ハウスの中で育つ「まどんな」が、ぐっとオレンジ色に近づいてきました。
右に写っているのはせとかです。
2月収穫なのでまだ緑が残っています。
つい先日まで、少し黄緑を残したあの若々しい表情だったのに、ここ数日で果皮のツヤと張りが一段と増し、「あ、いよいよだな」と感じる瞬間が増えてきました。
まどんなは、とろけるような食感と華やかな香りが魅力の品種。
その分、木の力をどこまで引き出せるか、枝の伸び方や葉の厚み、果実の光の当たり方など…細かな観察が欠かせません。
父と一緒に畑を歩きながら、
「この木は今年、実が乗り切ったな」
「こっちはもう少し樹勢を戻してやらないと」
そんな会話を交わしつつ、一本ずつ、果実の表情を見ています。
色づきは十分でも、中の味が追いついていなければまだ早い。
逆に、味が乗っていても皮の締まりや果汁のバランスが整っていなければ、最高とは言えません。
“収穫の瞬間”は、数値やカレンダーではなく、果実そのものに教えてもらいます。
今年のまどんなも、良い仕上がりになりそうです。
ハウス内は昼夜の寒暖差がほどよく働き、果実の呼吸が穏やかになることで、甘みと香りがぎゅっと閉じ込められています。
もう少し。
もう少しだけ、木の上で待たせてあげる時間。
そのわずかな数日が、味わいに大きな差を生みます。
ご予約いただいている皆さま、
どうぞ楽しみにお待ちくださいませ。
「いちばんおいしい瞬間」を逃さず、丁寧に、そして慎重に収穫してまいります。