

私たちは、南八甲田の山麓、標高750mに位置する沖揚平という地域で高原野菜の栽培を行っています。この地は先人たちがブナの林と格闘して切り開いた戦後の開拓地。
新緑や紅葉が山を美しく彩り、冬は一面の銀世界に包まれます。豊かな自然が織りなす雄大な流れに上手く人が寄り添えた時、素敵な野菜が育まれます。
私たちは、南八甲田の山麓、標高750mに位置する沖揚平という地域で高原野菜の栽培を行っています。この地は先人たちがブナの林と格闘して切り開いた戦後の開拓地。
新緑や紅葉が山を美しく彩り、冬は一面の銀世界に包まれます。豊かな自然が織りなす雄大な流れに上手く人が寄り添えた時、素敵な野菜が育まれます。
有限会社サニタスガーデン代表の山田広治です。出身は神奈川県の藤沢市。大学在学中、フィリピンを旅した際に出会った農業に魅入られ、卒業後は青年海外協力隊の一員としてアフリカのボツワナ共和国に赴任し、2年半の間、野菜の栽培指導に当たりました。
帰国後、(株)野菜くらぶの独立支援プログラムでの学びを経て、2002年に独立し、現在に至ります。
青森で就農して17年。「農業が好き」という想いだけで進んできた道でしたが、それだけでは超えられない多くの壁を、数えきれない支えの中でひとつひとつ乗り越えながら歩いてくることが出来ました。
共に喜び合える仲間がいて、共に同じ目標に向かって、自分の好きな農業を思う存分出来ている今をとても幸せに感じています。この農業という世界の中で、より一層の研鑽に努め、食べて下さる方々の食卓の幸福に少しでも寄与できるよう一歩一歩、これからも歩いていくつもりです。どうぞよろしくお願い致します。
ここ沖揚平は積雪が4mにも及ぶ厳寒の地です。長く雪に覆われる為、営農可能な期間は半年しかありません。しかしだからこそ夏場の気候は冷涼で、高原野菜の生育には最適です。私たちはその長所を生かし、レタス、非結球レタス、キャベツ、ハクサイ、トウモロコシ等といった高原野菜を育てています。
野菜の健全な生育には健康な土が欠かせません。その為に私たちは緑肥を中心とした有機物の投入を積極的に行います。有機物は微生物のエサとなり、その分解過程で生成される腐植が、透水性、保水性、保肥力に優れた土を育てます。収穫という形で途切れてしまう循環を補う為、有機質肥料やミネラル肥料の投入も土壌分析に基づき過不足の無いように行います。光合成に必要な水分、生長に欠かせない栄養分、呼吸に関わる空気。
これらがバランス良く保持された土を育て、維持していく事が、野菜の健全な生育を促す上で最も大切な事だと考えています。
雪国の農業者にとって常に悩みの種である冬場の仕事について、様々な可能性を模索する中、私が出会ったのがこの雪室じゃがいもでした。
村の仲間が自家用に雪に埋めていた芋を食べさせて頂いた時の感動は今も忘れられません。
余りの美味しさに心底驚き、どうしてこんなに甘くなるのかを調べたところ、氷温近くで貯蔵をする事で、芋は凍るまいとデンプンを糖に変え、細胞内の溶液濃度を高める事が分かりました。通常5度前後の糖度を雪が10度を超えるまでに高めてくれるのです。
「これだ!」と感じました。雪室じゃがいもは、雪深い青森の冬だからこそ出来る野菜です。デメリットと考えられがちな雪を味方につけた、私のずっと探し求めてきた野菜だったのです。
雪室じゃがいもの取り組みは最初、失敗の連続でした。湿害に見舞われ芋を腐らせたり、疫病の蔓延により壊滅的な被害を受けたり、雪に埋める前、倉庫で保管中の芋を凍らせてしまい全滅させてしまった事もありました。そうした失敗に対しひとつひとつ対策を講じ、改善を積み重ね、ようやく生産を安定させる事が出来るようになってきました。
今年も12月の下旬からじゃがいもを雪室に入れていく予定です。静穏な部屋の中、徐々に芋はその味わいを深化させます。熟成の時を経て皆様にお届けする雪室じゃがいも。
自然、人、野菜。調和が奏でる美味しさをどうぞあなたに。