ツクヨミ小噺002
2024/02/04
温暖化が良い悪いは一旦置いといて、
環境に優しいと思われている農業は温室効果ガスの大きな排出源の一つで全体の1/4を占めています^^;

リジェネラティブ農業は気候変動やSDGz、ESG的な観点から注目されています。
その最大の理由は栽培上の特徴として不耕起栽培(トラクターなどを利用して耕さない)であることです。

2015年に開催された「気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)」で、フランス政府主導で4パーミルイニシアティブという土壌中の炭素を増やす「カーボンファーミング(炭素農業)」などの取り組みの普及を目指す活動が始まりました。

土壌は巨大な炭素の「貯蔵庫」です。
大気には約3兆トン、森林などの植生にはCO2に換算すると約2兆トン分になるとみられていますが、土壌にはその2倍以上の5.5兆~8.8兆トン(表土だけで約3兆トン)が存在しています。
4パーミルという数字は、現在、人が経済活動によって大気中に放出している炭素量から求められています。

全世界の土壌中にある炭素の量を、毎年0.4%ずつ増やすことができれば、人為的な活動による大気中への温室効果ガスの排出をチャラ!にできると考えられ、
日本を含む700以上の国や国際機関、農業団体、NGOなどが参加しています。

植物にとっての運動、光合成で植物に取り込まれた空気中の炭素(CO2)は、植物と微生物とのやり取りや、枯れることで、土壌中の生き物や微生物の働きで、炭素を含む様々な有機物に変わります。
この有機物によって、土壌はより豊かなものになるので、炭素は植物の成長や食料の確保に欠かせない存在といえます。
(特に近年の次世代的な有機栽培では重視されてます!)

んが、
植物の根や微生物が土壌中に貯め込んだ炭素が耕すことで結果的に大気中に放出される形となっています。
農業機械で大規模に耕やし、大量の水、化学肥料、化石燃料を使って、単一作物を大規模に栽培するようになると、確かに食糧増産に繋がりました。
大規模化し続ける農業は、既に農業機械の重量は恐竜クラス。
耕転に圧縮が加わります。
終わらなくなってしまうので、一旦端折らせていただいて
^^;

耕作面積の増加や途上国の生産性の向上などで、食糧危機の兆候も無く、実際、世界の穀物生産量は増加し続けていますが、現実として大規模化の弊害によって収穫量の減少に転じている農地も増えてきています。

国連食糧農業機関(FAO)によると、年間約500万haの耕地が新規に劣化しており、耕地の確保に新たな取り組みが採用されない限り、2050年の世界の1人当たり耕作可能地は、1960年の水準の1/4になると予測しています。

確実な研究結果として世界の畑の面積のうち16%は100年のうちに肥沃な表土30cmを失うというデータも出ています。
日本で30cmはまぁまぁ絶望的な厚みです。
1cmの厚みができるのに100年かかるのに、悪い傾向だと10年で1cm位平気でなくなります。
でもまだ日本は特別です。
世界の他の地域だと1cmの厚みが日本の10倍かかります^^;
(ここら辺もどこかで何故そうなのかを伝えますね)

次回は実際リジェネラティブ農業で本当に炭素が貯留できるのか?
をツクヨミファームの実際の土壌分析結果を見てみましょう!

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