oboco grapesの投稿一覧

1|温度を気を配る
芽が出はじめると、畑の時間は、少しだけ緊張を帯びてきます。
小さな芽は、とてもやわらかくて、そして、とても敏感です。

ハウスにビニールを張ると、畑の中の温度は一気に上がります。春のやわらかな日差しでも、中は思っている以上に暑くなり芽が傷んでしまうこともあります。日中晴れた日にははサイドのビニールを開けて風を通し、夕方にはビニールを閉じる。

霜注意報が出た前の日には、夜の畑へ向かいます。暖房を入れて、ハウスの中の温度を守る。

そんなふうに、空を見ながら、毎日変わる天気予報を何度も見ながら過ごす時間が増えていきます。

2|樹を配り光を当てる

他にも重要な作業があります。芽から梢が伸びる方向を想像しながら、枝同士の距離を離してテープで固定していく作業です。

葉や実が均一に日の光を浴びられるように、のびのび育てる空間を作ってやります。太陽の光を浴びることで、色づきがよい、味わい深い成熟した甘い果実になります。

四月は、そんなふうにぶどうの芽に「きを配る時間」が続きます。

天気予報を毎日こまめにチェックしている見ている農家の私に、子供たちは毎朝ききます。
「今日の天気は?」…と。我が家のアレクサ的役割も担う、農家の父ちゃんなのでした。
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1|下準備できまる
今季の始まりの畑を整える大切な時期が三月です。
そしてハウスの整備で太い柱を動かしたりするような、力のいる作業も増えてきます。 

冬の間力を蓄えたぶどうの傍ら、筋力が落ち、足取りが重い農家の私たち。「あれ、こんなに重かったっけ」
……三月はそんな私たちぶどう農家のリハビリ期間でもあります。

ビニールを張る前には、ロープを張り、ビニールを止めるための黒い紐を結びます。毎日同じことを繰り返しとても地味な下準備です。
けれど、結び方や、ほんの少しの位置の違いで、あとの作業のしやすさが大きく変わるため気を抜けません。

2|地域で作るぶどう
一列が長く、大きなハウスのビニール張りは、二人だけではできません。
風のない早朝、大勢の近所の人たちに協力いただき一気にかけていきます。春は風が強い日が多く、天気予報とにらめっこして、日程を調整します。

そんな早く起きなければならない日の前夜にかぎって我が家では、寝室で娘が一人リサイタルが始まりご機嫌に何曲も歌い続けます。そして当日目覚めると、「ママ、おはよう」と四時に目を覚ます息子。どうやら強力なセンサーが働いているようです。もう一度寝室へ寝かせてから出発。

当日の朝5時半地域の方々が集まってくれます。
大きな掛け声をかけて一気にビニールを引く一体感、手際よく紐を結ぶ手捌き。ぶどう栽培は一人でできるものではないと実感します。
こうして、地域の人たちの力を借りながら、ぶどうは育っていきます。

ビニールを張ると、それまでゆっくりだった時間が、一気に動き出します。
畑の中に、少しだけあたたかさが生まれ、ぶどうの成長も加速していく。
その変化を感じるたびに、整えてきた時間の意味をあらためて実感します。

ぶどうは、畑と、季節と、そして地域とともに育っているのだと。そんなことを思いながら、今日もまた、整えるぶどう育事を続けています。
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― 雪おろしの時間 ―

食べチョクでの販売を開始してから、
早速続々とご注文をいただき、本当にありがとうございます。

今、私たちのぶどう園は深い冬の中にあります。
枝だけになったぶどう棚には、
朝になると、ふわりと雪が積もっています。

冬の仕事のひとつに、
枝に積もった雪をおろす作業があります。

雪景色はきれいで息をのむほど美しいのですが、
雪は時に脅威にもなります。

雪の重みで枝が折れたり、ハウスがつぶれてしまうこともあるのです。

だから一房も実っていないこの季節でも、
ぶどうの様子を見に、畑へ向かいます。

雪でつるつるでキンキンに冷えたハウスにのぼり、
落ちないようにぎゅっとパイプをつかみながら、
手足で枝を揺らすと、どさっと音を立てて雪が落ちていきます。

「重いよね、大丈夫だよ」と声をかけるような気持ちで、
一本一本、雪をおろしていきます。

手も足も冷え切って、
作業が終わる頃には体はすっかり冷たくなるのに、
不思議と心は少しあたたかい。

この枝の先に、
来年またぶどうが実ることを知っているからかもしれません。

ご注文が入るたび、
この雪の下で守っている枝と、
その先にある皆さんの時間がつながっているように感じます。

ぶどうは、すぐには届きません。
でも今も、こうして静かに育っています。

また季節ごとに表情を変えるぶどう園の様子も、
少しずつお届けしていきますね。

たくさんのご縁に、心からの感謝を込めて。

oboco grapes
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「ぶどうって、花が咲くんですか?」
農園に訪れたお客様によく聞かれるこの言葉。
たしかに、食卓に並ぶつやつやの実からは、花の姿なんて想像しにくいかもしれません。
でも実は、あの甘くて小さな粒「デラウェア」にも、ちゃんと“花”があるんです。
一般的にイメージするような派手な花ではありません。真っ白で、直径数ミリほどの小さな花は、注意深く見ないと見逃してしまうほど。畑一面ふんわりと甘い香りに包まれます。アカシアのようなかしかに甘く澄んだ香りだと言われています。

でも、この小さな花こそが、これから数ヶ月かけて“果実”へと育っていく始まりの姿なのです。
房の数を減らしたり、形や房の大きさを整えたり、実を太らせるための作業が本格化し繁忙期に突入です。
デラウェアの花は、とてもデリケート。
雨や風が強いと、受粉がうまくいかなかったり、花が落ちてしまうこともあります。自然と向き合いながら、見守る日々です。

だからこそ私たちは、毎日天気と相談しながら畑に足を運び、一つひとつの花の様子を確かめながら、「ちゃんと実になってくれるかな」と心を寄せます。
私たちの屋号「oboco grapes(おぼこグレープス)」の“おぼこ”は、山形弁で“こども”を意味します。
ぶどうの花が咲くこの季節は、まさに「おぼこ」たちの成長が著しく変化する時期でもあります。
毎日畑を訪れるたびに大きくなる「おぼこ」たち
これから陽の光を浴び、雨風を乗り越えて、甘く育っていく…。
そんな子どもたちを見守るような気持ちで、私たちはこの小さな花たちと向き合っています。
デラウェアが皆さんのもとに届くのは、真夏の頃。
でも実は、その何ヶ月も前から、畑では静かに準備が始まっています。
小さな花が、たくさんの手と自然の力を借りて、甘い果実になるということ。
この“見えない時間”も、ぶどうの美味しさのひとつだと思うのです。
次回の成長もどうぞ楽しみにしていてくださいね。
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今年の冬は例年以上の積雪があり山形県内で現在把握されている範囲で2億3700万円ほどの農林水産品の被害が確認されていると先日報道されていました。

雪害の恐ろしいところは雪が降っている最中ではなく、雪解けとともに被害を引き起こすところです。

棚の上の針金の上に横に伸ばしていくツル性のぶどうの樹。

樹の上までの高さに到達した雪がとける時、下に引っ張られる強い力が働きます。

その力によって針金が引っ張られハウスが壊れたり、針金が樹の上にくい込んで樹を割ってしまったりします。

当園も山あいにある3ヶ所の園地のぶどうの樹が雪で埋もれるほどの積雪でした。

ハウスの骨組みがあると除雪の機械などは使えないため、雪はスコップなどで地道に掘ることしかできず掘り起こしの作業は約1ヶ月にも及びました。

掘りおこせる量やスピードには限度がありハウスを支える太い針金やパイプ、樹を支える細い針金が沢山折れました。

また25本(該当園地内の約7%ほど)の樹が真っ二つに裂けてしまったり、太い木の片腕が取れてしまいました。

樹の割れ目に薬を塗布したりくっつける努力もしていますが今年どれだけのダメージになるかはまだ分からない状態です。

樹の上まで積もると雪下ろしの作業はかなり力が必要であり、生産者の高齢化により雪国の産地の維持の大変さも身にしみました。

話は変わりますが、先日息子が小学校にあがり、その校歌の中に「ぶどうのように ひとみかがやき からだきたえて すくすくそだつ」という歌詞がありました。

ぶどうがこの地に長年根ざしていることを感じ、改めて先人から引き継いだこの産地の産業を担い手として守っていきたいと強く感じました。

幸いにも最小限の被害にとどまっております。皆様に「美味しいぶどう」
をお届けすべく、今後も生産管理に努めてまいります!

(※写真は少し前のものです)
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この投稿をした生産者

山形県 東置賜郡高畠町

oboco grapes