“見た目じゃない、味で選ぶ魚”──未利用魚の魅力と、おいしい付き合い方

2025/05/23 更新

近年、魚の流通にも“かたち”や“基準”が求められるようになり、味に問題がなくても市場に出回らない「未利用魚」が目立つようになりました。

サイズが不揃いだったり、見た目が個性的だったり、水揚げ量が少なかったりという理由で、出荷されずに破棄されてしまうことも珍しくありません。

今回は、そんな未利用魚が生まれる背景と、いま注目される理由、そして“見た目ではなく、味で選ぶ”楽しさ、さらには家庭での活用方法までをご紹介します。

「未利用魚」って、どんな魚?

私たちが普段スーパーや魚屋さんで見かける魚は、流通にのせやすく、売れやすい種類がほとんどです。

マグロ、サーモン、アジ、サバ──。

こうした“おなじみの魚”に比べて、水揚げされても出荷されない魚たちが数多く存在しています。それが、「未利用魚」と呼ばれる存在です。

未利用魚は、おなじみの魚に比べて味が劣るわけではありません。むしろその多くは、地元の漁師さんや料理人に「これはうまい」と太鼓判を押される魚たちばかり。

ただ、見た目が不揃いだったり、サイズが規格外だったり、知名度が低かったりと、売り場での“説明コスト”がかかるので市場からはじかれてしまうことも。

つまり未利用魚とは、“知られていないだけで、おいしい魚”。それだけに、見つけたときの「こんなにおいしいなんて知らなかった!」という発見の喜びも大きい魚たちなのです。

規格外だからって、おいしくないわけじゃない

野菜や果物でも「訳あり品」として販売されるものがありますよね。たとえば形がいびつだったり、皮に少し傷がついていたり。

そうした“見た目だけ”の理由で値段が下がるように、魚にも同じ構造があります。

  • 全長が市場規格に達していない
  • 体表に擦れた跡がある
  • 水揚げ量が安定しないため継続的に取り扱いづらい

こうした理由で、いくら味がよくても売れない、ということが起きてしまいます。

もちろんそれは“商品としての都合”であって、“味の価値”ではありません。だからこそ、未利用魚には「知る人ぞ知るおいしさ」が眠っています。

“おいしくて、地球にもやさしい”という選択肢

いま未利用魚が注目されているのは、「もったいないから」だけではありません。それ以上に、“これからの食をどう持続可能なものにしていくか”という大きな課題に繋がってるからです。

未利用魚を活用することには、こんなメリットがあります。

  • フードロスの削減:本来捨てられてしまう魚を活かせる

  • 資源の保護:マグロやサーモンなど、一部の人気魚に依存しすぎず、多様な魚を食べることで乱獲を防ぐ

  • 漁師さんの収入安定:今まで値がつかなかった魚にも販路ができる

  • 地域の食文化の継承:地方で昔から食べられていた“ローカル魚”の魅力が再評価される

さらに消費者にとっても、“まだ食べたことのない味に出会える”という楽しさがあり、未利用魚は、単なる代替品ではなく、新しい食体験を広げてくれます。

今こそ味わいたい、未利用魚たち

では実際に、どんな魚が未利用魚として流通しているのでしょうか。

ここでは、食べチョクでも購入できるおすすめの魚をピックアップして紹介します。

         
魚種 特徴 おすすめの食べ方
メヒカリ  小ぶりでやわらかく、旨味が凝縮。骨ごと食べられる  唐揚げ、南蛮漬け 
カワハギ 肝が主役。身はあっさりしていて刺身や煮物に合う 肝醤油で刺身、味噌煮 
アンコウ コラーゲンたっぷり。鍋の王様として有名 アンコウ鍋、唐揚げ 

※水揚げ時期や漁獲エリアにより、取扱いのある魚種は変動します。

これらの魚は、どれも「買ってよかった」「また食べたい」と言われることの多い、実力派の魚たちばかり。オンライン販売では冷凍・下処理済みで届くため、調理もしやすいですよ。

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家庭でも簡単。未利用魚のおいしい楽しみ方

「珍しい魚は調理が難しそう…」と敬遠されがちですが、実は多くの未利用魚は“初心者向け”の調理法でおいしく楽しめます。

おすすめの調理法ベスト4

  • 唐揚げ:小型の魚は骨ごと揚げることで、香ばしさと旨味が際立ちます。

  • 煮付け・味噌煮:味の濃い魚には甘辛い煮汁がぴったり。冷めてもおいしいので、お弁当にも。

  • 炊き込みご飯:切り身をのせて炊くだけ。出汁がしみ込んで、風味豊かな一品に。

  • あら汁・味噌汁:アラや骨も無駄なく活用。出汁がよく出て、体にもやさしい一杯になります。

また、最近では味付きの切り身や干物タイプも増えており、解凍して焼くだけ・揚げるだけという手軽さも魅力です。

まとめ|知らなかっただけの、おいしい出会い

“選ぶ視点”が、食卓と海の未来を変える──。

未利用魚の多くは、「おいしいのに、見た目やサイズのせいで選ばれてこなかった魚たち」です。でも一度その味を知ると、「どうして今まで食べてこなかったんだろう」と驚かされるほど。

「魚の種類は限られている」という思い込みを、少しだけ手放してみませんか?

旬や地域によって変わる多彩な魚たちを味わうことは、食卓を豊かにするだけでなく、漁業や海の資源を未来につなげることにもつながります。

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食べチョクなどのオンライン直販で、下処理済み・調理しやすい未利用魚が手に入ります。「珍しいけど、意外と簡単」な一品を、今日の食卓に。

家族の会話も弾む、“ちょっと特別”な魚との出会いをぜひ。

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