お米の価格変動と生産現場のいまー持続可能な生産のために知ってほしいこと

2025/06/10 更新

2024年から日本全国で続く米価格の上昇と供給不足をうけて、食べチョクは生産現場で起きている変化を把握・発信するため、登録生産者に緊急実態調査を実施しました。

調査の結果、今回の価格上昇に伴い利益の増加を実感している生産者は60%超に上りました。一方で令和6年産米の相対取引価格(※1)の2024年9月時点について約52%の生産者が「少し安い」「とても安い」と回答。

また、酷暑や水不足の影響により、収量の減少や2等米・3等米の割合増加などの変化を感じている生産者もおり、一時的な価格変動ではなく米の持続的な生産に関わる構造的な課題が見えてきました。

こうした背景を踏まえ食べチョクは、現場の声を発信することが、米の持続的な生産について、生産者と消費者双方と考えていくための第一歩になると思い、今回のアンケート調査を実施しました。

<調査結果概要>

■令和6年産の米の供給は逼迫。約34%が増産方針を検討
令和6年産米について、「在庫が逼迫している」もしくは「在庫が無い」と回答した生産者は全体の約85%に上りました。一方で「毎年余っていた米が今年はすべて完売した」と喜ぶ声も多く寄せられています。

■作況指数と比較して42%が「自身の生産量は指数より少ないと感じる」
令和6年産米の生産量について、「農林水産省が発表している作況指数(※2)の『101』と比較して自身の生産量は少ないと感じる」と回答した生産者は、全体の42%に上りました。

理由として挙げられたのは「夏の酷暑や水不足、水温の上昇によって米の品質が低下し、2等米・3等米の割合が増えた」というものです。
作況指数は玄米の数量ベースで算出される指標です。品質低下により等級が下がると、精米時に砕ける米の割合が増え、実際に流通可能な量が減少することも、乖離の一因と考えられます。

■現在の価格は「ようやく適正」という声も。半数以上が「まだ安い」と回答
令和6年産米の市場流通における相対取引価格の平均は、2024年9月時点で玄米60kgあたり22,700円となっています。この価格について「適正」と感じる生産者が約38%、「少し安い」または「とても安い」と感じる生産者が約52%を占める結果になりました。

生産者からは「肥料・燃料・人件費などのコスト上昇は長年価格に反映されてこなかった。ようやく適正価格に近づいた」といった声も寄せられています。

■約34%の生産者が作付面積を拡大予定
米の需要増加をうけて「今後主食用米の作付面積を増やす予定はあるか」という質問に対し、「増やす予定はない」と回答した生産者が約55%となりました。一方で「増やす予定」と回答した生産者は約34%に上りました。手段としては「飼料用米からの転換」や「新たに土地を買い取る」などが挙げられています。

■価格を決定できる直販の割合を増やす生産者が約32%
令和6年産米の販路と令和7年産米の販路(予定)を比較した時、直売所や産直ECなどの直販での米の販売割合を増やす方針の生産者が約32%に上りました。今回の需要の高まりをうけて、安定した収入の確保に向けて販路を見直す生産者も出てきていることがわかりました。

お米のある暮らしをこれからも続けていくためには、生産者と消費者、どちらの立場からも理解し合うことが大切だと考えています。
食べチョクでは今後も、そうしたつながりを深めるための情報発信や取り組みを続けてまいります。

現在、お米にまつわる特集ページの公開や、定期便サービスもご用意しています。
ぜひ一度、ご覧いただければ幸いです。

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■その他の生産者の声(一部抜粋)
・近隣ではどの家も在庫が空になり、今年は張り切って田植えをしています。地域での販売価格は例年の1割増くらいですが、長年売れなかった米が出払い、生産者の表情も明るいです。(群馬県・米生産歴15年以上)

・コロナ禍で売り上げが下がり施設や機械の更新が出来ず厳しい思いをした生産者が多いので、価格が上がることはとても助かります。ただ、価格が上がり過ぎて米離れに繋がるとまた価格が暴落してしまうのではと心配しています。(長野県・米生産歴20年以上)

・今まで米はあって当たり前で、価格も長年同じでした。しかし、米の生産コストである資材や機械の高騰で、農家の所得は減少しています。本来5kgあたり3500円以上はないと持続的な生産は厳しい状態です。後継者の育成のためにも理解してもらえると嬉しいです。(山形県・米生産歴10年以上)

・購入する側も、栽培する側も、お互いが持続可能な関係づくりを意識していただけるとありがたいです。ただ安くなってほしいとか、高くしないと生産者が続かないとか、片側の利害だけを強調しても解決せず、互いの状況を理解することが必要だと感じます。(北海道・米生産歴5年以上)

・米不足の中、今年から米作りをやめる生産者が周りに多いです。昨今の夏の暑さは過酷で、草刈りや水管理など今までできていた作業が危険な作業になってきたことも理由の一つだと感じます。(愛知県、米生産歴20年以上)

(※1)相対取引価格とは、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの出荷団体と卸売業者との間で、主食用米を取引する際の価格のこと

(※2)水田10a当たり平年収穫量(平年値)を100とした時の、その年の収穫量を示す指数のこと

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