後藤農園の投稿一覧

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白ネギの皮むきの原理を知っていますか?

スーパーに並ぶ、ツヤっとした白ネギ。
その美しい姿の裏側で、

実は“風”によって皮が剥かれているんです。



でも、

ただの風じゃありません。
私たち後藤農園では、

白ネギの皮むきに

『ベストロボ』

という専用機械を使用しています。



この機械には、

左右に1本ずつノズルユニットがあり、

それぞれのユニットには上下に2つの噴射口がついています。

合計4方向から高圧の空気が斜めに噴射され、

ネギの中心に向かって交差。

これによって、

強力な“きりもみ流”が生まれるのです。





この空気の動きは、

ただの風ではありません。

空気同士が斜めにぶつかり合いながら回転し、

ネギの軸に沿って前進するという、

スパイラル構造の流れが形成されます。



まさに、

空気自体が“ドリル”のような役割を果たしており、

表面の皮だけをピンポイントで巻き上げ、

吹き飛ばすことができるのです。







🎈風船とネギ──直感で伝える皮むきの仕組み


この流れを、風船でたとえてみましょう。

風船に空気を入れて、斜めに向けた状態で手を離すと、

風船は「くるくる回転」しながら

「前に飛んで」いきますよね?
これは、空気の流れが回転(スピン)と

前進(推進力)を同時に生み出しているからです。





白ネギの皮むき機もまったく同じ。

噴射された空気がスパイラル状に流れながらネギに当たり、

皮をふわっと持ち上げて、

一瞬で弾き飛ばす。




ネギの軸に沿って空気を当てながら、

皮をめくり上げることが非常に重要なポイントになってきます。







🧠 ではなぜ、そんな動きが生まれるのか?
──ベルヌーイの定理と遠心圧縮効果
という物理現象にあります。

では、

どういうことか論じてみます。



🔹ベルヌーイの定理:「流れが速いほど圧力は下がる」
空気や水のように流れるものは、

スピードが速くなると圧力が下がります。

これが“ベルヌーイの定理”。



ネギの表面をかすめる高速空気は、

表面の圧力を一気に下げます。


すると、

ネギの内部との圧力差が生まれ、

皮がふわっと持ち上がるのです。

まさに風船のように、

内から外に向けて膨らむ瞬間です。



🔹遠心圧縮効果:「回転しながら集まると、圧力が上がる」
一方で、

きりもみ流の中では空気がスパイラル状に回転しています。

回転するものには遠心力が働くため、

本来なら外側へ逃げようとします。



しかし、

外からも次々に空気が流れ込んでくるため、

逃げ場を失った空気は中心に向かって圧縮されます。


その結果、

一点に強烈な圧力が集中し、

皮を内側から「パンッ」と吹き飛ばすのです。





👩‍🌾 機械+人の技術が決め手
ちなみに、

皮むきは機械だけで完結する作業ではありません。
オペレーターの熟練度が非常に重要です。

剥きたい皮に狙いを定め、

一瞬の初速で仕留める判断と操作の勘どころが求められます。



つまり、

科学的な構造と人の技が合わさって、
白ネギはあの美しい姿に仕上がっていくのです。







🔚 まとめ:白ネギの美しさは、三位一体
皮むき機の正体は、風のドリル。
目に見えないスパイラルの空気が、

ネギ皮を一瞬で吹き飛ばす──。



その背後には、

ベルヌーイの定理、遠心圧縮、

そしてオペレーターの熟練技がある。
三位一体で成り立っているのです。



白ネギ1本1本に、

見えない科学と叡智が込められている。
そう思ってもらえたら、

より身近に感じていただけたら幸いです。





最後までお読みいただき、

ありがとうございました。
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👀見えないものを信じる力

──それでも、安心して食べたいあなたへ

スーパーに並ぶ野菜を手に取りながら、
「ちょっとだけ気になるけど、誰にも聞けない」──そんな気持ち、ありませんか?

「農薬って、どれくらい使われてるの?」
「ちゃんと検査されてるの?」

そんな問いに、農家としてできるかぎり正直に答えたいと思います。

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💊農薬=不安? その背景にあるもの

「農薬」と聞くと、どこか“悪いもの”のように思えてしまう。
それは、メディアの報道や過去の事件(たとえば無登録農薬の使用など)が記憶に残っているからかもしれません。
あるいは、「口に入れるものに“薬”って…」という根本的な違和感もあるでしょう。

でも実は、**日本の野菜は世界的に見てもトップレベルの安全性**を保っています。
それは、きちんと“チェック”が入っているから。

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👩‍⚕️抜き打ち検査──知られざる「信頼の守り方」

農薬使用は、農家の申告だけで済まされていません。
全国の農協(JA)や流通段階、さらにはスーパー・小売店でも、
\*\*「抜き打ち検査」\*\*が実施されています。

たとえばJAでは、出荷された野菜の中からランダムにサンプルを採取し、
使われた農薬の種類や量、収穫までの日数などを専門の機関で分析します。

基準を超える農薬が検出された場合、**出荷停止・回収・改善指導**が入ります。
最悪の場合、次年度以降の栽培や販売に制限がかかることもあります。

つまり、農家にとっては「誤魔化せない仕組み」ができているのです。

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😑慎重さが必要

農薬は“使わないほうが良い”のではなく、
**“使い方を間違えないこと”が何より大切。**

だからこそ、日々の管理・記録・確認作業は手を抜けません。

そして何より、**あなたに安心して食べてもらうために**、です。

農家が気を付けている具体的なこと

* 使用基準(量・回数・時期)の厳守
* 散布時の風向きや時間帯の確認
* 保護具(マスク・長袖など)の着用
* 散布記録の作成と保管
* 無登録農薬の不使用(法的にも厳禁)
* 定期的な研修や指導への参加
* 栽培中の病気や虫の兆候の早期察知
* 作物や圃場の状況に応じた農薬選択の見直し

さらに、

🐮肥料・堆肥の選択にも神経を使っている

* 肥料の種類や成分を圃場の状態に合わせて選ぶ(例:土壌分析結果をもとに窒素量を調整)
* 堆肥の熟成度や安全性にも配慮し、作物に悪影響を与えないものを使用
* 施用のタイミングを天候や成長ステージに合わせて細かく設定
* 流亡やガス害のリスクを減らすために、水はけや耕起方法も工夫

このように、農薬や肥料、堆肥ひとつをとっても、
農家の現場では**複数の要因を視野に入れて、慎重に判断と調整が繰り返されている**のです。

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🙂自分で守れることもある

とはいえ、100%の安全なんてこの世に存在しない。
だからこそ、私たちだけでなく、**食べる側にもできる工夫**があります。

たとえば──

* 加熱する(特にゆでて、ゆで汁を捨てる)
* 水につけてから使う
* 過剰に食べすぎない
* 外皮をむく(ネギは特に効果的)

これは家庭でできる「リスクコントロール」です。

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💕命と命のあいだで──折り合いをつけるということ

私たちにとっては「害」になる存在も、彼らにとっては生きるための当然の行動です。
虫も菌も、ただ命をまっとうしているだけ。
だからこそ、**私たちの“正義”だけを振りかざすのではなく、どう折り合いをつけていくかが問われている**のだと思います。

農薬を使うことは、その“命との折り合い”を考えることでもあります。
一方的に排除するのではなく、できるだけ共存できる方法を探りながら、
**それでも守るべき命──人間の健康や食の安心のために、慎重に選択していく**。

その葛藤の中で、今日も現場は静かに問い続けています。

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😋食べることを“信じられる”世の中へ

農薬のリスクは、たしかにゼロではありません。
でも、**それを限りなく小さくしていこうとする努力が現場にはある。**

「安全かどうか」だけでなく、
「どうすれば安心して食べられるか」まで、
農家と消費者が一緒に考えていけたらいいな、と思っています。



安心は、見えないところでつくられている。🙇‍♀️
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「おいしい」=「幸福感」なのに、なぜ“辛み”や“刺激”のような“苦”を求めるのか?


「ネギが好きって、どんな人たちだろう?」
ふと、そう思って調べてみた。
…というのも、

白ネギの栽培に携わり売っている私自身が、

以前から気になっていたからだ。





薬味どころか、

ネギそのものを主役とした満足感と多様な楽しみ方。


山盛りにして、

目を潤ませながら

「これだよ、これ!」って頬張る姿。


どうしてそんなにネギに惹かれるのか?

 その奥に何があるのか?



最初は単なる興味だった。

でも調べているうちに、

だんだん違う景色が見えてきた。





だっておかしいでしょ。
「おいしい」って本来、

幸せな感覚のはずなのに。
ネギのあの辛みって、

涙が出たり、

鼻にツンときたり、

もはや**“痛み”に近い刺激**。





実は、

あのピリッとした辛みは**“痛覚”を刺激してる**んだよ。
ネギに含まれる硫化アリル。
それがワサビや唐辛子みたいに、

口腔や鼻腔に軽いストレスを与える。



でも、ここで面白い逆説がある。





▶ 脳はそのストレスを、「報酬系」で打ち消す。





つまり――
ピリッとくる → 「うまっ」 → スカッとする。
その一連の流れが、擬似的なカタルシスになってるんだ。



まるで、心の奥にたまっていた何かが、
ひと噛みで解放されていくような…。





そんな刺激を、

人はなぜわざわざ求めるのだろう?



生きるうえで、

必要不可欠なものじゃないはず。


でも、“あえて”それを欲しがる。
しかも産地にこだわり、

部位にこだわり、

食べ方にもこだわる――





それって結局、

“味”じゃなくて、“感覚”を追っているんだと思った。



感じたい。

揺さぶられたい。

刺激を感じたい!


「存在証明」みたいな?







そして思う。

ネギの辛みに惹かれる人は、
きっと“味”だけを求めているんじゃない。





刺激の奥に、感情を。
痛みの中に、実感を。




日常の曖昧さを突き破ってくれる、

何か確かなものを探してる。





「これだ」と思える一本に出会いたくて、
その一本に、自分の存在を重ねたくて――
人は、こだわるのではないだろうか?




最後までお読みいただき、

ありがとうございました。



思い付きでしたが、
AIを使って亡き主人と共演をしました。
あなたも大切な人との思い出を
大事にしてくださいね。
後悔のない関わり方をしてみてください。


なぜかと申しますと、
喪失感がないからです。
後ろ髪惹かれることなく

前に進めるからです。
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この投稿をした生産者

静岡県 磐田市小島

後藤農園