肥料を与えないことで、植物は自分で養分を探して根を深く張ります。根っこは植物にとって生命の源です。その根っこを深く張ることで、生命力に満ち溢れた強い野菜が育ちます。野菜が強ければ、虫や病気にも負けないので農薬は必要ありません。
肥料成分の中で、植物の体を作るのは窒素です。しかしそれを過剰に吸収すると消費しきれなかった窒素が植物の体に溜まり、不健康になってしまいます。虫がつきやすく、病気にもなりやすく、エグみが増え味が悪くなります。収穫後の日保ちも良くありません。
当農園の野菜は余計な窒素を吸収することがないので、エグみが無く、本来の野菜の味がします。
命をつないでいくこと。それが生き物の大きな役割だと思っています。野菜も他の植物と同様、その命を全うすると種を残します。この種を大切に採り、次の世代へつなぎます。自家採種を繰り返すと、作物はだんだんその土地に馴染んでいき、強く、おいしく育ちます。
種の種類で、在来種、固定種、F1品種、などという言葉を聞いたことがあるでしょうか?大雑把にいうと、在来種や固定種は、今年種を採って来年蒔いて育てると、だいたい同じような性質を受け継いだ植物が育ちます。F1品種は、異なる固定種の掛け合わせで、今年採った種を来年蒔いて育てても、隠れていた性質が出てきて、様々な性質を持った植物が育ちます。どちらの種が優れているということも無いのですが、当農園では品質の維持・向上のしやすさから在来種や固定種を育てることがほとんどです。