農薬は“使う”んじゃない、“付き合う”んだ
2025/06/15
👀見えないものを信じる力

──それでも、安心して食べたいあなたへ

スーパーに並ぶ野菜を手に取りながら、
「ちょっとだけ気になるけど、誰にも聞けない」──そんな気持ち、ありませんか?

「農薬って、どれくらい使われてるの?」
「ちゃんと検査されてるの?」

そんな問いに、農家としてできるかぎり正直に答えたいと思います。

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💊農薬=不安? その背景にあるもの

「農薬」と聞くと、どこか“悪いもの”のように思えてしまう。
それは、メディアの報道や過去の事件(たとえば無登録農薬の使用など)が記憶に残っているからかもしれません。
あるいは、「口に入れるものに“薬”って…」という根本的な違和感もあるでしょう。

でも実は、**日本の野菜は世界的に見てもトップレベルの安全性**を保っています。
それは、きちんと“チェック”が入っているから。

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👩‍⚕️抜き打ち検査──知られざる「信頼の守り方」

農薬使用は、農家の申告だけで済まされていません。
全国の農協(JA)や流通段階、さらにはスーパー・小売店でも、
\*\*「抜き打ち検査」\*\*が実施されています。

たとえばJAでは、出荷された野菜の中からランダムにサンプルを採取し、
使われた農薬の種類や量、収穫までの日数などを専門の機関で分析します。

基準を超える農薬が検出された場合、**出荷停止・回収・改善指導**が入ります。
最悪の場合、次年度以降の栽培や販売に制限がかかることもあります。

つまり、農家にとっては「誤魔化せない仕組み」ができているのです。

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😑慎重さが必要

農薬は“使わないほうが良い”のではなく、
**“使い方を間違えないこと”が何より大切。**

だからこそ、日々の管理・記録・確認作業は手を抜けません。

そして何より、**あなたに安心して食べてもらうために**、です。

農家が気を付けている具体的なこと

* 使用基準(量・回数・時期)の厳守
* 散布時の風向きや時間帯の確認
* 保護具(マスク・長袖など)の着用
* 散布記録の作成と保管
* 無登録農薬の不使用(法的にも厳禁)
* 定期的な研修や指導への参加
* 栽培中の病気や虫の兆候の早期察知
* 作物や圃場の状況に応じた農薬選択の見直し

さらに、

🐮肥料・堆肥の選択にも神経を使っている

* 肥料の種類や成分を圃場の状態に合わせて選ぶ(例:土壌分析結果をもとに窒素量を調整)
* 堆肥の熟成度や安全性にも配慮し、作物に悪影響を与えないものを使用
* 施用のタイミングを天候や成長ステージに合わせて細かく設定
* 流亡やガス害のリスクを減らすために、水はけや耕起方法も工夫

このように、農薬や肥料、堆肥ひとつをとっても、
農家の現場では**複数の要因を視野に入れて、慎重に判断と調整が繰り返されている**のです。

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🙂自分で守れることもある

とはいえ、100%の安全なんてこの世に存在しない。
だからこそ、私たちだけでなく、**食べる側にもできる工夫**があります。

たとえば──

* 加熱する(特にゆでて、ゆで汁を捨てる)
* 水につけてから使う
* 過剰に食べすぎない
* 外皮をむく(ネギは特に効果的)

これは家庭でできる「リスクコントロール」です。

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💕命と命のあいだで──折り合いをつけるということ

私たちにとっては「害」になる存在も、彼らにとっては生きるための当然の行動です。
虫も菌も、ただ命をまっとうしているだけ。
だからこそ、**私たちの“正義”だけを振りかざすのではなく、どう折り合いをつけていくかが問われている**のだと思います。

農薬を使うことは、その“命との折り合い”を考えることでもあります。
一方的に排除するのではなく、できるだけ共存できる方法を探りながら、
**それでも守るべき命──人間の健康や食の安心のために、慎重に選択していく**。

その葛藤の中で、今日も現場は静かに問い続けています。

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😋食べることを“信じられる”世の中へ

農薬のリスクは、たしかにゼロではありません。
でも、**それを限りなく小さくしていこうとする努力が現場にはある。**

「安全かどうか」だけでなく、
「どうすれば安心して食べられるか」まで、
農家と消費者が一緒に考えていけたらいいな、と思っています。



安心は、見えないところでつくられている。🙇‍♀️

この投稿をした生産者

静岡県 磐田市小島

後藤農園

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