寺本果樹園の投稿一覧

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お世話になります、島根県邑南町(おおなんちょう)の寺本果樹園の寺本直人です🧑‍🌾いつもありがとうございます!
最近仕事始めを1時間早めて、休憩時間を1時間無くして、計2時間仕事の時間を増やしました。しっかり働くとしっかり眠れることに気づきました😂


さて、今日は「やめる技術は、やめるまでやらないと身につかない」というお話をさせて下さい。


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【徹底的にやった結果、『やめる技術』が身についた】
前回の記事で「やめることもまた技術のうち」と書きました。
無駄なこだわりや作業を削ぎ落とす「引き算」が大事だと。

ですが、逆説的なお話になりますが、『やめる技術を身につけるためには、「徹底的にやる」しかない』と、これまでの経験で学びました。

僕はこれが、痛いほど身に染みた経験があります💦

野菜農家という職人を目指して20年間積み上げた結果、野菜農家も職人もやめた話です。


【野菜と共に生きた20年間】
何度もお話ししましたが、僕は元々「野菜農家」でした。

8歳の頃には両親の手伝いを始め、中学で本格的に家業のバイトを開始し、高校・大学で専門的に野菜について学び、20歳でプロの野菜農家になりました。

そして25歳まで続けました。

つまり、人生の約20年間、僕は野菜と共に生きてきたんです。

「栽培の職人」として、トマトやブロッコリー、キャベツやネギなどと向き合い続けてきました。

でも、僕はそれをやめました。
(※正確には「お休み」です!完全にやめたとは思ってません!全然諦めてない!)

なぜ、20年も続けた野菜を、職人の道を、やめようと思ったのか。

理由はシンプルで、かつ残酷でした。
「現代において、僕のやり方(単なる野菜栽培)では、生活できるほど儲けることができない」
という事実が、ハッキリとわかってしまったからです。


【「機能」だけでは勝てない時代】
僕の考えですが、野菜というのは「健康維持に必要な食べ物」、つまり"機能(健康食品)"を提供しているものだと思っています。

現代のような「物が溢れている時代」に、この「機能」だけを販売していても、大産地(北海道や九州県など)には絶対に勝てません❌

大産地は圧倒的な「生産量」「技術」「歴史」「ブランド」を持っています。
大産地なら、市場出荷でも十分に生活できる利益が出せるでしょう。

でも、大産地でもない、島根県の山奥のちっちゃな農家が同じことをしても、市場で生活できるほどの単価はつきません。

でも、当時の僕は若さゆえにこう思っていました。

「そんなことない!! 足りないのは僕の技術だ!! いいものをたくさん作って、市場出荷をガンガンやれば絶対にいける!!」

そう信じて、ガムシャラにやりました。

寝る間も惜しんで、技術を磨き、収量を上げることに命を燃やしました🔥
「僕ならできる」と信じて疑いませんでした。


【絶望的な数字のリアル】
その結果、どうなったか。
島根県で一人前とされるほどの技術(主に生産量)を身につけて、やっと見えてきた数字は『絶望的』でした。

当時の僕の皮算用(兼 実績)を大公開します。(ツッコミどころは許してください!)

・夏秋大玉トマト(10a栽培):収量10t × 単価300円/kg = 300万円
・春ブロッコリー(15a栽培):収量2.4t × 単価600円/kg = 79万円
・秋冬ブロッコリー(30a栽培):収量3.8t × 単価264円/kg = 100万円
(※邑南町は冬は雪で何もできないので、これが当時の限界です)

これらを全部足して、売上は479万円。
実際、野菜農家だった僕の過去最高売上は約500万円でした。

「おっ、500万なら悪くないじゃん?」
と思うかもしれませんが、これはあくまで「売上」です。「収入(手取り)」じゃありません。

ここから肥料代、苗代、資材代、燃料代、機械の減価償却費などを引きます。

仮にめちゃくちゃ上手く経営して、利益率が驚異の「5割」だったとしても、手元に残るのは250万円。

でも現実はそんなに甘くなく、実際の利益率は2〜3割。
実際、僕の手元には約100万円しか残りませんでした。

しかも、これは姉ちゃんがボランティアで手伝ってくれての数字です。

もし姉ちゃんに正当な給料を払っていたら?
赤字です。目も当てられません。


【死ぬ気で働いて、年収100万円】
毎日毎日、朝から晩まで泥だらけになって働いて、休みなんてなくて。
それだけやって、残るのが100万円。

「大規模化すればいいじゃん」という声もあるでしょう。
でも、田舎には人もいないし、まとまった土地もない。

何より怖かったのが、
「こんなに働いて年収100万円の僕が、従業員を雇って幸せにできるのか?」
ということでした。

人を雇っても、その人に十分な給料を払えない。不幸な人を増やすだけになる。

そんなリスクを背負ってまで大規模化する未来が、僕には見えませんでした。

こうやって徹底的にやり込んで、数字と向き合った時、僕は考えました。

「頑張っても頑張っても報われない世界で戦ってるな」

「このままこの世界で戦ってても、そう遠くないうちに(経済的に、あるいはメンタル的に)死ぬな」


【賭け】
ここで僕は究極の選択を迫られました。

A:このまま野菜農家を続ける → 間違いなくジリ貧で死ぬ。
B:全く違うこと(販売・果樹)を始める → 未知の世界で失敗して死ぬかもしれない。

どちらに転んでも「死」のリスクがあります。

でも、Aは「確定した死」に近い。Bは「未知数」だけど、生き残れる可能性がある。

「どうせどっちに転んでも死ぬなら、まだ生存確率が高い方にいこう」

そう思って、僕は野菜をやめて、販売(直売)と果樹(シャインマスカット)の道に進むことを決めました。

既存の戦い方(零細産地×安い野菜)は間違いなく死ぬ。
対して、シャインマスカットなら流行りに乗ってるし、何より「販売」には無限の伸び代があると思ったからです。


【「販売」という伸び代】
ですが、「販売(直販)」という未知の世界に希望がなかったわけではありません。

ちょっとわかりやすくするために、仮の点数をつけてみましょう。

当時の僕のスキルを点数化すると、こんな感じでした。
栽培:80点、販売:1点

栽培の80点を、90点、95点にするのは至難の業です。
しかも、仮に達成しても1.1倍程度にしかなりません。インパクトが小さい。

でも、販売は「1点」です。ほぼゼロです。
これを20点にするだけで、インパクトは20倍。
50点にできれば、50倍です。

全くやったことがない分野だからこそ、少し力をつけるだけで、そのインパクトは凄まじいものになると思いました。

販売への挑戦は伸び代しかない!!

それに、お客さんの反応も違いました。
野菜(機能)よりも、シャインマスカット(嗜好品・感動)の方が、直接買ってくださるお客さんの数が圧倒的に多く、反応も良かったんです。

「果物は甘くて美味しい分、売りやすい」
これが商売人としての僕の直感でした。


【徹底的にやったからこそ見えた「やめ時」】
こうして僕は、20年続けた野菜農家をやめ、職人をやめ、今のスタイルになりました。

逆に言えば、ここまで徹底的にやり込んで、数字を突きつけられて、限界まで足掻かないと、「やめる」という選択肢は見えなかったと思います。

覚悟を決めていなければ、「まだやれるはず」「努力が足りないだけ」「来年は良くなるかも」と、ズルズル続けて共倒れしていたかもしれません。

限界までやったからこそ、「あ、この壁は壊せないんだ。登るか、迂回するしかないんだ」と冷静に判断できたんです。

ただ、時に「やめる」という決断は『理由をつけて諦める』という形に姿を変えることもあります。
積み重ねるという時間も労力もかかる辛いことを、「これは戦略的にやめるんだ!」と理由をつけて逃げてしまえるからです。

その時には、
・「やめなければならない」と言えるほど積み上げたか?
・やめるための判断材料は揃っているか?また判断材料には数字や現実が伴っているか?
・自分が逃げたいだけではないのか?
と言ったことを考えてから「やめる・やめない」の判断をすればいい感じになると思います。

僕もまだ道の途中ですが、あの時のやめる」という決断が正解だったと証明するために、今日も泥臭く前に進みます。

『やめる技術』を身につけるには、やり続けるしかないです。
なので、今日もガムシャラにやり続けます💪


というわけで、「やめる技術は、やめるまでやらないと身につかない」というお話でした!
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お世話になります、島根県邑南町(おおなんちょう)の寺本果樹園の寺本直人です🧑‍🌾いつもありがとうございます!
今日は、冬の邑南町にしては珍しくよく晴れました!よく晴れた日の仕事終わりのご飯はなんであんなに美味しいんでしょうか??


さて、今日は「やめることもまた、技術のうち」についてお話しさせてください。


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【こだわりの裏側にある『デッカい落とし穴』】
寺本果樹園の栽培の基本方針は、シンプルに「おいしくすること」です。
それに合わせて収量や効率や利益を考えますが、やっぱりまずは「おいしい」を考えます。

でも、この「おいしくする」っていうのが、当たり前だけどめちゃくちゃ難しいんです。

以前も書きましたが、現代農業には「収量を上げるマニュアル」や「見た目を良くするマニュアル」は山ほどあっても、「味を良くするマニュアル」はほぼ存在しません。

だから、自分たちで手探りで見つけるしかないんです。

いろいろ試していくうちに、
「なんとなくこの肥料が良さそうだぞ!」
「この管理をするとコクが出そうだぞ!」
というのが、少しずつ見えてきました。

そして、この「おいしい」こそが、寺本果樹園の第一の『こだわり』となりました!

でも危ない危ない。
こだわりの裏側には、『デッカい落とし穴』がありました。


【「こだわり」はお金がかかる】
気をつけなければならないポイント。
それは、『こだわりは費用がかかる』ということです。

一般的に、収量を上げるためには「化学肥料」を使うのが断然効率が良いです。安くて、即効性があって、しっかり効きます。

でも、味を深めるために僕たちが使っている「有機肥料」は、価格が高い割に、成分量は少ないんです。

わかりやすく、肥料の主食である「窒素(N)」(人間でいうお米とかパン!)で比べてみましょう。

・ 以前使っていた化学肥料
↪︎20L入り(窒素成分10%):約5,000円
・ 現在使っている有機肥料
↪︎20L入り(窒素成分7%):約12,500円

わかりますか?
有機肥料の方が成分が少ない(10%→7%)のに、価格は倍以上(5,000円→12,500円)なんです。

これを同じ窒素量に換算すると、有機肥料は化学肥料の“約3.5倍”のコストがかかる計算になります。

「ちょっとこだわって肥料を変えてみようかな」
という軽い気持ちで変えただけで、経費が3.5倍に跳ね上がる。これがこだわりの『デッカい落とし穴』です。


【こだわり=足し算と思っちゃう】
『デッカい落とし穴』の恐怖はまだまだこんなもんじゃないです。
”こだわり=足し算“だと思い込んでしまうことです。

「もっとおいしくしたい!」と思ってネットや本で調べると、魅力的な情報がたくさん出てきます。

「有機肥料をやるとおいしくなるらしいぞ!」
「アミノ酸肥料!これで決まった!!」
「リン酸がいいのか!骨粉という肥料がいいらしい?」
「カルシウムもしっかり効かせないとダメか!」
「炭水化物を吸収させると光合成の節約になる?」
「海水ミネラルがいいらしい!」
「海藻エキスも効くぞ!」
「腐植酸? フルボ酸? フミン酸?なんだそれ、良さそうじゃん!」

今の時代、情報は無限に出てきます。

そして厄介なことに、これらの情報は多分「本当」なんです。
理論的には合ってるし、僕も農大時代に「これらの要素は大事だ」と習いました。嘘じゃないんです。

『理論的』にはね。


【理論と現場】
“こだわり=足し算”だと思っちゃうと、「あれも足して、これも足して…」と、どんどん肥料の種類が増えていきます。

でも、理論と現実は違います。実験室と現場は違います。

僕も過去、いろいろやってみました。
「あれもこれも」といろいろ投入してみました。
その結果どうなったか?

「正直、何が効いているのかよくわからなくなった」んです笑

確かに味は良くなりました。お客さんの反応もいいです。

でも、「アミノ酸肥料が効いたのか? 海藻が効いたのか? それともただ天気が良かっただけなのか?」
因果関係が複雑すぎて、再現性がなくなってしまったんです。

さらに、肥料を根っこからあげるだけじゃなく、「葉っぱから吸わせる(葉面散布)」という方法もあります。

去年は週に1回、多い時は週に3回くらい、重たいタンクを背負って、あるいは機械を動かして、必死に葉っぱに肥料をかけていました。

これ、めちゃくちゃ大変なんです。
追加の肥料代がかかるのはもちろん、散布する手間、時間、機械のガソリン代。
そして何より、僕の体力が削られていく…。


【勇気ある“引き算”の決断】
そこで今年、僕は大きな決断をしました。
「やめよう」と。

足し算の暴走を止めて、勇気を持って”引き算“をすることにしました。

去年のデータを引っ張り出し、
「これは本当に必要か?」
「これは無くても味は変わらないんじゃないか?」
と、一つ一つ精査していきました。

その結果、
・あれこれ使っていた肥料は、基本的に3種類に絞る。あとは適宜必要なタイミングであげる
・週3回やっていた葉面散布は、月1回程度に激減させる。
ここまで削りました。

正直、怖かったです。「これで味が落ちたらどうしよう」と思いました。

でも、蓋を開けてみたらどうでしょう。
今年のイチゴ、「過去イチおいしい!」というお声をたくさんいただいています。
実際、僕たちが食べてみても、去年より味が良くなってる気がします。

“引き算”が上手くいった!!


【やめることもまた、技術のうち】
今回の経験で思いました。

「おいしくなるから!」「こだわりは大事だから!」
という大義名分のもと、追加の肥料や技術を「足し算」していくことは、実は誰にでもできます。お金と時間さえあれば。

でも、
「どの肥料をやめるか」
「どの作業を削るか」
という”引き算“を見極めることが、めちゃくちゃ大事だと気づきました。

無駄な肥料をあげまくって、経費がかさめば経営が傾きます。
かかった経費を価格に転嫁すれば、イチゴの値段が上がって、お客さんが買いにくくなってしまいます。

それでは「三方よし」にはなりません。

そして怖いことに、足し算を頑張っていると、「こだわってる僕、頑張ってる!」と自己満足に浸れてしまいます。
「頑張ってる!」という充実感は、結果の有無に関わらず「でも頑張ってるから!これは間違ってない!!」という免罪符になりかけてしまいます。

こだわりを追求する「足し算」は超大事。
でも、無駄を削ぎ落とす「引き算」も同じくらい大事。

寺本果樹園のイチゴは今、足し算の次のステージである“引き算”にたどり着いた気がします。

「やめる勇気」。
これを持つことも、プロの農家としての重要な責務だと学びました。

やめることもまた、技術のうち。
技術とは本当に多方面に伸びてて、やっぱり面白いなと思いました!一生学びが続きそうです😆


というわけで、「やめることもまた、技術のうち」というお話でした!
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改めて自分たちの作るイチゴを食べて「うまっ!!」とびっくりしました🍓うま過ぎて笑った笑


さて、今日は「これで安心して努力できる」というお話をさせてください。


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【見直したかったプロフィールをやっと直した!】
先日、オンラインの各販売サイトのプロフィールを修正しました。

実はこれ、各サイトを立ち上げた時(もう4年も前!)に書いて以降、ほとんど触っていなかったんです。

ずっと「早く直したいな〜」とは思っていたんですが、日々の忙しさを言い訳に放置していました。

4年前のガムシャラ期に書いたプロフィールなので、物足りないというか稚拙というか…はっきり言って痛々しい文章だったので、「誰も見ないでくれ!!」と思ってました笑

そんな「過去の黒歴史」を抹消すべく、あーでもないこーでもないとウンウン唸りながら、プロフィールを全面的に書き直しました!


【プロフィールで意識した3つのこと】
今回、書き直すにあたって意識したのは、以下の3つのポイントです。

① 実績を書く
② お客さん目線で「信頼」してもらえる内容にする
③ 自分たちの曲げられない「信念」を書く

特に②の信頼。これはオンライン販売において命です。

顔が見えない相手から、口に入れる食べ物を買う。これって、お客さんからしたらすごく勇気がいることですよね。

だからこそ、「この農園なら大丈夫そうだ」「変な人たちじゃなさそうだ」と思ってもらえるような、安心感のあるプロフィールを目指しました。

そして③の信念。
「効率よりも味を優先する」「完熟にこだわる」といった、僕たちが絶対に譲れない部分を、飾らない言葉で書きました。

【「僕に実績なんてあるのか?」という不安】
で、一番悩んだのが①の実績」です。

農業に限らず、商売の勉強をしていると、どこに行っても「実績の重要性」が説かれています。

「何賞を受賞」
「メディア出演多数」
「創業〇〇年」

そういう客観的な事実は、お客さんの信頼を一気に高めてくれる強力な武器になります。

頭ではわかっていました。

でも、いざ自分の実績を書こうとしても、うまいこと思いつきません。

「あれ…? 僕に書ける実績なんて、あるのかな…?」
探せど探せど、僕の中には「これだ!」と胸を張れるようなキラキラした実績が見当たらない気がしました。

毎日泥だらけになって働いているけど、それは「実績」とは呼ばないんじゃないか。
ただ必死に生きてきただけで、世間に誇れるような「証」なんて何もないんじゃないか。

そんなことを思いながら、日々仕事をしていたのですが、過去の資料や賞状、新聞の切り抜き、ネット検索などひっくり返して探してみました。


【気づけば積み上がっていた「実績」】
「あれ…? 意外にあるぞ?」
一つ、また一つと、忘れていた記憶が蘇ってきました。

賞をいただいたこと、新聞に載せてもらったこと、ラジオに出たこと、お客さんからの評価。

書き出してみると、こんなにもありました。

【寺本果樹園の実績・メディア履歴】
<基本データ・受賞歴>
・ 室町時代から続く農家の家系(父・祖父からの口伝)
• 農家暦合わせて20年(姉:11年、僕:9年)
• 2024年 食べチョクAWARD 果物部門 入賞
• 2025年 ぶどうグランプリ さわやかな甘さ部門 銅賞
• 累計発送件数 2000件越え
• 地元JAのギフトに採択実績あり
• ふるさと納税返礼品実績あり

<メディア掲載・出演>
• 2014年7月:矢校News「農業クラブ意見発表会 最優秀賞受賞」
• 2014年12月:矢校Newsレター「農業鑑定競技 全国大会出場」
• 2020年9月:NOSAI島根「特集 輝く女性農家」
• 2022年8月:JAしまねびより「県青協がJA青年大会を開催!」
• 2023年3月:JAしまねびより「島根県農協青年組織協議会 島根県JA青年大会の開催」
• 2023年5月:山陰中央新報「邑南イチゴ 若い力で復活 寒冷地栽培の手間が甘味に。寺本さん『仲間増やしたい』」
• 2023年9月:おおなんケーブルテレビ出演
• 2024年4月:ラジオ ハートフルデイズ出演
• 2024年5月:農業共済新聞「野菜・果樹 姉と弟 力合わせ直販強化へ」
• 2024年8月:中国新聞「矢上小児童クラブに特産ブドウ『神紅』プレゼント」
• 2025年2月:公民館だより「はばたき講座」
• 2025年10月:しまね移住支援サテライト東京 主催イベント ゲスト参加

……思ったよりあるぞ

「実績なんかない」と思っていたけど、気づいたらこんなに積み上がっていました。
「僕たちのやってきたことは、ちゃんと形に残ってたんだ。」


【「暖簾に腕押し」だった3年間の暗闇】
僕は今年で就農9年目になります。

最初の5年間は、とにかく栽培技術を身につけるのに必死でした。

そして、「いいものを作っても、売れなきゃ意味がない」と気づき、そこからの4年間は「販売」にも力を入れ始めました。

でも、販売に力を入れ始めてからの最初の3年間は、本当に地獄でした。

ブログを書いても誰も読まない。
SNSを投稿しても反応がない。
新しい商品を考えても売れない。

頑張っても頑張っても、前に進んでいる感覚が全くない。
まさに、暖簾に腕押し。

手応えがなさすぎて、自分がやっていることに何の意味があるのかわからなくなり、正直かなりメンタルにきていました。

「ずっと意味のないことばっかり、無駄なことばっかりやってるんじゃないか」
「自分のエゴばかりやってて、何も意味なんかないんじゃないか」

そんな風に自分を責めて、弱っていた時期もありました。


【穀潰し】
去年の1月5日のブログで、僕は自分のことを「穀潰し(ごくつぶし)」と書いていました。

30歳手前にして、何も実績がない。積み上がってない。姉ちゃんが偶然シャインマスカットを栽培してくれたおかげでなんとかなってるが、それにぶら下がってるだけの状態。

でも、9年目にしてやっと。
いよいよ「今年は結構いい感じじゃない?」と思えるようになってきました。

そして今一度、こうして実績を振り返ってみると、あの「無駄だと思っていた時間」が、実は確実に積み上がっていたことに気づきました。

メディアに取り上げていただいたのも、賞をいただいたのも、全部あの苦しかった時期に種を蒔いていたからです。

全然、無駄じゃなかった。
全部、繋がってた。
今なら、胸を張って言えます。

「寺本直人は穀潰しなんかじゃない。寺本果樹園の一員だ!」


【これで安心して努力できる】
実績というのは、ただの自慢のための飾りじゃありません。
「本気で取り組んできたことの証」であり、「お客さんを幸せにしてきた証」です。

累計発送件数2000件越えという数字は、2000回分の「おいしい!」を作ってきた証拠です。

本当に、頑張ってきてよかった。
諦めずに続けてきて、本当によかった。

「絶対、努力は裏切らない。諦めない限り。」
使い古された言葉かもしれませんが、今の僕には、この言葉が一番しっくりきます。

泥臭く積み上げてきたこの実績を「自信」という名の新しい武器に変えて、10年目も、20年目も走り続けようと思います。

今も「うまくいかないなぁ」の連続ですが、昔と違うのは「絶対にうまくいく!!」と思えているところです。

これからも安心して努力できる。


というわけで、「これで安心して努力できる」というお話でした!
寒暖差が激しいので、みなさん本当にご自愛ください。
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お世話になります、島根県邑南町(おおなんちょう)の寺本果樹園の寺本直人です🧑‍🌾いつもありがとうございます!
最近雪が落ち着いてきて、畑に来てくださるお客さんが増えました😆やっぱり雪あると外でねぇんだよな…吹雪の日は僕も家に居てえよ😂


さて、今日は「農業だけでなく、人と人との繋がりが増えた」というお話をさせてください。


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寺本果樹園もイチゴにてお供します😆美都町のイケてる農家・空と小さな屋根の農園さんの「7~9種類のいちご食べ比べ」もあります!空と小さな屋根の農園さんは、キッチンカーやいちご狩りもされてるめっちゃすごい農家さんです🤩

そんなイチゴフェア……
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※邑南町のオフラインイベントです。


【口コミで広がる「寺本果樹園という場所」】
今年のイチゴシーズン、本当にありがたいことに、今までとは少し違う「熱気」を感じています。

お客さんからいただく言葉が、熱いんです。

「これまで食べたイチゴで一番おいしい!」
「もう他のイチゴは食べれんわ〜」

そんな最上級の褒め言葉を、毎日のようにいただけるようになりました。

そして、その「熱」が伝染しているのか、お客さんが新しいお客さんを連れてきてくださることが急増しました。

つい先日のことです。
いつもの常連さんが来てくださったんですが、その日は様子が違いました。

「寺本くん、今日は友達連れてきたよ!」
そう言って入ってきたのは、なんと車4台🚗🚙🚐🚗
ただでさえ小さい寺本果樹園の駐車場が、一瞬でパンパンになりました笑
用意してたイチゴはすっからかんになりました😂

でもこれって、ただ「イチゴを買いに来た」だけじゃなくて、「寺本果樹園という場所」を誰かに教えたいと思ってくれたってことですよね。それが何より嬉しかったです。
姉ちゃんも、「お客さんが広めてくれるって嬉しいね」と言ってました👍

最近、お客さんとの会話がどんどん長くなっています。
もはや「店員と客」というより、「仲のいい知人や親戚」みたいな距離感です。

「今日は雪がすごいね〜」から始まって、家族の話、仕事の話、地元の話。
イチゴの受け渡しはほんの一瞬なのに、雑談で盛り上がってしまうこともあります🔥


【売り場を広げる=『お客さんに感謝していただく』】
お客さんとの触れ合いが増えたのは、雑談だけじゃありません。
なんと、「仕事の紹介」をしてくださることが急激に増えたんです!

「仕事の紹介」と聞くとビジネスライクでドライに聞こえるかもしれませんが、実際はもっと温かいものです。

「寺本くん、頑張ってるから〇〇さん(お店や企業)に紹介しといたよ! 応援してるから!」
「そういえば次〇〇で新しく売店ができるんだけど、イチゴ置いてみない??頑張ってるから応援させて😆」

嬉しいことにお客さんが寺本果樹園の営業・宣伝・広報部長になって、新たな売り場や取引先を連れてきてくれるんです。

これ、すごくないですか?

以前は販路がなくて困ってるどころか、販路の広げ方すら全く分からない状態でした。
でも今ではありがたいことに、お客さんから新たな販路やチャンスをいただけることが増えました。

あの時の僕は焦ってばかりで気づきませんでしたが、販路の増やし方は『お客さんに感謝していただくこと』だったんだと気づきました。


【農家の世界から、広い世界へ】
こうして振り返ってみると、僕の周りの人間関係がガラッと変わったことに気づきます。

以前の僕の繋がりといえば、
・農家仲間
・JAさん
・役場の方
・普及員さん
という、いわゆる「農業関係者」の方々だけでした。
もちろん大切な繋がりですが、どこか「業界内」で完結していました。

でも今はどうでしょう。

食べてくださるお客さんを筆頭に、
・学校の先生や子どもたち
・地元のおじちゃんおばちゃん
・児童クラブの子どもたちや支援員さん
・土建屋さんのおっちゃん
・病院の理事の先生
・福祉施設の職員さん
・工場経営の会長やご婦人、工場長や現場の人
…もう、書ききれないくらい多種多様な方々と繋がっています。

よくよく考えてみれば、僕は毎日お客さんと会話しています。
地元の方とも、オンラインの向こうの方とも、取引先の方とも。

これって、黙々と畑で作業して出荷場に荷物を置いて終わるだけの一般的な農家スタイルからすると、かなり珍しいことなんじゃないでしょうか?


【近づいてきた「三方よし」の世界】
商売の世界には、近江商人の有名な言葉で「三方よし」というものがあります。

「売り手よし、買い手よし、世間よし」

・売り手(僕たち):適正な価格で販売し、ちゃんと利益を出して経営を持続させる。
・買い手(お客さん):おいしいイチゴに満足し、「買ってよかった」と価値を感じる。
・世間(社会):その取引が、地域や社会全体の利益や幸せにつながる。

つまり、みんなが幸せになるサイクルです。

今、寺本果樹園はこの「三方よし」に、少しずつですが近づいている実感があります。

お客さんが喜んでくれて(買い手よし)、
その応援で僕たちの経営が安定して(売り手よし)、
さらにそこから新しい繋がりや地域の笑顔が生まれる(世間よし)。

この「三方よし」の根底にあるのは、絶対的に「人と人との繋がり」です。
繋がりが増え、濃くなっていくこと。それが「三方よし」への一番の近道なんだと、最近痛感しています。


【小さな成長】
最後に、ちょっと個人的な告白を。
僕は元々、超がつくほどの「引っ込み思案・内気・根暗」タイプです笑

人と関わるのが苦手で、できることなら一人で黙々と作業していたい人間でした。
今もその性格が治ったとは思いませんし、治るものとも思っていません。

でも…
昔ほど、人と人との繋がりが嫌じゃないんです。
どころか、嬉しいとすら思っています。

「おいしかったよ!」という声、「頑張れよ!」という応援、「友達連れてきたよ!」という笑顔。

このような人との繋がりは、イコール「信頼」だと思います。

信頼が一つずつ積もっていって、それが目に見える形(お客さんの数や笑顔)になる。
これは、ただ単にイチゴが売れること以上に、僕自身の「人としての成長」を感じられる瞬間でもあります。

イチゴの味を磨くのはもちろんですが、人間的にももっと成長して、
「寺本さんから買いたい」「寺本果樹園を応援したい」
そう思ってもらえるような農家になります。


というわけで、「農業だけでなく、人と人との繋がりが増えた」というお話でした!


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島根県 邑智郡邑南町

寺本果樹園

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