【かぼす・すだち・ゆず】似ているけれど違う?個性が光る香酸柑橘【レシピ付き】

2025/09/05 更新

目次

  1. 「香酸柑橘」とは
  2. 選び方と保存方法
  3. 楽しみ方
  4. おすすめレシピ
  5. まとめ

「香酸柑橘」とは

「香酸柑橘」は、果肉を食べるみかんやオレンジなどとは異なり、皮の香りや果汁の酸味を楽しむ柑橘のことを指します。

その代表格としてあげられるのはレモンですが、日本には30種類以上の香酸柑橘があるといわれています。

酸っぱくて果汁たっぷりの「かぼす」

「かぼす」は大分県の特産品としても有名で、多くを大分県で生産しています。

平均的な大きさはテニスボールくらいで、果肉は黄色みがかっています。酸味が際立ち、果汁が多いのが特徴で、酢の代わりに使いやすい柑橘です。

穏やかな酸味と香りが特徴の「すだち」

「すだち」は徳島県の特産です。平均的な大きさはピンポン玉くらいで、果肉は緑。穏やかな酸味と強い香りが特徴で、松茸やサンマなど、香りの強い食材にキュッと搾って使うのに向いています。

よく「かぼす」と「すだち」の違いが分からないという声を聞きますが、並べてみれば一目瞭然!

左がすだち、右がかぼすです。香りや酸味もそれぞれ違うので、機会があれば同時に味わっていただきたい2つです。

甘い香りに癒される「ゆず」

「香酸柑橘の王様」とも呼ばれる「ゆず」は、高知県で多く生産されています。平均的な大きさは、「かぼす」と「すだち」の中間くらいのサイズです。

冬至の「ゆず湯」などには11月頃から出回る「黄ゆず」が使われますが、皮を使う場合は「青ゆず」が多用されます。

ゴツゴツした皮で、果汁はそれほど多くありません。癒される香りが特徴で、お吸い物などに添えたり、香辛料や薬味として使われたりします。

沖縄原産の「シークワーサー」

「シークワーサー」は沖縄県が原産で、その名前も知れ渡っていますが、実は沖縄の方言で、標準和名は「ヒラミレモン」です。平均的なサイズはすだちよりも小さく、10~20gくらい。

「レモン」と名の付く通り、酸味も強いですが、ほのかな甘みがあります。果汁を搾って炭酸で割って飲むのがおすすめです。

邪気を払う縁起物「じゃばら」

「じゃばら」は愛媛県の特産品。「邪気をはらう」というところからこの名前がつけられたといわれ、特に北山村では昔から正月料理に欠かせない縁起物になっています。

平均的なサイズは「かぼす」と同じくらいで、種が少なく、甘味と酸味のバランスが取れたまろやかな風味が特徴です。

宮崎ブランド「へべす」

「へべす」は、宮崎県原産の香酸柑橘です。平均的なサイズは、「すだち」と「かぼす」の中間くらいで、種が少なく、多汁。皮が薄くて搾りやすいのも特徴の1つです。

宮崎県以外で栽培されていない香酸柑橘ですが、近年都内でブームになり、アンテナショップなど、一部のお店で購入することができます。

幻の柑橘「ゆこう」

「ゆこう」は徳島県で栽培されている香酸柑橘。「ゆず」と「橙(だいだい)」の自然交配種といわれ、漢字では「柚香」や「柚柑」と表記されます。

徳島県山間部での栽培がほとんどで、市場に出回ることはほとんどなく、「幻の柑橘」ともいわれています。

表面がゴツゴツしているため、見た目は「ゆず」に似ていますが、平均的なサイズは「かぼす」くらい。酸味は少なく糖度が高めです。

選び方と保存方法

スーパーなどでは、皮にハリがあり、ヘタが茶色くなっていないものを選びましょう。傷が多いものは避けるようにしてください。

保存する場合は、保存袋に入れて密閉し、冷蔵庫に入れます。切ったものはラップで切り口を塞いで冷蔵庫に入れ、なるべく早めに使い切るようにしてください。また、搾った果汁を清潔な瓶に入れておくと1週間は保存できます。

長期保存したい場合は、くし形に切って冷凍用保存袋に入れて密閉し、冷凍しておくと良いでしょう。果汁だけを製氷皿に入れて冷凍しておくと、少量ずつ使えて便利です。

楽しみ方

香酸柑橘はかたくて小ぶりのものも多く、搾りにくいと感じている人もいるかもしれません。しかしちょっとしたコツをつかめば、上手に搾ることができます。
まずは横半分にカットし、それをくし切りにします。大きな種は取り除きましょう。

次に切り口を上向きにして、搾ります。こうすることで、皮に含まれる香りも逃すことなく堪能できます。この方法なら果汁も飛び散りにくく、強い力もいりません。

搾った果汁は、刺身や焼き魚、揚げ物などにかけたり、みそ汁に加えたりするのもよいでしょう。

また、特におすすめしたいのが餃子。最近「酢胡椒」で餃子をいただくのがブームですが、酢の代わりに香酸柑橘の果汁を使うとさわやかさもプラスされ、さっぱりと食べられます。

さらに、調味料にするのにも向いています。定番は果汁を使ったぽん酢です。

香酸柑橘ぽん酢

香酸柑橘の果汁10:しょうゆ10:酒1:みりん(煮切る)1の割合で容器に入れて混ぜ、昆布を入れて数日漬け込めばできあがりです。

水炊きなどの鍋料理にもピッタリなので、たくさん作って楽しんではいかがでしょう。

また、マヨネーズも作れます。一般的には酢を使いますが、その代わりに果汁を使います。さわやかな香りのおかげで、たっぷり使ってもくどくなりません。

香酸柑橘マヨネーズ

【材料(作りやすい量)】
・香酸柑橘果汁 大さじ1
・卵黄 1個
・塩 小さじ1/2
・油 100ml
・粒マスタード お好みで

【作り方】
1.卵を常温に戻す。
2.ボールに果汁・卵黄・塩・粒マスタードを入れ、混ぜ合わせる。
3.2に油を5回くらいに分けて入れ、その都度しっかりなじむまで混ぜる。
油は個性の強いものではなく、米油やサラダ油などを使えば、香酸柑橘の香りを楽しむことができます。

茹でたブロッコリーにたっぷりつけるのはもちろん、卵サンドやタルタルソースにもおすすめです。

また、個性的な香りのある皮も無駄なく使った万能調味料も作れます。

香酸柑橘胡椒

【材料(作りやすい量)】
・香酸柑橘の皮 100g
・青唐辛子 50g
・塩 30g

【作り方】
1.香酸柑橘をよく洗って水気を拭き取り、皮の部分のみピーラーなどで削ぐ。青唐辛子はヘタと種を取る。

2.1をみじん切りにしてすり鉢に入れ、塩を加えてすり混ぜ、全体になじませる。

「ゆず胡椒」は一般的ですが、ゆず以外でも作ることができます。すぐに食べることもできますが、1週間くらい寝かせると塩のカドが取れてなじんできます。

鍋料理の薬味や、肉や魚のソテーに乗せても良いアクセントになります。

青唐辛子は刺激が強い食材なので、扱う際は手袋があると安心です。もしすり鉢がなければ、フードプロセッサーやミルなどを使っても良いでしょう。

清潔な容器で冷蔵庫に入れれば、半年以上は保存可能です。時間が経つほど熟成してまろやかになるので、変化を楽しみながら使ってくださいね。

おすすめレシピ

最後に、料理に使うレシピを2品ご紹介します。

鮭とぶなしめじと香酸柑橘のパスタ

【材料(2人分)】
・パスタ 160g
・鮭切り身 2切れ
・ぶなしめじ 100g
・香酸柑橘 1個
・バター 大さじ2
・粉チーズ 大さじ1
・塩 適量
・胡椒 適量

【作り方】
1.香酸柑橘は4切れ輪切りにし、残りは果汁を搾る。ぶなしめじは石づきを取ってほぐす。
2.たっぷりの湯を沸かした鍋に1パーセントの塩(分量外)を入れ、表示より1分ほど短めにパスタを茹でる。
3.フライパンにバターを入れて熱し、鮭の切り身を入れて両面を焼いて中まで火が通ったら取り出す。
4.3の皮と骨を取り除き、食べやすい大きさにほぐす。
5.3のフライパンにぶなしめじを入れて火を通し、4と果汁、粉チーズ、パスタ、少量のパスタのゆで汁をを加えてからめ、塩胡椒で味を調える。
6.器に盛り、輪切りにした柑橘と、お好みですりおろした香酸柑橘の皮を乗せる。

秋に出回る秋鮭は脂が少ないので、バターやチーズと合わせることでコクが増します。普通の切り身や塩鮭などでも代用できますが、塩鮭を使う際は加える塩を控えめにしてください。

香酸柑橘のさわやかもプラスされてさっぱりと食べられるので、ぜひ試してみてくださいね。

香酸柑橘のカッテージチーズケーキ

【材料(直径12センチのタルト型1つ分)】
・香酸柑橘果汁 50ml
・牛乳 500ml
・卵 2個
・砂糖 30g
・小麦粉(薄力粉) 30g

【作り方】
1.牛乳を鍋に入れて中火にかけ、沸騰直前になったら果汁を加えて混ぜる。
2.牛乳が固まってきたら火を止め、20分ほど置く。
3.キッチンペーパーなどを敷いたザルでこし、粗熱を取る。ここまでで、自家製カッテージチーズの完成です。
4.ボールに卵・砂糖・小麦粉、と水を切った3を入れてよく混ぜる。
5.170度に予熱したオーブンで30分焼き、冷ます。

カッテージチーズ作りから手作りするチーズケーキです。焼きたては膨らみますが、すぐにしぼんで、なじみます。

お好みで刻んだ皮や果肉を加えてもよいでしょう。甘味が足りない場合は、はちみつなどを加えて調整してください。

また、ザルでこしたホエーは、果汁とはちみつを加えてドリンクにしたり、ピクルス液に使ったり、スープにしてもよいでしょう。いろいろなお料理に使えますので、捨てずに活用してくださいね。

まとめ

香酸柑橘は「メインの引き立て役の柑橘」として控えめな存在だと思っていた人も多いと思いますが、今回の記事を読んで、少し身近に感じていただくことができたでしょうか。

日本に30種類以上あるといわれている香酸柑橘の中で今回ご紹介できたのはごく一部。

他にもたくさんありますので、もし新しいものを見つけたら、ぜひ味わってみてください。
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