農家直売 鴨のお肉屋さん 加藤貴也の投稿一覧

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私たち最上鴨の飼育は、「鴨にとって本当に快適な環境とは何か?」という問いから始まりました。かつては、自然に近い屋外での放し飼いが理想だと信じていましたが、現実は違いました。

屋外で飼った鴨たちは、常に警戒し、夜も落ち着いて眠れず、次第に体調を崩していきました。鳥インフルエンザの感染リスクや、濡れた地面による足の病気、わずかな音や光によるストレスなど、人が“自然で良い”と思っていた環境が、家禽である鴨たちにとっては過酷だったのです。

野生の鴨は雨にも強く、敏捷に飛び回れるよう進化してきましたが、私たちが育てる最上鴨(チェリバレー種)は、食用に改良された“別の生き物”。その特性に合わせた環境設計こそが、本来あるべき姿だと気づかされました。

だからこそ、私たちの鴨舎は平飼いで、鴨が自由に動ける空間を確保しつつ、静かな音環境、柔らかい床、新鮮な水、そして適切な照明を整えています。

さらに「腸を育てて、鴨を育てる」という理念のもと、黒麹や米ぬか、牡蠣殻などを配合した特製の飼料で、免疫と肉質を高めています。

もちろん、現在の鴨舎にも課題はあります。防疫優先の構造ゆえに自然光が入りにくく、これからは光と安全性を両立させた鴨舎設計に取り組みます。

効率よりも、鴨が穏やかに過ごすこと。その“鴨らしさ”を尊重することが、最終的には美味しさや栄養価へとつながっていく──そんな思いで、私たちは日々の飼育に向き合っています。
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