【食べチョク 生産現場から #梅】梅しごとが未来の鍵。700年の歴史が揺れる…2025年梅農家のいま

2025/12/10 更新

2024年全国的に梅が記録的な不作となり、各地の梅農家は深刻な打撃を受けました。
特に和歌山県や南高梅の産地では、開花時期の天候不順や気温の乱高下によって実が十分に育たず、収穫量が大幅に減少。
毎年恒例の「梅しごと」を楽しみにしていた消費者にも余波が広がり、国産梅の価値と供給の不安定さが改めて浮き彫りになりました。

そこで食べチョクでは、和歌山県 日高郡みなべ町「春うめ農園」の井口春平さんにお話を伺いました。
井口さんのお話をもとに、2024年の異常気象がもたらした影響と2025年の現状、今後の梅農家の課題、そしてこの機会に考えたい“梅文化”のこれからについて掘り下げます。(取材時期:2025年5月)

失業者をも出した2024年の梅の大凶作


▲お話を伺った「春うめ農園」さん
(商品ページはこちら)

ーーーまず、春うめ農園さんの状況を教えてください。

2024年の歴史的な大凶作は、うちの農園も大打撃でした。
2023年は豊作で120%の収穫率だったのですが、2024年はたった25%でした。失業した梅農家もいるほどです。

春うめ農園では、農協や梅干しなどの加工業者に卸すのが主な収入源なのですが、肝心な梅が実らなければ当然収入も得られません。

日本一の梅の産地といわれるこの地域で梅が手に入らないとなると、加工業者は販売継続のために海外から輸入した梅を仕入れざるを得ません。こうした動きは過去にもありましたが、不作が続けばその流れはより一層強まってしまうでしょう。
若手が梅農家に就農したとしても、営んでいくのが今後は難しくなってくるんじゃないかと心配が絶えません。


▲江戸時代から400年以上続く伝統的な梅の産地
「みなべ町」で梅を栽培する春うめ農園さん

今年こそ!と踏ん張ってきたところに雹(ひょう)被害

ーーー2025年も不作の見込みとお伺いしたのですが、詳しくお聞かせいただけますか?

2023年は豊作だったため、その収穫分でなんとか2024年の一年をしのいできました。
2025年は花の咲く時期が少し遅かったのですが、きれいに咲きそろい「遅咲きは豊作の兆し」とも言われていたので、間違いなく豊作になるだろうと期待していました。

しかし、ここへきて予想外の問題が次々と起きています。
まずは、ミツバチの活動を妨げる天候。花が咲いたタイミングで雨が多く、ミツバチが飛べずに受粉が進みませんでした。さらに、追い打ちをかけるように雹(ひょう)が降りました。

特に影響が大きかったのは、3月下旬から4月初旬にかけて和歌山県みなべ町周辺で発生した雹害※1です。2025年は多いところで5回も雹が観測され、被害が広範囲に及びました。雹の直撃で実が落ちたり傷ついたりして、出荷が難しい園地もあります。

梅は年に一度しか収穫できない作物です。そのため、梅しごとを楽しみにしている方々が今年は梅を手にできなかったり、傷ひとつなかった梅が手に入らなくなったり、梅干しの価格が上がったりと、さまざまな影響が出てきます。
梅しごとのハードルが上がることで、「今年はもういいかな」と手を引いてしまう人が増えるのではないかと、不安が募ります。

※1 雹(ひょう)とは?
上空の寒気によって雲の中で氷の粒(雹/ひょう)ができ、それが成長して重くなると地上に落ちてくる現象です。雹が降ると、農作物はもちろん、建物や車などにも大きな被害を与えることがあります。

▲今年の雹により落果、傷ついてしまった梅

未来につなげる梅しごと

ーーー今、消費者の皆さんへ伝えたいことは何ですか?

僕たち梅農家が一番望んでいるのは、年に一度のこの季節に、梅を手に取って楽しんで味わってもらうことです。
2025年の和歌山県の雹害は、全国ニュースにもなりました。だからこそ「梅って何だろう?」というところから、興味を持ってもらえたら嬉しいんです。

うちの農園は祖父が山を切り開き、父が一本一本梅の木を植え、10年、20年、30年かけてやっと実り始めた畑です。そんな大切に育ててきた梅が雹に打たれて傷だらけになった姿を見ると、やっぱり胸が痛みます。
でも、それでも僕たちは諦めません。少しでもいい状態で届けられるよう最後まで丁寧に収穫し、納得していただけるものをお届けできるように努力を続けています。今、和歌山の梅農家全体が踏ん張りどころを迎えています。

2024年から食べチョクさんで販売を始めたことで、「きれいな梅でした」「さっそく梅シロップにしました」なんてお客様から直接声をもらえるようになりました。大凶作で落ち込んでいた僕の心に、その言葉が本当に沁みました。

梅を待っていてくれる人がいる限り、できるだけ届け続けたい。農作物を通して「美味しかったよ」「ありがとう」と言ってもらえることこそが、僕たち農家にとって一番の励みです。

祖父の梅酒と梅農家ならではの梅シロップの楽しみ方

ーーー梅農家さんだからこその、おすすめの梅の楽しみ方を教えてください。

子どもの頃、梅の収穫で忙しい祖父が合間を縫って梅酒を作っていた記憶が今でも鮮明に残っています。
「これな、うまいんやぞ」と笑いながら漬け込んだ梅酒は1年、2年と熟成させると味がまろやかになります。それを嬉しそうに飲む祖父の姿を、子どもながらに見てきました。

梅シロップは、砂糖がしっかり溶けるまで毎日かき混ぜてあげる必要があります。
砂糖の浸透圧で、梅の果汁がじわじわと出てくる・・・。その変化を眺めていると、まるで梅を「作る」というより「育てている」ような感覚になります。
梅酒や梅干しも同じで、手間をかけて育てた分だけ完成したときの喜びも大きいんです。

中でも梅シロップは、傷ものの梅でも美味しく作れるのが嬉しいポイント。梅干しにすると固くなってしまう傷部分も、果汁だけを使うシロップや梅酒なら問題ありません。

最近ではスパイスを加えたアレンジレシピも人気ですが、僕は昔ながらのシンプルな梅と氷砂糖を1:1で漬ける王道スタイルが好きです。手間ひまかけて育てる梅シロップはどこか懐かしく、そして今もなお新鮮な味わいです。

【井口さんおすすめの梅ラッシー・ホット梅ジュース】

梅シロップ[1:3〜4]割り物
割り物は水・炭酸など
濃さはお好みで調整してください。

僕のおすすめは、梅シロップを牛乳で割ること!
ヨーグルトドリンクのような風味になって、まるでラッシーのような味わいに。とっても飲みやすくて、子どもにも人気です。

完成した梅シロップは糖度が高いので、冷蔵庫で保存すれば長持ちします。
寒くなってきたら、お湯で割ってホット梅ジュースに。これがまた、体にじんわり染み渡る美味しさなんです。
砂糖の種類を変えたり、炭酸水やお茶などで割ったりすれば、いろんなアレンジも楽しめます。ぜひ、自分好みの梅ジュースを見つけてみてください!


▲井口さんのおすすめは牛乳割り・ホット!

700年紡がれてきた梅のちから

ーーー最後に、今の梅作りへの想いについて教えてください。

和歌山県みなべ町では、室町時代にはすでに梅の栽培が行われていたという記録が残っています。
鎌倉時代末期から数えると、梅作りの歴史は700年余り。これほど長く続いているということは、梅という作物がそれだけ高いポテンシャルを持っている証だと感じています。

最近特に感じるのは、「個人がモノをただ消費する時代」は終わり、「コトを消費する時代」に移ってきているということ。梅を使った“梅しごと”・・・自分の手で仕込み、完成するまでの過程もじっくり楽しむ梅シロップや梅干し、梅エキスなどはその象徴のような存在です。

梅を求める方がいる限り、その想いに応えるのが私たち梅農家の役目。これからも実を育て、届けていきたいと思います。

私たちにできること

こうした生産現場の実情を受けて食べチョクでは、ユーザーのみなさんに梅を「買って応援」していただけるよう、先着100名様に、販売中の梅(青果)の対象商品に使えるクーポンをご用意しました。

※クーポンの配布・取得・利用は終了しました

クーポン準備数

  • 先着100名様

※規定数に達し次第、クーポンの取得・利用はできませんので予めご了承ください

クーポンコード ※クーポンの配布・取得・利用は終了しました

ume202506

クーポン額

  • 100円

有効期限 (取得・利用)

  • 2025年6月10日まで

※クーポン取得画面で、上記クーポンコードをご入力の上ご利用ください
※規定数に達し次第、クーポンの取得・利用はできませんので予めご了承ください

Webサイトからクーポンを取得・利用する場合

  • 上記「クーポンコード」に記載されたテキストをコピーし、下記の「クーポンをGETする」ボタンをクリックします。

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クーポン対象の梅(青果)

一つひとつの梅に詰まったドラマを感じながら、今年の旬を楽しんでみてください。

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