べチョク』のポンカンや小夏、セミノールの味には例年以上の期待をしております。いよいよ今週末からポンカンの収穫開始です。一切の手抜きをせず、果皮を乾かす予措を施し、木箱に移し替えて専用貯蔵庫で一ヶ月の追熟を済ませた果実から出荷できるのは1月5日頃かと考えています。
 今週末には、毎年京都から手伝いに来てくれる若い友人たちが来てくれます。体調を崩し、二年ほど療養している主力の方も復帰してくれそうですし、毎週100㎞以上離れたところから手伝いに来てくれる方々もいます。
 今週半ばには寒気が訪れるそうです。私たちは果樹のことばかり考えてしまいますが、インフルエンザも流行しているとのこと。みなさま、ご自愛ください。では、また近いうちに! ❓
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 いつものことながら、ご無沙汰をしました。前回の投稿が、「10か月前」と表示されております。この間、投稿しなければいけない、と思い続けてはいたのですが、生来の怠惰さに負けておりました。しかし、ここのところ、連日、問い合わせやご心配の連絡を頂くようになり、流石に重い腰を上げなければ、思った次第です。

 今シーズンは豊作です! ポンカンも、小夏もセミノールもたくさん実をつけています。それでも、楽観はできません。ポンカンは収穫後、木箱に入れて貯蔵庫で追熟してから出荷できるようになるまで、あと二ヶ月近くありますし、小夏は必ず三分の一は自然落果する困りものの系統ですし、セミノールは野鳥の大群が一週間で一本分の果実を収穫(?)した実績もあります。
 生産者というものは期待と落胆を繰り返しながら、生きてゆくものなのでしょうが、目下のところ、ポンカンの光沢を見ておりますと自然と頬が緩んでしまうほどの出来です。化学系農薬を使用しないことで、害虫の攻撃を受けて枯れる樹は今年も多くあり、収穫量としては減少傾向にありますが、毎年植え付けている若い樹(10年生中心)が味を出してくれるようになるのも遠くないように思われます。
 長く休んだ分、お伝えしたいことがたくさんあるのですが、次回に致します。 
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 今日は1月17日、何故だか早く目が覚め、ポンカンとは余り関係のないことを書かせてもらおうと思います。
 いつも以上に冗長にな話になりましたので、物好きな方以外はお読みいただかないようお願いいたします。書いては止め、止めては書き、を繰り返し、投稿を迷いましたが、もう日付が変わりそうなので、エイヤー、と前後を考えずに投稿いたします。

 30年前の1月15日、16日は連休でした。ポンカンは豊作で取り入れの最終段階となり、16日は満月と車のヘッドライトを利用し、夜8時ごろまで作業を続けたと記憶しています。手伝いに帰っていたのは姉(三女)と義兄)とその子供たちと姉(次女)、そして小生。翌日にはそれぞれの仕事が待っているので、食事もそこそこに、義兄のワンボックスカーで大鳴門橋経由で淡路島の北端まで来て、フェリーで本州の明石市に渡り着きました。明石大橋はまだ完成しておらず、鉄塔に細いワイヤーが通されたばかりだったと思います。西宮市の義兄の住居到着は深夜一時前後で、私は一休みしてから翌日の仕事に備えて京都の自宅へ。いつもは泊めてもらって翌早朝に高速道路を利用して京都に向かうのですが、どういうわけか京都へと急ぎました。

 17日早朝、京都でも大きな揺れを感じ、いったん目が覚めたものの、揺れが収まってからまた眠り、結局朝寝坊をしてしまい、始業開始時間直前に職場の門をくぐりました。出勤後、神戸で地震があったと初めて知らされ、臨時休業になるとのことでした。一通りの仕事の整理をしてから帰宅し、報道で震災の深刻さを知らされながらも、睡魔に勝てず眠り込み、目が覚めた時間にはもうスーパーもとっくに閉店した時間でした。連絡もつかず、壊滅状態と伝えられる西宮へ車で向かいますが、近づくにつれて被害の大きさを実感することになり、また、進むのにも時間がかかることになりました。橋が通れなかったり、回り道をしても屋敷の大きな岩が道を塞いでいたりで、義兄宅に着いたのはお昼前でした。義兄の母が大きなケガをしてはいましたが、命に別条のある者はいず、不幸中の幸いと考えざるを得ません。家の中で眠ることはできないので、ワンボックスカーで身を寄せ合って眠ることにしたとのこと。後に震度7エリアに入っているとわかりましたが、周辺のほとんどの家も倒壊し、何かできることはないかと付近の住宅地を歩き回ったものの、電柱はすべて折れて逆vの字となり、段々とガスの臭いが強くなることに気づき、引き返しました。救助を求める声も聞こえず、遠くのサイレンの音だけが響いておりました。一旦京都に戻り、必要なものをできるだけ多く積み込み、往復することになりました。コメは洗ってから袋に詰め、燃料なども準備しましたが、道中で感じたことは、多くの店先に被災対策に利用できそうなキャンプ用品がたくさん並べられているのに、価格は目を疑うほどに高くなっている・・・カセットボンベなどは普段の倍以上に! 被災地で、それまでは割高感があって敬遠していたコンビニ大手が、おにぎりを10円引きで売り始めたのは発災後、それほど日が経たないうちのことでした。困ったときに人間性が出るものですね。高いガスボンベを売っていたスーパーには二度と足を運ばなくなり、コンビニを利用することが増えました。
 災害の際、学校や体育館など公共施設が避難所になります。被災後、連絡が取れなかった姉(長女)の家族を探すために三日間休暇をもらい、安否を確認するために近所の学校などを回りましたが、見つからず、すすり泣きの声が聞こえる教室を渡り歩くことになりました。教室には並べられた机の上に棺が置かれていて、ひと教室に八つの棺が並べられていました。それぞれに家族や知人が身を寄せながら嗚咽をもらしている中、亡くなられた方々に申し訳ないと思いながらも、その中に知り合いの顔がないことを祈りながら、灯りもない廊下を歩きました。三日目にやっと長姉の無事が確認できて胸をなでおろしたものでした。

 それ以降、週末ごとの炊き出しや避難小屋設営などに参加させてもらうことになりましたが、今でも、ほんのもう少し気を配ることができていたら、と後悔することがあります。体育館などは多くの避難者で、すし詰め状態でした。夜の冷え込みは厳しく、出入り口付近は扉の開け閉めのたびに寒風が吹きこみました。しかし、敢えてその扉付近を選んで横になっている人たちもいらっしゃいました。その多くは高齢者でしたが、立錐の余地もないような状態で、夜分トイレに行くにも周囲に迷惑をかけないように、と考えての選択だったのだろうと思います。トイレに行くには便利でも眠ることはできなかったでしょう。あの時、なぜその出入り口付近だけでも段ボールを使って衝立のようなものを作ってあげなかったのか。ポンカン自体よりも空になった段ボール箱のほうが役立ったかもしれない。一人でできることは取るに足りないことはわかっていても、自分にほんのもう少しの配慮があれば、落とさずに済んだ命があったかもしれないと思うと、ただ手を合わすしかないのです。

・・・ お客様と生産者を結ぶ場であるので、場違いな投稿とのご批判をいただくことになりそうですが、今日は敢えて自分の意見を述べさせていただきました。
 人を思う、どこかのCMではありませんが、心掛けたいことです。競争原理と市場原理だけが幅を利かすような世の中になりませんように。
 同時多発の塊のような震災でも、どこにどのような人がいる、と分かり合っている地域では助け出された命も少なくなかったと聞きます。湊川の土手に真っ先にボランティアのテントを張ったのは愛知県からやってきたイスラム教の方々でした。崩れ落ちた二階建ての家々を背に、ある大工さんは「通し柱が大切と言えるようになったのは最近のことや。戦後は材木不足でそれどころではなかったんや。」と自責の念とともに呟きました。etc.

 人と人との垣根を低くして、職業や宗教、人種も超えて相互理解が支える世の中になりますように願いたくなる1月17日です。
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 今シーズンのポンカンを出品したのは元旦の朝でした。貯蔵庫に入って追熟状況を見ながら発送開始日を決めますので、いつも出品のお知らせが遅くなってしまいます。お届け初日は1月10日としました。今年は収穫量がとても少なかったので、一日の出荷数を制限したうえで、販売終了予定日も1ヶ月以上早めての出品となりました(なお、今年は収穫量が少ないため、冷温貯蔵庫分はありません)。

 ところが、ありがたいことではありますが、いつも以上にご注文をいただき、その結果として、お届けできる追熟果不足の可能性を感じましたので、早くも1月4日にはそれ以降の発送は17日以降にさせていただいたことは前回申し上げた通りです。発送初日にもなってないのに!との声が聞こえてくるようです。しかしながら、12日になっても注文数が落ち着かず、またもや発送を中断し、25日のお届け再開とさせていただきました。多くの方々にご注文をいただき感謝しながらも、たびたびの変更でご迷惑をおかけすることになり、大変申し訳ないことです。


 さて、ポンカンを発送するときには、ベテランの発送担当が貯蔵庫に入り、多くの木箱から追熟した果実を一つ一つ手に取って、色、弾力、果皮のツヤなどを確認しながら取り出しています。発送担当の特技は糖度の推測で、十中八九以上の確率で正確に糖度を言い当てます。このあたりが注文してくださる方々からも評価していただいているのか、と少し誇らしく感じるところではあります。最近の流行は、選果機にかけた果実をそのままコンテナに入れて積み上げておき、そのまま出荷するというもの。労力を考えてのことですが、追熟の必要な柑橘類の味はどうなるのかと疑問を感じています。味も落ちれば、評価も価格も落ちてしまう・・・。

 
 今回はここまでにさせていただきます。次回は、価格改定のお話をさせていただきたいと思います。
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 前回、投稿をしてから丁度8ヶ月が経ってしまいました。柄にもなく体調を崩してしまいまして、当初、「日記風に・・・」とか何とか言いながら、音信不通の失礼となってしまいました。申し訳ありませんでした。

 頼りにしていた現場の”親分”も冬場から体調不良で、途方に暮れかけていたところ、助け船が現れました。それも3人も! 栽培方針にも共感してくれる人ばかりで、手のかかることを厭うことなく手伝ってくれています。まさに、捨てる神あれば拾う神あり、を実感しております。

 昨年後半の詳細経緯は次の機会にご報告させていただきます。
 8ヵ月前の前回の冒頭で、「今月(=5月)5日、全国100を超える観測地点で、30℃を超える真夏日となりました。」と書き始めてありますが、開花期は受粉の行われる時期であります。品種にもよるのでしょうが、摂氏25℃を超えると結実や自然落果に大きな影響が出るとモノの本に書かれております。5月初めに連日の30℃超えとは!気候変動と呼ぶしかないのでしょうが、冬でも特別に暖かい当園では裏目に出て、さらに影響が大きかったようです。収穫時には日差しが当たりにくい樹の北側にだけボツボツと果実が見える程度でした。

 というわけで、収穫量は例年の5%程度にとどまりました。10日発送開始として元旦の日に出品しましたが、ありがたいことに多くのご注文をいただきました。例年通りのペースであれば、収穫量が少ないとはいえ、問題なく発送できると見通しておりましたが、出品4日目で追熟完了見込みの量を超えてしまいまして、4日にして午後以降の受注分は17日発送再開と変更させてもらいました。

 毎シーズン、10㎏箱で注文下さる方や、グランクリュを指定下さる方々にご迷惑をおかけすることになりました。多くのお得意様に召し上がっていただけるように、今シーズンは3kg箱と5kg箱だけの出品にさせていただきます。グランクリュは出品できるかどうか、様子を見させていただきます。申し訳ありません。

 追熟状況は順調ですが、今シーズンの特徴として、果皮の青みが抜けにくいものがあります。果実があまり多くないときは色づきは遅れるものではありますが、極端に少量の今シーズンがどうなるのか、慎重に見極めるつもりです。味の点では養分が少数の果実に向かったのか、青みの残る果実でも糖度も高く味の濃さが感じられます。

 新年早々、お詫びをしなければならないことばかりで、心苦しい思いですが、ご理解いただけますよう、お願いいたします。
                          2025.1.5 早朝
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この投稿をした生産者