牡蠣漁師さんに聞いた!<牡蠣から見た地球> 海の温度も上昇している!秋にはもう牡蠣は食べられない?

2025/05/29 更新

食べチョクでは2024年6月に、桃の農家さんに『桃の栽培に関するアンケート』を実施。その結果、どの農家さんも気候変動や環境の変化を感じている、ということがわかりました。

そこで我々はさらに調査を重ね、今回は牡蠣について牡蠣漁師さんにアンケートを行いました。生で食べるのはもちろん、バターソテーやお鍋の具材として、秋冬の食卓を彩ってくれる牡蠣。そんな牡蠣もまた、気候変動の影響を受けているのでしょうか。

そんな疑問を元に、三重県、広島県、宮城県の牡蠣漁師さん6名にアンケートを行った結果、温暖化の影響を受けていると感じる、という回答が100%に上りました。

海にも暑さの影響が……。中には3〜4割の牡蠣がダメになった漁師さんも

牡蠣漁師さんが育てている真ガキの旬は、10月から3月にかけてです。5月から9月頃に産卵を行い、その後産卵のために失った栄養を再び蓄え、おいしくなるのがこの頃。けれども、この「牡蠣の旬」に変化が見られているといいます。

原因は、海水温の上昇。秋口になってもなかなか水温が下がらず、牡蠣の身入りの時期が遅くなっているそうです。

また、2023年の夏から秋にかけては、最高気温が35度を越す猛暑日を記録する地域が多く、気象庁も「異常気象」と発表しています。中にはこれが原因で、3〜4割の牡蠣がダメになってしまった、という漁師さんも。気候の変化が、牡蠣の発育や取れ高に影響を及ぼしています。

プランクトンの変化。牡蠣が餌不足に

また、温暖化によって、牡蠣の餌であるプランクトンも減少しているそうです。

水温が上がると海の表層と深層の水が混ざりにくくなり、プランクトンの栄養源である窒素やリンが、表層部に行き届かなくなります。そのため、数が減少。そのプランクトンを餌にしている牡蠣も、栄養不足に陥ってしまうのです。

牡蠣漁師さんの対策

海水の塩分濃度や海の酸素濃度、気候、プランクトンの量など、自然環境に大きく左右される牡蠣の養殖。人の手ではどうにもできない部分が多いため、対策するのが難しいという感想の漁師さんもいらっしゃいます。

けれど、こうした状況にも負けず、全ての漁師さんが何らかの対策を行っています。

牡蠣の出荷時期をずらす

身入りの遅れに対応するために、幾つかの漁師さんは牡蠣の出荷時期をずらしているそうです。今までは10月から出荷していたものを11月や、さらに遅いと12月に移行をした漁師さんもいらっしゃいました。

暑い時期は、筏を移して対策

牡蠣には、幾つかの養殖方法があります。例えば浅瀬に棚を設置して育成する棚式養殖、海面に筏(いかだ)を浮かべて養殖をする筏式養殖、海中に籠を吊るし、その中で牡蠣を育てるバスケット養殖などです。

筏式養殖をしている漁師さんの場合は、夏の暑い時期は海水温が低い所に筏を移動し、対策をしているそうです。

その他、バスケット養殖の新しい手法を試している漁師さんもいらっしゃいます。みなさんさまざまな養殖方法を試しながら、少しでも良い牡蠣が育つように工夫をしているようです。

私たちの考える、「牡蠣のこれから」

牡蠣漁師さんのアンケート結果から、海水温度の上昇により、牡蠣の発育が遅くなっていることがわかりました。今まで秋口から食べられていた牡蠣が、冬限定の食材になる日が来るかもしれません。

また、最近好まれる傾向にある粒が大きい牡蠣の場合は、育つのに2~3年と長い月日がかかるそうです。そのため時間が必要。おいしくて大きめの牡蠣を食べたいのであれば、じっくり待つのが良さそうです。

最後に

昨今、海水温度の上昇によって魚が北上している、というニュースがよく聞かれますが、牡蠣もまた影響を受けています。

牡蠣漁師さんたちは、そんな環境の変化に対応し、少しでもおいしい牡蠣を育てようと日々努力を重ねています。そんな牡蠣漁師さんたちに思いを馳せながら、牡蠣を食べてみていただけたらうれしいです。

こだわりの牡蠣を探す

食べチョクでは、今後も「農家からみた地球」について、シリーズでお伝えしていく予定です。私たち食べチョクや農家さん、そして食卓で、今できることを長い目線で考えていけたらと思っていますので、どうぞ今後の更新をお楽しみに。

「牡蠣から見た地球」以外にも、牡蠣に関する「知らなかった」「なるほど!」な情報を集めた特設サイトも公開中。今年の秋は、食べチョクと一緒に、牡蠣をさまざまな角度から見てみましょう。

殻付き牡蠣をおいしく食べる!開け方のコツやレシピをご紹介
殻付き牡蠣をおいしく食べる

最新の貝類の特集記事

春の旬!今食べたい貝特集

春の旬!今食べたい貝特集

【目次】 今が旬!おすすめの貝と楽しみ方 春のアウトドアにぴったり!BBQで楽しむ貝料理 お取り寄せで旬の貝を楽しもう 焼いても蒸してもおいしい!春は貝がおいしい季節。BBQやキャンプ、潮干狩りなど、アウトドアシーンでも大活躍!BBQで楽しむ焼き牡蠣・ホタテバター焼き、濃厚な旨みのホンビノスやハマグリの酒蒸しなど、今が旬の貝を楽しみ尽くそう!今が旬!おすすめの貝と楽しみ方春に食べたい貝を「BBQ向き」「酒蒸し・汁物向き」「贅沢な一品」など特徴ごとにご紹介!どれを選ぶか迷ったら、ぜひ参考...

2025/03/25 公開

 「過去最悪の不漁」でも諦めない。青森のホタテ漁師が貫く“世界一うまい”への執念

「過去最悪の不漁」でも諦めない。青森のホタテ漁師が貫く“世界一うまい”への執念

海水温の上昇が、日本の海に静かな、しかし深刻な変化をもたらしています。青森県の陸奥湾で育つホタテも例外ではありません。3年連続で水揚げ量は減少し、今年は「過去に例を見ない」例年の2割ほどしか獲れないという、壊滅的な状況に陥っているのです。「自分たちの努力とは別の問題があって、うまくいかない」そう語るのは、青森県でホタテ漁と加工を手掛けるほたての山神 営業部営業二課課長の東山さんです。逆境の中、彼らがなぜ前を向き続けられるのでしょうか。その原動力は、「自分たちが育てた世界一美味しいホタテを、...

2025/10/21 公開

短い夏に、濃い旨みを。いまこそ岩牡蠣を食べよう

短い夏に、濃い旨みを。いまこそ岩牡蠣を食べよう

ごつごつとした殻の中に、ふっくらとした身をたたえ、濃厚な旨みをぎゅっと閉じ込めた「岩牡蠣(いわがき)」。その姿には、ただ“美味しい”だけでは語りきれない、自然の力強さと美しさが宿っています。そんな岩牡蠣が旬を迎えるのは、6月から8月にかけての夏。冬に味わう真牡蠣とは異なり、岩牡蠣は限られた地域と生産者のもとで、じっくりと年月をかけて育てられます。育成にかかるのは、実に4年以上。大量生産には向かないぶん、ひとつひとつに手間と物語が込められているのです。市場に多くは出回らず、店頭で見かけること...

2025/05/23 公開

貝類の特集記事をもっとみる

食べチョクおすすめ

貝類の選び方

詳しくはこちら

最新のおすすめ特集記事

魚の盛り付け向きを種類別に解説|焼き魚・切り身・刺身

魚の盛り付け向きを種類別に解説|焼き魚・切り身・刺身

魚を盛り付けるとき、「頭はどちら向きだっけ」と迷い、なんとなく置いてしまった経験はありませんか。実は「頭を左・腹を手前」には、日本の礼法や食べやすさに基づいたしっかりとした理由があります。この基本を一度理解してしまえば、焼き魚も煮魚も迷わず自信を持って盛り付けられます。さらにカレイのように頭が右を向く例外や、切り身・半身など形状ごとのルールも整理しておけば、どんな魚でも慌てずに対応できます。来客時やお祝いの席でも「恥ずかしくない一皿」を、根拠を持って実践できるようになりましょう。産直の鮮魚...

2026/05/01 公開

11月旬の魚の選び方|スーパー・産直で使える目利き術

11月旬の魚の選び方|スーパー・産直で使える目利き術

11月に旬を迎える魚は、サンマやサバだけではありません。水温が下がるこの時期、ブリ・カレイ・キンメダイなど、脂がのって旨みの増した魚が一斉に食べごろを迎えます。さらにズワイガニや牡蠣といった魚介類も旬の入り口を迎えるため、一年でもっとも食卓が豊かになる季節といえます。「売り場で何を選べばいいかわからない」「旬の魚の調理法が知りたい」——そんな悩みをお持ちの方に向けて、この記事では11月が旬の魚の種類と特徴、鮮度の見分け方から献立例まで、まとめてご紹介します。産直の鮮魚をチェック>11月が旬...

2026/05/01 公開

冷凍した魚の日持ちは何日?種類別の目安と保存法

冷凍した魚の日持ちは何日?種類別の目安と保存法

冷凍庫に入れた魚、「まだ食べられるのかな…」と迷ったことはありませんか?冷凍すれば長持ちするのは確かですが、「いつまでも安全」というわけではありません。家庭の冷凍庫では、切り身で2〜3週間、刺身なら1〜2週間が品質を保てる目安です。正しく保存しないと冷凍焼けや臭みが生じ、せっかくの魚がおいしく食べられなくなってしまいます。この記事では、魚の種類・状態ごとの保存期間の目安から、鮮度を守る冷凍・解凍の正しい方法、冷凍焼けの見分け方と対処法まで、食材を無駄なく使い切るための知識をまとめて解説しま...

2026/04/30 公開

魚のグリル焼き時間|種類・切り身・冷凍の目安

魚のグリル焼き時間|種類・切り身・冷凍の目安

「魚をグリルで何分焼けばいいか」が分からず、調理の手を止めて検索していませんか?生焼けのまま食卓に出してしまうか、焦がしすぎて台無しにしてしまうか——魚を焼くたびに感じるその不安は、焼き時間の目安と基本のコツを知るだけで一気に解消できます。切り身か姿焼きか、片面焼きか両面焼きか、冷凍か生鮮かによって最適な時間は変わります。この記事ではそれぞれのパターンを具体的な分数で解説するので、自分の状況に当てはめてすぐに使えます。予熱・火加減・焼き上がりの確認方法まで押さえれば、誰でも毎回失敗なく美味...

2026/04/30 公開

魚はどっちから焼く?失敗しない焼き順の理由を徹底解説

魚はどっちから焼く?失敗しない焼き順の理由を徹底解説

魚を焼こうとして「皮から?身から?」と迷い、気づけば手が止まってしまった経験はありませんか。「なんとなく焼いたら皮が剥がれた」「身が崩れた」といった失敗は、実はちょっとしたルールを知るだけで防げます。基本は「皮から先に焼く」ですが、干物の開きだけは例外で、身から先に焼くのが正解です。さらに、グリルとフライパンでは火の当たり方が異なるため、器具に合わせた対応も必要になります。この記事では、生魚・干物・姿焼きといった種類ごとの焼き順から、皮がくっつかないコツまでをまとめて解説します。一度読めば...

2026/04/30 公開

すべての特集記事をみる

この記事をシェアする

サイトトップにもどる