雪解けで明かされる雪害という自然災害
2025/04/14
今年の冬は例年以上の積雪があり山形県内で現在把握されている範囲で2億3700万円ほどの農林水産品の被害が確認されていると先日報道されていました。

雪害の恐ろしいところは雪が降っている最中ではなく、雪解けとともに被害を引き起こすところです。

棚の上の針金の上に横に伸ばしていくツル性のぶどうの樹。

樹の上までの高さに到達した雪がとける時、下に引っ張られる強い力が働きます。

その力によって針金が引っ張られハウスが壊れたり、針金が樹の上にくい込んで樹を割ってしまったりします。

当園も山あいにある3ヶ所の園地のぶどうの樹が雪で埋もれるほどの積雪でした。

ハウスの骨組みがあると除雪の機械などは使えないため、雪はスコップなどで地道に掘ることしかできず掘り起こしの作業は約1ヶ月にも及びました。

掘りおこせる量やスピードには限度がありハウスを支える太い針金やパイプ、樹を支える細い針金が沢山折れました。

また25本(該当園地内の約7%ほど)の樹が真っ二つに裂けてしまったり、太い木の片腕が取れてしまいました。

樹の割れ目に薬を塗布したりくっつける努力もしていますが今年どれだけのダメージになるかはまだ分からない状態です。

樹の上まで積もると雪下ろしの作業はかなり力が必要であり、生産者の高齢化により雪国の産地の維持の大変さも身にしみました。

話は変わりますが、先日息子が小学校にあがり、その校歌の中に「ぶどうのように ひとみかがやき からだきたえて すくすくそだつ」という歌詞がありました。

ぶどうがこの地に長年根ざしていることを感じ、改めて先人から引き継いだこの産地の産業を担い手として守っていきたいと強く感じました。

幸いにも最小限の被害にとどまっております。皆様に「美味しいぶどう」
をお届けすべく、今後も生産管理に努めてまいります!

(※写真は少し前のものです)

この投稿をした生産者

山形県 東置賜郡高畠町

oboco grapes

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