西川農藝の投稿一覧

昨日の投稿をご覧になられた方からご質問がありました。
白ごま油100g中ののセサミン含有量は660mg、では金ごま油と黒ごま油は?

まずは投稿のご一読ならびにお問合せありがとうございます!

金ごま油と黒ごま油については検査していません。
理由はのちほど説明します。

あくまで理論値ではありますがとお断りを入れたうえで質問にお答えします。
「科学で開くゴマの世界」という書籍には以下のようなヒントが記述されています。
セサミン、セサモリンなどで構成されるゴマ特有の成分ゴマリグナンのそれぞれの比率は、
白ごま 0.9%
金ごま 0.8%
黒ごま 0.7%

栽培土壌(黒ボク土)、栽培方法(自然栽培)、製油法(完全非加熱無精製低温圧搾生搾り)のようなセサミン含有量に影響しそうな変数は共通しているので純粋に品種間差異の違いのみが顕在化するという前提で推定するとそれぞれのセサミン含有量は、
白ごま油 660mg (基準)
金ごま油 587mg
黒ごま油 513mg
あくまで理論値となりますが以上の通りです。

何故、白ごま油のみ検査したのかといういうと通常ごま油は白ごまを原料とするからです。
金ごまや黒ごまを原料としている場合、それ自体が希少性もあり付加価値なので金ごま油、黒ごま油と通常明記します。

あくまでも検査した目的は、大学などの研究成果からこだわりの栽培方法と製油方法の組合せはセサミン含有量が多くなると推測できます。しかし、実際の数値は調べてみないと分かりません。こだわりに意味があるかを確認するためには、比較対象が同じでなければ意味がないため白ごま油のみを調べました。

単純にセサミンだけの数値を重視される場合は、白ごま油がベストということになります。
ただし、金ごま油にも黒ごま油にもにもそれぞれの種皮由来のフラボノイドやポリフェノールが含まれているのでまた違う魅力があります。

お役に立ちましたでしょうか?

残念ながら、白ごま油は最近完売してしまいました。
黒ごま油は生産量が少なく販売前の予約で完売してしまいました。
白ごまと黒ごまの畑は傾斜があり土が流されるほどの収穫前の豪雨で大幅な収穫減になってしまいました。
天候にも恵まれ良好な生育で過去最高の収穫量を見込んでいたのでとても残念な結果でした。
幸い、金ごまは3箇所の畑は平坦で豪雨の影響は軽微にとどまり、過去最高の大豊作となりました。
それぞれの畑の傾斜がこの極端な差に繋がってしまいました。
栽培期間中どれだけ生育が良くても農業は収穫まで本当安心できません。。。

2021年は必ず白・黒・金とも必ず皆様にお届けできるよう頑張ります!
是非、白・黒・金の違いを食べ比べしてみてください‼️
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某メーカーのごま油が特保認定を受けた、というネット記事を読んだ。

西川農藝の白ごま油は特保認定を受けたごま油よりセサミン含有量が2割も多い‼️

西川農藝 白ごま油 660mg ▷ 某特保認定ごま油 556mg (100gごま油中)

ごま油に含まれるセサミンとセサモリンはLDLコレステロールを低下させる効果が認められて特保での販売を許可されるようになったようだ。

早速、HPを調べると大さじ一杯(14g)で77.8mg、セサモリンが28.7gを含有していると表示されている。

某メーカーの特保認定ごま油のセサミン含有量を100gで換算すると556mgとなる。

画像に示す通り、西川農藝の白ごま油のセサミン含有量は660mgなので2割ほど多い‼️

何故、セサミンが多いのか?
その秘密はこだわりの栽培法と製油法にあります。
こだわりに意味があることが数字でハッキリと証明されるのはとても嬉しい。
是非、次回のブログで説明してみたいと思います。
西川農藝が自然栽培と無精製にこだわる理由がご理解いただけるのではないかと思います。

しかし、某メーカーさん、セサミンサプリも販売していらっしゃる。
1日の推奨セサミン摂取量は15mgとして販売されている。
つまり大さじ一杯14gには77.8mg含有されているから5日分のセサミを含有しているということになる。
1日小さじ一杯にも満たない3gのごま油で推奨摂取量となる。
トクホ認定でデカデカとラベルにセサミンの含有量を表示しちゃったら、
ちょっと機転の利く人ならなにも高いお金を払ってセサミンサプリなんか買わなくても、
圧倒的なコストパフォーマンスでごま油からセサミン摂取できるじゃん⁉️、
と気付かれてしまうじゃないだろうか。

含有量の大小は銘柄にもよるがセサミンはごま油にはたっぷりセサミンが溶けこんでいることを暗示した功績は大きい特保認定ではあるが、特保認定の理由とされたLDLコレステロール低下作用ばかりがクローズアップされることで多くの健康効果が科学的に確認されているからセサミンが過小評価されることに繋がらないだろうか。

ごま油は美味しいだけでなく注目の機能性成分セサミンがたっぷり溶け込んでいるという当然の事実が世の人に広く知られるようになることは我々のようなごま油生産販売に携わる者としては朗報である。一方で、セサミンサプリメーカーさんは心中穏やかではいられないかもしれない。

ごま油の世界とセサミンサプリの世界でどんな地殻変動が起こるか個人的には要注目。
セサミンサプリにDHAなどの付加価値をつける動きがあるが、このような事態を想定してなのかもしれない。油屋の立場としては、それってごま油とえごま油を食べるのと同じことじゃない、と思ってしまうが。
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本日より初の更新された営業許可証で営業‼️ ただただ感謝あるのみ‼️

営業許可証が初交付されたのは2015年11月、以来5年間存続できたんだなととても感慨深いものがあります。

農業も搾油業も経験もなくゼロからのスタートでした。
自然栽培での原料栽培や完全非加熱無精製低温圧搾生搾りというレアな製法にこだわった植物油の商品群が受け入れられるのか不安がないわけでもなかった。
お陰様で商品は毎年完売してきました。
初めて商品を販売した2015年以来、毎年欠かすことなくご注文いただくお客様もいます。
これまでご愛顧いただきましたお客様に心より御礼申しあげます。

家族、農作業を手伝ってくださる方々、農地を貸してくださる地主さん、故障時には迅速に修理してくださる農機や搾油機メーカーさん、その他様々な形でサポートしてくださった皆様がなければ5年間存続できなかったと思います。
これまでに様々な形で西川農藝にご助力いただきました皆様にも心より御礼申します。

営業許可証の更新がなければ搾油して植物油を販売することはできません。
そういう意味では次の5年間の営業の最低限の準備ができたことを意味しています。

栽培面積も当初と比較すれば3倍に拡大しました。
栽培技術も搾油技術も当初と比べ格段に向上しました。
直近の2020年は栽培面積の拡大と栽培技術の向上に加え、台風等の被害がなかったこともあり金ごま、えごまは大豊作でした。

新しいお客様との良き出会いを求める準備が整いましたので、昨年末より食べチョクさんに登録しました。
これからの食べチョクさんを通して素敵な出会いを楽しみにしております。

昨年末の食べチョク登録から2カ月の間にご注文いただいたお客様にもこの場を借りて改めて御礼申し上げます。

自家農園産自然栽培原料・低温圧搾生搾り植物油の西川農藝をどうぞよろしくお願い申し上げます。

西川農藝
代表 西川真
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昨日の知人の言葉。「前はえごま油ばかりだったけど最近はアマニ油のほうが取り上げられる機会が多いんじゃないか?」、と。確かにそういう傾向はあるように思います。メデイア的にえごま油が飽きられたのかもしれません。

「仮にメディアに飽きられているとしてもえごま油はやはり良いよ」、といくら言ってもえごま油生産者が言えばただの宣伝と受け取られるのがオチです。なので、少々露骨すぎると思わはないわけではないけれど、アマニ油とガチンコで比較することでえごま油の素晴らしさを証明したいと思います。全てを数値化できれば客観性は高いが、そうもいかないのはお許しください。

以下の4項目を比較:
① オメガ3脂肪酸の含有量(効率)
② 酸化抵抗性(安全性&保存性)
③ 機能性成分(体質&予防措置)
④ 風味(好み)

① オメガ3脂肪酸含有量
画像に示す通り、えごま油はアマニ油よりオメガ3脂肪酸α–リノレン酸の含有量が多い!
つまり、大半の人が両油に求める効率よくオメガ3を摂取する目的にはえごま油がより合致している!

② 酸化抵抗性
同じく画像に示す通り、抗酸化力のあるビタミンEの生理活性量はえごま油が多い!
つまり、酸化しやすいとされる両油であるが、えごま油はより酸化に耐えるので安心して摂取できる!

③ 機能性成分
アマニ油のリグナン、えごま油のロズマリン酸とルテオリンといった微量に含まれる機能性成分の比較はどちらの油が体質に合うか、または何を予防したいかで変わってくるので評価は難しい。ただ、守備範囲が広いのはえごま油だとは言える。詳細はネットで検索してください。ネットで検索される際は、「えごま油」、「アマニ油」は外して、それぞれの成分のみで検索してください。宣伝的な要素を排除して、純粋にそれぞれの成分の効能を確認できると思います。

④ 風味
風味は完全に個々人の好みではある。しかし、多少踏み込むと植物油関連書籍やネット記事等で両油の風味を比較している場合、えごまのほうがクセはないと書かれているケースが多い。少なくともアマニ油のほうが美味しいとかクセが少ないと書かれたものは過去一度も見たことはない。風味についてもえごま油が優勢と言える。風味については化学的精製処理を施すことでほぼ無味無臭にすることもできます。でも、西川農藝はそれはとても勿体ないことだと思います。植物由来の豊かな風味を楽しむこともできなくなりますし、貴重な機能性成分も減少してしまいます。精製処理と機能性成分の関係については、後日データを交えてブログで取り上げてみたいと思っています。

えごま油は日本最古の食用油だとされています。縄文時代にはすでにえごまが栽培されていたことが遺跡の出土品から確認されています。にも関わらず、えごま油はつい数年前までほぼ忘れ去られてしまっていた。最近になって豊富なオメガ3脂肪酸が着目され注目を浴びるようになった。歴史は繰り返すでまたえごま油が忘れ去られてしまったり、過小評価されるようなことがあれば大変残念なことではないでしょうか?

これまでに示す通り、えごま油は中身は極めて優秀である! 過小評価されたり、まして忘れ去られるにはあまりにも惜しい油である。今回、データを調べるにあたり国内にアマニの普及団体があることを知った。メデイアがえごま油を取り上げなくなったことで早くも忘れられ始めたとは思いませんが、いつの間にかアマニ油に侵食されて人々の記憶から消えてなくなるということはありえる。歴史は繰り返すの愚を避けるためにもえごまにも同様な普及団体が必要ではないかと思った。消費者が好みや体質に合わせてアマニ油かえごま油か選択できるよう共存共栄できれば良いとこと思います。

メデイアは移り気です。次々とスーパーフードを取り上げます。ハリウッドスターが愛用しているというようなキャッチーな枕詞とともに。そして、メデイアはスポンサーの意向を無視できない。実際、アマニ油が取り上げられることが増えたのは、大手さんがアマニ油の販売を始めたころと一致していると思うのは気のせいでしょうか。情報の取捨選択って溢れる情報に振り回されないためにとても重要なことだと思う。
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昨年おおいに刺激を受けた自然派ジャンルの先導者自然派ワインの書籍を改めて読み返しました。

自然派ワインは既にジャンルとして確立して自然派ワイン専門店やワインバーが日本でも存在するようになりました。対して、残念ながら自然派オイルなどというジャンルは今のところ存在していません。しかし、自然派オイルというジャンルがそろそろ出てきても良いんじゃないかなと思ってます。

昔、テイスティングで顔が赤くなるほどアルコールに弱いのに、ソムリエを目指すという無謀な挑戦をしていたのでワインの世界には馴染みがありやはりしっくりきます。

そして、ワインとオイルの世界には共通点も多いので多くのことを学べます。

ワインの偉大な造り手が語る詩的にして哲学的な名言の数々がとても印象的です。
そんな言葉の中でも最も印象に残っているのは、
「結局、畑がすべてなんだ」、
「畑で収穫したブドウ以上のワインはできない」、
と、ワインのもととなるブドウ、そしてブドウを育む畑の重要性が語られます。
ブドウをワインにかえる醸造の過程についてほとんど語ることはない。
ワインのクオリティは畑の段階で決まっており、醸造の目的はブドウのポテンシャルを引き出すこと、という風に読み取りました。

オイルの世界もワインと変わらず同様に全て畑で決まる。
経験を重ねるに従い尚一層その思いは強くなります。
偉大なワインの造り手の名言には深く深く頷くしかありません。

油ができるまでの過程は大きく分ければ、2つの段階に分けることができます。原料の栽培と製油の2つの段階です。西川農藝は一貫生産ですが、原料を栽培する農家と油に加工する製油業者で分かれていることもあります。油の品質は前者の農家の段階で8割は決まっていると言ってよいと思います。えごま油などは特にその傾向が顕著。農家の責任の範囲は種蒔きから収穫そして原料の乾燥まで。収穫から乾燥までの過程は特に重要でこの段階がうまくいかないと、えごまにカビが生えたり、えごまが酸化してしまいます。どれだけ製油業者が低温で丁寧に圧搾しても、当たり前のことですが酸化したえごまからは酸化したえごま油しか採れません。原料となるえごまが酸化していればどんな熟練の油職人も無力です。

完全非加熱無精製の低温圧搾生搾りの油にこだわる西川農藝ではなおのこと「畑が全て」、「収穫したブドウ(ごま・えごま・菜種)以上のワイン(各油)はできない」が一層リアルに響きます。焙煎して香ばしくすることで素材の状態を隠してしまうこともできないし、サラダ油のように化学的精製で酸価を下げたり一度変質してしまった色・風味・香りを取り除いて無味無臭に仕上げてしまうこともできません。情報誌Brutusのお取り寄せ特集に「生搾りは素材に自信があるからできること」という評者のコメントとともに黒ごま油を取り上げていただきました。西川農藝の油の本質をピタリと言い当てていただき、とても嬉しかったです‼️

オイル生産者として、自然派ワインの世界には多くの刺激と学びがあります。またブログで取り上げてみたいと思います。
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この投稿をした生産者

鳥取県 倉吉市

西川農藝