oboco grapesの投稿一覧

「ぶどうって、花が咲くんですか?」
農園に訪れたお客様によく聞かれるこの言葉。
たしかに、食卓に並ぶつやつやの実からは、花の姿なんて想像しにくいかもしれません。
でも実は、あの甘くて小さな粒「デラウェア」にも、ちゃんと“花”があるんです。
一般的にイメージするような派手な花ではありません。真っ白で、直径数ミリほどの小さな花は、注意深く見ないと見逃してしまうほど。畑一面ふんわりと甘い香りに包まれます。アカシアのようなかしかに甘く澄んだ香りだと言われています。

でも、この小さな花こそが、これから数ヶ月かけて“果実”へと育っていく始まりの姿なのです。
房の数を減らしたり、形や房の大きさを整えたり、実を太らせるための作業が本格化し繁忙期に突入です。
デラウェアの花は、とてもデリケート。
雨や風が強いと、受粉がうまくいかなかったり、花が落ちてしまうこともあります。自然と向き合いながら、見守る日々です。

だからこそ私たちは、毎日天気と相談しながら畑に足を運び、一つひとつの花の様子を確かめながら、「ちゃんと実になってくれるかな」と心を寄せます。
私たちの屋号「oboco grapes(おぼこグレープス)」の“おぼこ”は、山形弁で“こども”を意味します。
ぶどうの花が咲くこの季節は、まさに「おぼこ」たちの成長が著しく変化する時期でもあります。
毎日畑を訪れるたびに大きくなる「おぼこ」たち
これから陽の光を浴び、雨風を乗り越えて、甘く育っていく…。
そんな子どもたちを見守るような気持ちで、私たちはこの小さな花たちと向き合っています。
デラウェアが皆さんのもとに届くのは、真夏の頃。
でも実は、その何ヶ月も前から、畑では静かに準備が始まっています。
小さな花が、たくさんの手と自然の力を借りて、甘い果実になるということ。
この“見えない時間”も、ぶどうの美味しさのひとつだと思うのです。
次回の成長もどうぞ楽しみにしていてくださいね。
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今年の冬は例年以上の積雪があり山形県内で現在把握されている範囲で2億3700万円ほどの農林水産品の被害が確認されていると先日報道されていました。

雪害の恐ろしいところは雪が降っている最中ではなく、雪解けとともに被害を引き起こすところです。

棚の上の針金の上に横に伸ばしていくツル性のぶどうの樹。

樹の上までの高さに到達した雪がとける時、下に引っ張られる強い力が働きます。

その力によって針金が引っ張られハウスが壊れたり、針金が樹の上にくい込んで樹を割ってしまったりします。

当園も山あいにある3ヶ所の園地のぶどうの樹が雪で埋もれるほどの積雪でした。

ハウスの骨組みがあると除雪の機械などは使えないため、雪はスコップなどで地道に掘ることしかできず掘り起こしの作業は約1ヶ月にも及びました。

掘りおこせる量やスピードには限度がありハウスを支える太い針金やパイプ、樹を支える細い針金が沢山折れました。

また25本(該当園地内の約7%ほど)の樹が真っ二つに裂けてしまったり、太い木の片腕が取れてしまいました。

樹の割れ目に薬を塗布したりくっつける努力もしていますが今年どれだけのダメージになるかはまだ分からない状態です。

樹の上まで積もると雪下ろしの作業はかなり力が必要であり、生産者の高齢化により雪国の産地の維持の大変さも身にしみました。

話は変わりますが、先日息子が小学校にあがり、その校歌の中に「ぶどうのように ひとみかがやき からだきたえて すくすくそだつ」という歌詞がありました。

ぶどうがこの地に長年根ざしていることを感じ、改めて先人から引き継いだこの産地の産業を担い手として守っていきたいと強く感じました。

幸いにも最小限の被害にとどまっております。皆様に「美味しいぶどう」
をお届けすべく、今後も生産管理に努めてまいります!

(※写真は少し前のものです)
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この投稿をした生産者

山形県 東置賜郡高畠町

oboco grapes