葡萄畑ふくじろうの投稿一覧

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6月下旬、ブドウスカシクロバの幼虫被害が急速に拡大し、
手の付けられない状態になってしまいました。(写真1,2枚目)
殺虫剤を使用せずに栽培してきたのは、圃場の生態系を維持し
正常な食物連鎖が行われることで害虫の大発生を防ごうとしたからです。
ですが、その方針にも限界があることを痛感しました。
ただ、化学農薬の殺虫剤を使用すると、無関係の虫や益虫までも
駆除してしまう危険性が非常に高いのでどうしようか悩んでいました。

色々と調べてみると、有機JAS認定の殺虫剤・BT水和剤は
微生物を利用して葉を食害する毛虫系のみを駆除する薬剤。
心配していた他の虫への影響はほとんどないとのこと。
今まで大事にしてきた生態系への影響は少ないと考え、
殺虫剤を使用する決断をしました。

BT剤を散布した数日後、黒く変色し死んでいる幼虫を散見しました。(写真3枚目)
ただ、効果があるのは1cm弱の若い幼虫のみ。
丸々太った幼虫に効果がみられませんでした。
しかし、同じころに援軍となる益虫が本格的に現れてくれました。
幼虫に吸い付いて食べてくれます。(写真4枚目)
BT剤とのダブル効果でブドウスカシクロバの幼虫被害も
少しずつ収束へと向かってくれました。

そして、BT剤が毛虫系の害虫のみを殺虫し、
益虫まで殺虫することがないことを確認できたのも大きな収穫です。
来年からは効果的な散布でブドウスカシクロバの幼虫被害を
かなり抑えることができるのではないかと考えています。

被害がある中で何とか袋掛けを終えることができました。
非常に苦しい1か月。この被害で3,4割収穫量が減りそうです。
実だけでなく、葉も大きな被害を受けているので、
どこまで収穫できるか不透明な感じです。
ですが、こんな状況でも美味しいブドウをお届けできるように
今後もしっかりと管理してきたいと思います。




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ブドウスカシクロバの成虫が発生のピークを迎えています。
畑を飛び回り、あちこちで交尾しているのを見かけます。
ブドウスカシクロバと言えば幼虫が葉を食い荒らして大変なので、
アカガネサルハムシの次はこ奴の捕獲・駆除に努めています。
棚の針金によくとまっています。

反応がそれほど敏感ではないので素手で捕獲しています。
慣行農業をやっておられる方からすれば、殺虫剤を散布すれば済むことなんでしょうが、
ふくじろうでは殺虫剤を一切使用しないので、地道にマンパワーで駆除しています。

少し前に、息子が国語の音読でイースター島の森林について読んでいました。
モアイ像で有名なあの島ですが、ポリネシア人が上陸する西暦400年ごろまでの
約3万年もの間は豊かな森林におおわれていたようです。
それが人間の森林伐採や食用で持ち込まれたラットが樹の芽を食べつくして
今のような森林がほとんどない島へと変貌させたそうです。
約1000年ほどの間に。

殺虫剤は効果の良し悪しはあるものの様々な虫を殺します。
それは害虫だけでなく無関係な虫たちも。
殺虫剤を使用するとミクロ的ではありますが、生態系を一気に破壊しています。
化学農薬が使用されてどれぐらいがたつのでしょうか。
せいぜい100年ぐらいだと思うのですが、世界的に急激に虫が減少しているそうです。
イースター島の森林が破壊された1000年に比べれば猛烈に早いスピードではないでしょうか。

などということを害虫を捕獲しながら考えたりするのです。




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