次世代のぶどう栽培を切り拓く──SUNNYFACTORYMINORI・赤沼さんの挑戦

2025/09/02 更新

長野県出身ながら、山梨の地で新しいぶどう栽培に挑むSUNNYFACTORYMINORIの赤沼さん。

会社員から農家へ転身した異色の経歴を持つ彼が、なぜぶどうに人生をかけることを決めたのか。そしてどんな未来を見据えているのか。その挑戦に迫ります。


▲ぶどう園で作業する赤沼さん▲

ぶどうが悩みを吹き飛ばし、人生を変えた瞬間

大学卒業後、山梨で会社員として多忙な日々を送っていた頃、ぶどう農家・武井農場で栽培を手伝った際、そこで食べたぶどうの味に心を奪われました。
「悩みやストレスが一瞬で吹き飛んだ」と振り返ります。
さらに武井さんの自由な働き方や「やり方次第で会社員以上に稼げる」という話に衝撃を受け、「自分も人の心を晴らすぶどうを作りたい」と就農を決意しました。

知識と縁を育む就農への道

農家への転身にあたり、まず山梨県の農林大学校で9か月間、ぶどうと桃に特化した栽培技術を学びました。

最大の壁は農地の確保。山梨に縁がなかった赤沼さんにとって困難な課題でしたが、地域との交流を重ねるなかで徐々に道が開けます。

パートナー・真衣さんの親戚が甲州市に空き家を持っていたことから移住を決意。地元の行事や活動に参加し、生産者との信頼関係を築きました。 そして卒業間際、体調を崩した生産者から「畑をやってみないか」と声をかけられ、ついに念願の農地を借り受けることができました。


▲SUNNYFACTORYMINORIで栽培されたシャインマスカット▲

土壌を育み、環境と共生する「工場」

SUNNYFACTORYMINORIの栽培の柱は「化学肥料を使わない」こと。
魚のエキスやカニ殻など独自の有機肥料を活用し、土壌中の微生物を活性化。長期的に健康な土を維持することで、高品質なぶどうを安定的に育てています。

さらに、剪定した枝を炭にして土壌に有機物として還元する「炭化」や、雑草をあえて生やして刈り取り、土壌の緑肥にする「草生栽培」など「循環型農業」にも取り組み、二酸化炭素の削減と土壌環境の改善を両立。
「手間はかかるが環境に配慮した栽培を行うことができる。この取り組みを行っている生産者は山梨県内でもまだ少ない。未来のためにももっと広めていきたい」と語ります。

多角的な事業展開と未来への挑戦

現在、主力品種はシャインマスカットと巨峰。赤沼さんは「次の時代」を見据え、山梨オリジナル品種の「サンシャインレッド」など新しい品種も挑戦しています。

販売においては、サラリーマン時代の営業スキルを活かし大手菓子メーカーのシャトレーゼやフレンチレストラン、海外輸出などさまざま販路を作ることに挑戦しています。
「将来的にはクラフトビール醸造や、農業体験型の宿泊施設も展開したい」と構想を語ります。

今回の「ぶどうグランプリ」参加は、自らの実力を試すための挑戦のひとつ。
「日本には100種類以上のぶどう品種があり、これは世界的にも稀なレベル。日本だからこそ味わえる多様性をもっと知ってほしい」と呼びかけます。
革新的な取り組みと挑戦心を胸に、赤沼さんは次世代のぶどう栽培を切り拓いています。


▲赤沼さんのぶどう園▲

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