

京都市大原で新規就農3年目、平成元年生まれの小山億(こやまみつる)です。化学農薬、化学肥料を使わず、出来る限り固定種や伝統品種を育成し、出来る限り自家採種した種を使い野菜を生産しています。
京都市大原で新規就農3年目、平成元年生まれの小山億(こやまみつる)です。化学農薬、化学肥料を使わず、出来る限り固定種や伝統品種を育成し、出来る限り自家採種した種を使い野菜を生産しています。
昨今は一代交配種(F1)の種を買う人が大半で、自分で種を採る人は少なくなっています。ですが、自分で種を採る事により愛着が湧き、野菜自らが地元の気候に適応する事により元気に育つようになります。種取りをすると生育のスピードや形が揃わなかったり、種が出来るまで長期間畑に置いておかなければならないといったデメリットはありますが、良い種を後世に残すという使命を忘れてはならないと私は思います。
野菜の味の決め手は大きく分けて3つです。旬、鮮度、品種。他にも肥料や調理方法、食べる環境で変わりますが、やはりこの3つは大きな割合を占めます。
我がむすひ農園は、夏にほうれん草、冬にトマト、といった無理矢理な栽培はしません。本来野菜が輝ける旬を大切にします。
鮮度は本当に重要です。鮮度が悪いと味や匂い、食感も悪くなります。農家直送なら鮮度も保たれるでしょう。
今の品種は美味しいものも多いですが、中には見た目だけを重視して味が悪かったりする品種も多いです。運送に耐えられるように皮を硬くしたトマトや胡瓜、味のしないレタスや小松菜。私はそういった見た目ばかりの野菜は作らず、昔からある美味しい伝統品種や固定種を栽培します。
私自身、体に入れたくないものは使いません。今の農薬はとても安全だと思います。しかしそれは食べる人にとってです。農薬を使って害が出るのは農家です。私は自分の体を大切にします。
化学肥料はとても便利なものです。もはや無くては現代の人工を支えられません。ですが私は化石エネルギーを沢山使って作り出す化学肥料は持続不可能な気がしています。環境負荷の少ない有機質肥料を上手に活用することが大切だと考えます。
私自身貧困の家庭で育ちました。福島県の会津若松市という城下町で生まれ、幼少期はそれほど不自由なくしていたのですが、私が小学校高学年の時、父の経営していた飲食店が倒産、家を差し押さえられ暮らしが一変します。その影響も少なからずあり、私は中学校をほとんど通わず登校拒否で家に引きこもりました。高校は最底辺の所へ通い、無理矢理行った大学は学費が支払えず中退。様々なアルバイトを経験して農家になりました。お金とは一体何なのかをよく考えます。何処へ集まり何処から持ち去られるのか。貧富の差は今後益々拡大するでしょう。社会のシステムがそうさせているのでしょうが、複雑になりすぎて分からなくなります。しかし農業は単純です。野菜を作って売る、ただそれだけです。そこに魅力を感じました。この仕事を始めてからストレスは無くなり体も健康そのものになりました。風邪すら数年に1度といった具合です。
ファストフードで食事をする事の多い学生や単身男性、シングルマザーや今後子供を産み育てる若い女性に、心と体がより健康になってもらいたいと思って野菜を作っています。なるべく価格を押さえる努力をいたします。