寺本果樹園の投稿一覧

お世話になります、島根県邑南町(おおなんちょう)の寺本果樹園の寺本直人です🧑‍🌾ありがとうございます!
今日で寺本果樹園は(ほぼ)仕事納めとなりました!本当だったら明日の予定だったのですが、思ったより仕事が早く進んだおかげで、姉ちゃんと話した結果「もう今年の仕事は納めでいっか」となりました。あとはぼちぼち気になるところをちょろっとやったり、ブドウの木の枝の和紙試作やってみたりと言った具合です。
あんまり年の瀬感ない!


さて、今日は「極寒地域におけるイチゴ栽培の現状」についてお話しさせてください。


結構農業の現場寄りのお話になります。なんとか面白い読み物になるよう頑張ります!

まずは、僕の地元邑南町の気候の紹介を。
題名は極寒地域としましたが、たぶん言い過ぎな気がする💦

ざっくりとした紹介ですが、「中山間地域且つ盆地なので、夏は暑く冬は寒く、雪もめっちゃ降る(豪雪地帯、国に指定されためっちゃ雪降る地帯)。あと山陰地方なのであまり晴れない。」といった感じです。

今回大事なのは、『3点』。
①めっちゃ寒い
②めっちゃ雪降る
③あまり晴れない

特に①が超曲者なので、まずは②と③について、軽く説明します。

②めっちゃ雪降る
邑南町はめっちゃ雪が降ります☃️国に指定されてるくらいです!豪雪地帯と言います。

大体毎年膝上くらいまで降ります☃️30cmくらい☃️
けど最近は降らない年もあって、よくわからないです…。

邑南町の農業における雪のメリットデメリットはこんな感じ。

【メリット】
・「雪中野菜」やちょっとした「雪中保存」ができて、野菜がマジで美味い。
・特にイチゴは、実がゆっくり熟すから「なにこれ!」と言ってしまうほど美味しい(直人談)。
・土の塩基バランスのリセットが図れる
↪︎塩基バランスはざっくり「土の栄養状態」。肥料成分が土にかなり溜まってしまう「土のメタボ化現象(直人命名)」をリセットしてくれる!

【デメリット】
・野菜や果物の育ちがかなり悪い。
↪︎もはや作らずにバイト行く方が儲かるくらい💦
・ハウス倒壊の危険性。父さんは過去に2度壊してます。
・畑に行くまでの道のりで、スリップ事故の可能性。僕は対向車線にはみ出るほど滑りました。姉ちゃんは一回転しました。雪道運転マジでヤバい!!

こんな感じ!

まとめると、
『美味しい野菜や果物できるけど、難易度はすごく高い。』

③あまり晴れない
あんまり晴れません。最近は週6曇りか雪で、1日だけ晴れました☀️

【メリット】
・(農業におけるメリットは)おそらくない
・肌が綺麗になる
↪︎島根県は「美肌ランキング」上位層&連覇のトップランカー

【デメリット】
・光合成が盛んに行われない→作物の育ちが悪い
・晴れないので寒い
・(ハウス栽培だと)温かくしたいから閉めっぱなしにするが、そのせいで湿気が溜まり病気が出やすい

こんな感じ!

マジで農業にとって「晴れない」は致命的。

①めっちゃ寒い
これですね。個人的曲者第1位。

どれくらい寒いかというと、
「マイナス気温は当たり前。最高気温がマイナスもザラにある。−15度経験済み。」

−15度は、寺本家のボイラーがイカれてお風呂に入れなくなってしまうくらいの感じです♨️❄️

【メリット】
・雪のメリットと一緒で、ゆっくり熟すから美味しい野菜や果物ができる

【デメリット】
・野菜や果物の育ちが「とまる」
・そもそも植物はこの気温で生育するように設計されてないので、栽培は無茶がある。
・花がダメになるので、実にならない
・凍害で葉っぱなどの組織が凍る→太陽で溶かされるの繰り返しで植物が弱り、病気になりやすい。またはそのままダメになる。
・寒すぎて、栽培システム(機械)が壊れることもある

こんな感じ!

大体雪とおんなじ感じですね!
けど、「花がダメになる」というのが厄介で…。寒さに比較的強いとされてるイチゴですら、被害が出てます💦

ここまでみていただけたらわかると思います。
「デメリット多すぎ?もしかして邑南町の冬は農業向いてない…?」

はっきり言うと、「向いてないです。」

うちも色々と試行錯誤を繰り返して今はイチゴに辿り着きましたが、本当に「冬の作物」には苦労してます。

寒すぎるから。雪が降るから。

そして現在、寺本果樹園のイチゴは冬の試練を迎えています。
「花がダメになる」問題。「病気が出やすくなる」問題。

寒すぎて花粉がダメになり、花が黒く変色してしまいます。
だからと言って温かくするためにハウスを閉め切れば、カビ(病気)が花や実をダメにします。

極寒地域の農業って難しいでしょ?

もちろんこれらの試練を乗り越えるために、あれやこれや手を打ってます!
温めるための布やビニールをイチゴにかけたり、微生物を駆使してカビを抑えたり…。

夏の猛暑の後は、冬の極寒。一難去ってまた一難。
寺本果樹園のイチゴ栽培…面白くなってきやがったぜ🔥

というわけで、「極寒地域におけるイチゴ栽培の現状」というお話しでした!


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ここからは関係のない『僕の雑談・感想』です。

なんとなく、冬の邑南町(極寒地域)の「農業の現状」がわかっていただけたでしょうか?「難しい!」と言うことだけでもわかっていただけたら嬉しいです。

正直何度もこの気候を恨んだこともあるし、他の県みたいに「冬が暖かいところはいいなぁ」と羨んだことも何度もあります。

うまく栽培できなくて、「まぁ邑南町だからね。他の産地はいいなぁ。」と言い訳したことなんて山ほどあります。

ですが今は、「邑南町の冬は厳しいから、農業できなくても仕方ないよね!」なんて全く思ってません。

極寒地域で栽培する唯一のメリット、
「おいしい野菜や果物ができるから。」に気づけたから。

邑南町で作るイチゴマジで美味いぞ。あとキャベツとブロッコリーとネギと白菜とほうれん草と大根。本当はこの野菜たちも作ってみんなに届けたい!!

もちろん他の産地でもおいしい野菜や果物は作れるし、作っておられる素敵な農家さんもたくさんいます。

けど、「−15度を利用してイチゴを栽培する農家」は中々いないんじゃないかなと思います。

ここまで寒いと、『量』は取れませんが、『味』は格段にノります。そして、『量』ではなく『味』を追求する寺本果樹園には、この寒さが必要です。

そう考えると、何度も恨んだこの寒さが、今では愛おしく思えます。
ごめんなさい嘘です。必要だけどちょっと寒すぎるかな😂

とにかく、昔は恨んで言い訳ばっかだったのが、今では逆に活用しているというのは、個人的に成長だと感じていて、なんか感傷に浸れます。

与えられた環境で上手いことやるしかないしね。
前に進めた僕たち…偉くない??褒めてもいいよ。褒めて!!

というわけで、『与えられた環境で上手いことやる』という僕の感想でした!
最近寒いので、みなさんご自愛ください。

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ここまで読んでいただきありがとうございます!
おもしろかった!という方は、ぜひ「いいね」を👍
コメントいただけますと、すごく嬉しいしめちゃくちゃやる気が出ます💪
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そして、現在寺本果樹園では【イチゴの予約販売】をしております🍓
もしご興味がありましたら、ぜひチェックしてみてください!

最後まで読んでいただきありがとうございました👩‍🌾🧑‍🌾
【👇イチゴのご予約はこちらから👇】
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お世話になります、島根県邑南町(おおなんちょう)の寺本果樹園の寺本直人です🧑‍🌾ありがとうございます!
テレビを見てて「年末年始にやめたこと」みたいな特集をやってておもしろいなーと思いました。年賀状だったり…大掃除だったり…。こうやって時代が変わってくんだなとしみじみでした。僕は「三が日家でゆっくり休む」のをやめようと思いました🤣体が辛くなったらやめます👍


さて、今日は「イチゴの予約再開」についてお話しさせてください。


そのままです。イチゴの予約再開します🍓
予定では【2/1〜15】お届け予定です!

ですがお恥ずかしい話、今年のイチゴの生育はこれまでと全く違い分からないことだらけなので、『目安』とさせて下さい🙇‍♂️本当に申し訳ないです💦

というわけで、「イチゴの予約再開」というお話しでした!


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ここからは関係のない『僕の雑談・感想』です。

お届け予定日をパシッとお知らせすることができず、本当にごめんなさい🙇

僕自身、作物の生育がこんなに違って皆さんにしっかりお届けできないことが初めてで…
すごく悔しい気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そんな中でも、買ってくださる方、美味しいと言って下さる方、応援してるよ!と言ってくださる方、みんな大好き!!本当に励みになってます💪

めげずに頑張ります!!
しっかりイチゴをお届けしますので、今しばらくお待ちください🍓

というわけで、『みんな大好き』という僕の感想でした!
最近寒いので、みなさんご自愛ください。

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お世話になります、島根県邑南町(おおなんちょう)の寺本果樹園の寺本直人です🧑‍🌾ありがとうございます!
最近寝不足が続いております💦0時くらいまでブログ(兼日記)書いたり、イチゴやシャインマスカットをもっと多くの人にお届けできるようなアレコレをやったりしてるのですが、そこからなぜかお布団に入ってすぐには寝ず、youtube見てダラダラしちゃってます。
今日こそはすぐ寝るぞっ


さて、今日は「興奮冷めやらぬ」についてお話しさせてください。


あまり農業とは関係ない話ですが、ついさっきyouTubeみてたら、「中国の古くから伝わる伝統の『火紙』」という動画を見つけました。

どうやら、「竹で作る和紙」のようです。

不思議と吸い込まれるような、そんな魅力が詰まった動画で、10分程度の動画でしたがあっという間で、それでもまるで映画を見ているような素敵な動画でした。

「僕は、なんでこんなにこの動画に見入ってしまっているんだろう?」
そう思いましたが、すぐ答えは見つかりました。

僕が小学校4年生の時に、学校の授業で「和紙作り」を体験した思い出があるからでした。その時の思い出が、この「火紙」を作る動画に重なったんだと思います。

その時の「和紙作り」の思い出はすごく強くて、小学校時代の一番の思い出になってます。遠足よりも修学旅行よりも楽しかった記憶があります。

そんなことを思いながら、「火紙」について調べてると、別の動画に辿り着きました。

「その辺に落ちてる木で和紙作ってみた。」

ヤバくないですか?その辺に落ちてる木で和紙って作れるんですか?😂

結論から言うと、和紙作れてました😆めっちゃ面白かったです!

ちなみにその動画で言ってましたが、普通の紙は木の幹の部分を使って作るが、和紙は広葉落葉樹の枝から作るらしいです。

広葉落葉樹とは、ざっくり冬に葉っぱが落ちる木のことです。

冬に葉っぱが落ちる木?

このとき、僕の中で稲妻が走りました。マジで⚡️

冬に葉っぱが落ちる木って「ブドウ」じゃないすか?
もしかして、、、「ブドウの枝」で「和紙」作れちゃうんじゃないですか?

もし「ブドウの和紙」ができたら、めっちゃ面白くないすか?
ブドウをお届けするときに、お手紙を「ブドウの和紙」に書いたらヤバヤバじゃないすか?
ギフト用ブドウの下敷きに、それっぽいなんか白いやつとか高級感あるような布じゃなくて「ブドウの和紙」だったら興奮するくないすか?

「ブドウの和紙」ができたら、寺本果樹園の目指す「見た目」がレベルアップしちゃうんじゃないですか👆

年末年始はゆっくりしようかなと思ってましたが、やることができてしまいました🔥

というわけで、「興奮冷めやらぬ」というお話しでした!


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ここからは関係のない『僕の雑談・感想』です。

正直言うことないです!!めっちゃ楽しみ!!

「もし本当にブドウの枝で和紙が作れたら…😆」
「和紙で手紙書くとき筆がいいかな!?」
「ギフトの箱は、桐の箱だったら見た目最高じゃない??」

妄想が止まんなくてやばいです🤩

まさか小学校の時の思い出が、ここでこんなことになるとは…!

しかもちょっと調べてみたんですけど、和紙の歴史って4世紀くらいまで遡るらしくって。和紙自体にもめちゃくちゃ歴史あって、「歴史の重み」もあって。

小学校の時の「思い出」、和紙の「歴史」、寺本果樹園の幼い頃から農業に触れ合ったきた「人生」、これらが重なって混ざり合って、もうドキドキが止まらんのですよ💗

最高です!!

これなんとか形にならんかなぁと思ってるとこです。
また動きがあったら報告します!

というわけで、『ドキドキ』という僕の感想でした!
最近寒いので、みなさんご自愛ください。

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お世話になります、島根県邑南町(おおなんちょう)の寺本果樹園の寺本直人です🧑‍🌾ありがとうございます!
子どもの時、冬のお風呂がどうも嫌いで、熱い湯船に浸かった時の身体中に走る「バチバチバチー!」という感覚がすごく嫌でした。が、今ではその「バチバチバチー!」という感覚がすごく気持ちよくて冬のお風呂が好きになりました。これが大人になるってこと…!?


さて、今日は「休日の過ごし方」についてお話しさせてください。


今日は一日休みにしてましたが、イチゴのご注文がある+イチゴの収穫周期が今日だったので(今は2日に1回収穫🍓)、「イチゴの収穫・箱詰め」だけ仕事しました。

なので休みの日といえど、普通通りの時間に起きて普通通りの時間に畑に向かい仕事をしてました。(仕事とはいえ、イチゴ作業だけなので1時間くらいで終わり!)

そのあとは家に戻り、「体も起きたことだし、さぁ畑仕事以外の仕事やるぞー!ブログも書いて、新しいイチゴの箱の設計して、自分で作ったオンラインショップやホームページあれこれして…」

そう思いながら自然とお布団に入ってダラダラしちゃってました😂

なぜだか最近休みの日の過ごし方が難しくなってます…。

「ゴリゴリに仕事したい」という気持ちはあるのですが、どうしても寒くてお布団に入っちゃって…そこでヌクヌクしながら見るyoutubeが最高で✨

よくないなと思いつつやっちゃいます。

「趣味が仕事」というのが僕の場合結構マジで、好きだから農業やってる=仕事が趣味になっちゃってます。

なので休みの日にはダラダラor仕事みたいな、「休みの過ごし方が下手だなぁ」と我ながら思ってます。

なんとかこのダラダラの割合を減らして、もっともっと仕事(兼趣味)に時間をふって皆さんにおいしいものとちょっとした幸せをお届けできたらと思ってます💪

というわけで、「休日の過ごし方」というお話しでした!
今日のお話しなんの為にもならなくね?

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ここからは関係のない『僕の雑談・感想』です。

今日お休みと言いつつイチゴを収穫して箱詰めしてたのですが、その時に感じたことが僕にとって大切なことだったので、忘れないうちにここに書いときます。

イチゴ収穫したあと、調製場(パック詰めとか箱詰めとかする場所!)に持って帰って調製をします。

調整の流れはざっくり
イチゴをパック詰め→パックを緩衝材で梱包→箱詰め(段ボール)
となってます。

この最後の箱詰めの時、箱詰め最後の「段ボールをガムテープで封をする」という作業をやった時、「これがお客さんに届くんだなぁ」と感慨深い気持ちになりました。

これまでだったら、「今回はA品(一番いいやつ)がどれくらいできたかな…」「出荷したら〇〇円になって…」としか思わなかったのですが、今では「これがお客さんに届いて…」と思うようになりました。

もちろん今でも秀品率について考えたりお金の計算もします!それと同時にお客さんに喜んでもらえるかということも考えるようになりました。

まさに昨日の「『職人魂』と『商人魂』」ですね!

個人的にですが、なんだか成長を感じます。今も昔もがむしゃらですが、ちょっとづつ「がむしゃら」の精度が上がってる気がします🔥

このまま「がむしゃら」を続けていきたいと思った今日この頃でした。

というわけで、『がむしゃらの精度』という僕の感想でした!
最近寒いので、みなさんご自愛ください。

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お世話になります、島根県邑南町(おおなんちょう)の寺本果樹園の寺本直人です🧑‍🌾ありがとうございます!
今日邑南町は-4℃というここ一番の気温をマークしました🥶確かに寒かったです…!しかし、そんな寒さを超えるほどの冷や汗をかきまして。「寒さ対策を忘れてたせいで畑の精密機械が壊しかけ、35万円の損害を出しかけた」ことが発覚し、肝が冷えました😂うっかり屋さんなのは小学校の時から変わってないようです👍


さて、今日は「『職人魂』と『商人魂』」についてお話しさせてください。


今日は一日、姉ちゃんと「寒いなぁ寒いなぁ」言いながら、壊しかけた精密機械の整備や各システムの寒さ対策や、先日お話したブドウ剪定の続きをやっていました。

こういったいわゆる「農作業」をやっていると、お恥ずかしい話ですがついつい「お客さん」のことを忘れてしまうタイミングがあります。

これはここで話す話題かどうか悩みましたが、正直にお話しします。

全ての農家さんがそうでは無いと思いますが、農家をやっていると栽培など「モノ作り」に熱中するあまり、モノを作るまでをゴールとしてしまうことがよくあります。

僕が出会ってきた農家さんはこういう人が多かった印象です。

いまでこそ僕は「お客さんに直接届けたい」という思いで農業をやっている一面もありますが、元々は「いいモノ作りたい!いいモノが作れたらそれでいい!」という『職人』に憧れて農業をやっていました。

その職人魂は絶対に忘れたくないのですが、その気持ちが強すぎるあまり「お客さんに直接届けたい。美味しいものを届けたい。」ということを忘れてしまうことがたまーにあります。ごめんなさい🙇‍♂️

なので、今日は改めて「僕がどういう農業をしたいか。」について、自戒の意味も込めて、整理したいと思います。ここまで前置き、長くてごめん!!🙏

現在寺本果樹園の目指している農業は、「お客さんにちょっとでもいいから農業を通じて幸せになってもらうこと」を目標にしています。

そしてこの「ちょっとした幸せ」を達成するために『品質』にこだわっています。さらにこの『品質』を3つに分けて、それぞれ力を入れています。

寺本果樹園の3つの『品質』
①味
・当たり前ですが、「おいしい」を追い求める。お客さんに「おいしいね!」といっていただくために、栽培方法や肥料など日々研究する。
②見た目
・味と見た目は二律背反で語られることが多いが、味だけでなく見た目もこだわる。「二兎を追って二兎を得る」を目指す。
③鮮度
・実は一番気にしているポイント。流通の関係で「収穫してから数日経ったもの」ではなく、「産地直送、農家直送の新鮮な野菜や果物」を届けたい。これが一番うまい!!

ざっとですが、こんな感じです。
(これとは別に、「子どもたちにおいしい思い出を届けたい」という理念もありますが、ここでは割愛。また機会があればそのお話も🙌)

そしてこの「お客さんを幸せにしたい」という気持ちを、僕は『商人魂』と(勝手に)呼んでいます。

『商人』(ビジネスマン)と言うと、人によっては「金の亡者」「銭ゲバ」「お金大好きな卑しいヤツ」という人もいます。

もちろん「金の亡者」「銭ゲバ」「お金大好きな卑しいヤツ」な『商人』もいます。

でも僕はそんな人を『商人』と言いたくはなく、僕が思う『商人』は、「人をどれだけ幸せにするか、人の不幸をどれだけ取り除けるか」だと思います。

そして、そんな『商人魂』ももって農業をしています。

前までの職人に憧れていただけの僕は、
「どれだけいいモノを作れるか(秀品率を上げられるか、収穫量を増やせるか)」
で農業していました。

現在の僕は、
「どれだけいいモノを作れるか(味をよくできるか、見た目をよくできるか)」
「どれだけお客さんに喜ばれるか(農家直送できるか、お客さんの幸せで語れるか)」
で農業をしています。

もちろんこれ以外の考えで農業している部分もありますが、今日は大事な一面を忘れて作業に没頭していたので、自戒のために改めて表明しました!

いいモノを作る『職人魂』と、お客さんを幸せにする『商人魂』。
どちらも忘れず頑張ります!

というわけで、「『職人魂』と『商人魂』」というお話しでした!


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ここからは関係のない『僕の雑談・感想』です。

今日も1日寒い中で畑作業を頑張った後、夕方〜夜にかけて「ビジネスの勉強会」的なものに参加してました。

これは、どこかの会場に集まってみんなでやる的なやつではなくて、オンラインでその勉強会に参加する的なやつでした。

その勉強会で一番勉強になったのが、「一貫したコンセプト」でした。

簡単にいうと、「どんなことを胸に決めてお仕事するのか、どんなことをお客さんに約束するのか」といったものです。

この話を聞いて、今日の本題であった「お客さんを忘れてはいないか?」といったことを思いました。

結論としては、「今日忘れてしまっていたので、自戒の意味も込めて、ちゃんと胸に決めたことを表明しよう」と記事にさせていただきました。

そしてこの勉強会で僕が強く思ったことがもうひとつ。

「農業で生きていくことの難しさ」です。

めちゃくちゃ割愛してお話しますが、この勉強会で「事業規模の拡大」というお話もされてました。

めっちゃ汚く乱暴に、簡単にいうと、「どうやって今以上にお金を稼ぐか」みたいなことです。

ここではざっくり「お金をいただけるサービスをお客さんに提供できたら、そのマニュアル(サービスの手順書、接客対応の説明書など)を作って、人を雇って、サービスの規模を大きくする」といった説明されてました。(僕の解釈です!間違ってたらごめんなさい🙇‍♂️)

僕は「確かに!」と思いながら自分に当てはめて考えてました。

しかし、考えれば考えるほど農業では難しいなと思いました。

マニュアルを作るのが異常に難しいからです。

例えば「イチゴを収穫する」というマニュアルだけでもパターンが何種類もあります。
秋と冬と春では収穫のタイミングが違います。さらに各季節でイチゴの果実は顔色を変えます。「赤いイチゴ」もあれば「うすら赤いイチゴ」も「ちょっとピンクのイチゴ」も「白に近いピンクのイチゴ」もあります。

さらには「果実が赤いイチゴ」もあれば「種が赤いイチゴ」もあります。しまいには、「収穫してそうな雰囲気をしているイチゴ」がほとんどです。明確な基準ではなく、果実や種の色やイチゴの肌感、ツヤ感や雰囲気など、本当にケースバイケースで収穫しています。

現にこの「収穫基準」を決めるのが難しくて、パートの方と一緒にあーでも無いこーでも無いと話し合いながら、パートの方に「イチゴの収穫」を覚えていただいてます。

「イチゴの収穫」だけでこんなにお話しできます。もっともっとお話しできます。

そしてもちろんイチゴの作業は「収穫」だけではありません。

「苗管理」や「定植」、「水やり」、「肥料やり」、「葉欠き」、「ドロ芽欠き」、「ランナー取り」、「摘果」、「カビ取り」、etc…etc…

そしてうちは「イチゴ」だけでなく「ブドウ」や「トマト」も栽培しています。そして各作物に同じくらいの作業量や種類があります。

そして、作物を作るだけでなく土台である「土」も作ります。水やりのための「配管」もあります。「電気」だってあるし、「ハウス建築・工事」だってあります。

それらを守るために「台風対策」や「雪対策」、「凍結対策」や「猛暑対策」だってあります。

これら以上にもっともっともっともっとやることはあります。

何より相手にしているのは「植物という生き物」で「日々変わりゆく天気」です。

しかも栽培は大体年一回で、「何回も挑戦できるもの」ではなく「年一回しか挑戦できないもの」ばかりです。10回挑戦するためには10年頑張らなければならないのです。

こんなことをマニュアルとして渡せるでしょうか?
果たしてこの仕事量を渡して辞めずにいてくれるでしょうか?

そしてこんなこと言いたく無いですが言います。こんなこと書いてる今の僕の気持ちはどす黒い気持ちでいっぱいです。

「こんなにやること多くて大変で安定しないのに、生活費を稼ぐのすら難しい」

僕が栽培してたブロッコリーは、1株あたり手元に残るお金は20円くらいでした。僕が40度にもなる灼熱のハウスで手にしたトマトの利益は、1玉あたり20円くらいでした。

農家に求められる技術量と行動量と気合いと、それに見合った対価は「とてもアンバランス」で狂っていると僕は思いました。

こんな「アンバランスな対価」の中で規模拡大したら、従業員さんにも「アンバランスな対価で、異常な技術量と行動量と気合い」を求めなければなりません。

そんなの従業員さんを不幸にするだけです。最後に困って死ぬのは僕だけでいいです。

農業という仕事の難しさに直面し、農業という仕事の「絶望」という現実を改めて目の当たりにした夜でした。

もちろんやり方はあるはずだし、まだまだ僕が未熟なだけです。
また明日から希望を求めて頑張ります。
情けない話と湿っぽい話ですみませんでした。

というわけで、『絶望』という僕の感想でした。
最近寒いので、みなさんご自愛ください。

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島根県 邑智郡邑南町中野小原迫900

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