ニワトリノニワ

高知県 四万十市竹島

ニワトリノニワ

日本の食糧自給率低迷を解決したいとバイオ産業から農業を始めました。中でも畜産、とりわけ養鶏は飼料自給率10%程度と低迷しております。従ってなるべく国産のエサ、更にストレスが少ないと思われる過密の反対の飼育をしているため高い卵になってしまいますが食品は安価な方が良いとは考えておりません。四国に来たのは四国八十八ヶ所霊場を歩き遍路した経験からお接待のお礼をしたいと思いました。

さて、以下長くなりますが農業についての考え方を詳細に書いておきます。

【未来に残す農業について】

震災・パンデミック・食糧難など有事の際、また100年先に日本の農業を継続させるには二つの大きな課題がある。一つは農業人口の問題。もう一つはエネルギーや飼料・肥料の自給率の問題である。

一つ目の農業人口の問題に対して政府の対策はほぼ新規就農者への直接補助、またそれを受け入れる法人への支援という安易な方策だけである。が、いずれも全く効果を上げておらず私が就農した2011年から年平均約8万人順調に減少しており2019年で140万人にまで減少した(※いずれも自営農)。農業生産効率が低過ぎることに原因がある。

サラリーマンの平均時給2453円に対し農業従事者の平均時給は873円である。この格差を何とかしない限り減少を食い止めることはできないだろう。私の考えるあるべき姿は農産物を国が全て然るべき価格で買い取り基本的な食べ物は全ての国民にベーシックインカムとして配布。そうすれば農産物が価格競争に巻き込まれず農家に一定の所得が保証される。農業従事者が圧倒的に増えると予想される。

もう一つの、農業におけるエネルギー・飼料・肥料自給の問題。まずエネルギーと肥料の問題。これは農業人口が少ないから機械や無駄な肥料投与に頼らざるを得ないのであって農業人口が増えれば自ずと解決(軽減)に向かうハズである。

次、飼料自給の問題。これは我々が取り組んでいる。畜産全体で27%程度。中でも採卵養鶏は10%程。飼料の国産化を目指すなら生産数を減らさねばならない。卵の価格は上昇し気軽に卵が食べられなくなるだろう。でもそれで良いのではないか?

更なる解決策としては畜産の中で養鶏(採卵・肉用)が最も飼料効率(生産物/飼料)が良いことから牛豚など飼料効率の悪い家畜から養鶏への移行を進める。タンパク源として肉は食べられなくなるが1個の生命体として完全なバランスを持つ卵は食べられるようになる。

単純に持続可能な循環型農業を目指すなんていう夢のようなスローガンを掲げるだけでは日本の農業を100年先に残すこと、つまり安心安全な食べ物を未来の子供たちに残すことはできないのである。


【SDGs:アニマルウェルフェアについて】

我々は100年後も継続する農業を思い描いた際、疫学的観点から近代農業の作る未来は非常に危ういと考えました。

その理由は、例えば近代養鶏は生産効率を追求しニワトリを卵の生産ロボットとして捉えていることにあります。

その考え方が工場内での過密飼育になり、故障を防ぐため抗生物質の投与・ワクチンの定期接種になるのです。

しかし細菌やウイルスの進化は人類の想像以上に早いのです。抗生物質で抑え込めるのは一時の話。すぐに耐性菌ができ、蔓延する。

人類がようやくワクチンや薬を開発した時には既に新しい変異ウイルスができている。従って新たに変異したウイルス、例えば今冬猛威を振るった新型の鳥インフルエンザなどには無力なのです。

このことは農薬を使用する農業全般にも同じ。もっと言えば薬やワクチンで病気を防ごうとする人類に対しても同じ。現在人類を脅かしている新型コロナウイルスにも同様なのです。

このような、人類の傲慢さの代償とも言える現象が起こっていますが、宇宙が生み出し35億年かけて進化した生命は本来、非常に精巧な仕組みを備えています。

それが自己免疫力です。免疫力の優れた点は薬と違って変異するウイルスなどにも適応する能力を備えていることです。

その免疫力を向上させるのは良く知られているように適度な運動と日光浴です。適度な運動が免疫細胞を増殖させ、日光浴が免疫力をサポートするビタミンDを体内で作り出すのです。

この考え方から我々は100年先も続く農業の一つとして放し飼い養鶏を選択し、同時に家畜の健康を第一に考えるアニマルウェルフェアの方針に合致するものでした。