【食べチョクアワード2024 ~未来につなげる~】能登半島地震から1年➖ 石川県能登町の生産者ハルサさん特別インタビュー #2

2025/09/18 更新

食べチョクアワード2024の特別インタビューとして、昨年発生した能登半島地震で大きな被害を受けた生産者「ハルサ」の坂本さんにインタビューを行い、この1年の歩みと、未来への想いをうかがいました。

食べチョクアワード2024

2024年に食べチョクを通じて販売いただいた生産者の中で人気があった生産者さんを表彰する「食べチョクアワード2024」。今年で5年目となる2024年の食べチョクアワードでは、「未来につなげる」というテーマを掲げました。このテーマには、生産者とお客様がともに農業や地域社会の未来を築いていくという願いが込められています。温暖化や自然災害といった厳しい現実に直面する中で、私たち食べチョクは、未来への希望を見つけて一歩一歩前に進む力を信じています。

石川県能登町 ハルサ 坂本さん

ハルサの坂本さんは、石川県の能登町でかぼちゃやブロッコリー、じゃがいもなどの野菜を生産しています。能登で育ち、一度上京した後、能登町に戻ってきてからは青年会議所で理事長を務めるほど、人望がとても厚い方。食べチョクとしては、5月末にスタッフが現地でボランティア訪問をさせていただき、7月には収穫できたじゃがいもを食べチョクユーザーにお届けしました。
震災から1年、能登町で農家を続けているハルサさんは、いま、どのような状況かー。坂本さんにお話をうかがいました。

能登半島地震から1年。あの時は。

改めて、能登半島地震の直後、どのような状況でしたか?

坂本さん:2024年1月1日に起きた能登半島地震では、自宅も農地も大きな被害を受けました。農業用水が止まり、さつまいもやブロッコリーの栽培に深刻な影響が。酪農を営んでいた親も廃業を余儀なくされ、家族全体が困難に直面しました。

震災直後は道路が寸断され、地域全体の物流も滞ってしまった。農業だけでなく、日常生活に必要な物資の確保も難しくなり、多くの住民が一時的に避難することを余儀なくされました。

家族は金沢に避難しましたが、私は能登に残ることを選びました。農業を諦めるわけにはいかなかったんです。
実際、2月から3月にかけて被害が最も深刻で、農業をする気力が湧かない日々が続きました。それでも、作物の成長は待ってくれない。農業には締切があるんです。作業を続ける中で少しずつ前向きな気持ちになることができ、「農業をやっている時間が唯一の救い」でもありました。

能登は今。あれから1年経っての変化。

震災から1年が経ちましたが、坂本さんの中でどのような変化がありましたか?

坂本さん:当然、被災直後からは復興状況は良くなってきています。
道も復旧してきており、水道も戻り始めている。復興にあたって頑張ってくれる方々、いろんな人たちの力があって前進しています。

ただ、この1年は本当に多くの変化がありました。震災後、能登6市町で6500人ほどの住民が地域を離れました(12月時点)。これは穴水町の人口に匹敵し、その人口流出の急激さがわかるかと思います。戸籍上は残っていても、実際に住んでいる人がいない状況が広がりました。地域の学校にも影響が出ていて、高校では生徒数が半分近く減少し、小学校では3割以上の生徒が移ってしまいました。特に子育て世代にとって、厳しい環境が続いています。

地元の農家仲間が撤退を決断する中、私自身も迷いがありました。しかし、「能登で農業を続けることが未来につながる」と考え、作物を育てることに集中しました。水が十分に来ない中でも、さつまいもやとうもろこし、ブロッコリーを育てる工夫を続け、比較的水を必要としないかぼちゃやじゃがいもに切り替えるなど、可能な範囲で農業を続けました。地域の支えや応援がなければ、続けられなかったと思います。

今でも残る、あの日の傷あと(24年12月撮影 ※坂本さん提供)

食べチョクが実施した”応援チケット※”は坂本さんたちにとって役立ちましたか?

坂本さん:はい、本当に大きな力をいただきました。約200万円の支援金で農地やインフラの修繕ができたほか、地域住民への家庭菜園支援も行いました。例えば、高齢者が家庭菜園を再開できるよう、肥料や種を無償で提供しました。その結果、地域の人々が再び農作業を通じて活気を取り戻すきっかけになりました。
また、支援者の皆さんからいただいた温かいコメントが特に励みになりました。「頑張ってください」「応援しています」といった言葉が、私たち家族や地域の人々の大きな支えになりました。これがなければここまで頑張れなかったと思います。

※食べチョクでは、令和6年能登半島地震 生産者支援プログラムを実施し、”生産者応援チケット”を販売しています。販売する商品が無い方などの支援を目的に、1口500円・5,000円の応援チケットを販売しています。食べチョクがいただく手数料は無料で、決済手数料を除く全額が生産者に支払われます。

▼能登半島にむけて支援物資を送付
https://www.tabechoku.com/feature_articles/202401-earthquake-support01

▼応援チケットを開始し合計でハルサさんには約200万円の応援金が集まった
https://www.tabechoku.com/feature_articles/202401-earthquake

▲応援チケットの寄付の一部を使って地域に寄贈される種芋。 (ハルサさん提供画像)

未来につなげる想い。「当たり前」とは。

“未来につなげる”に、どんな想いがありますか?

坂本さん:僕自身、被災者だからこそ「まずは、生きること」が一番大事だと感じています。そのうえで、地域を未来につなぐため、次の世代に何を残せるかを常に考えています。
年に1回、ましてや半年や3か月ごとに災害が起きるような現状の中で、能登では水道や下水が壊れ、豪雨の影響も重なって、これ以上ないほど悲惨な状況が続きました。正直なところ、諦めたくなる気持ちも分かります。でも、それでも「当たり前に農業で野菜を作っていること」が、未来をつなぐために重要なんです。

苦境にあっても農業を続けている人がいる。それが地域のモデルケースとなればと思っています。私は今、「引いてたまるか」という気持ちでやっている。環境の変化は毎日起きていますが、自分がどう未来に繋げるかを考え、これまでやってきたことを続けることが大切だと信じています。

何かのせいにして辞めるのは簡単です。成果がすぐに上がらなくても、それでも続けていくことが重要です。畑にいるときは自分だけのように感じることもありますが、家族や地域、会社の支えがあると感じています。
能登は地震で大きな被害を受けましたが、それでも「当たり前の毎日」を取り戻すために努力しています。それが未来につなげる力になると信じています。


坂本さんは「前を向く」といつもポジティブで真っ直ぐな方です

インタビューを終えて〜 応援チケットのご購入・ご支援のお願い

坂本さんの言葉には、「当たり前のように農業を続けること」へ込めた覚悟の強さが溢れていました。常に前向きであり、うしろは向かない。ポジティブでい続けることは大変ですが、坂本さんはそうすることで家族を守り、周りの人々を支えています。
地震だけでなく台風や豪雨、猛暑にも見舞われる日本。

食べチョクは災害を防ぐことはできませんが、生産者さんとお客様を結びつけ、支援の輪を広げていくことができます。そして、その支援が生産者さんの「続ける選択」に繋がっていくのであれば、これ以上の喜びはありません。だからこそ、しっかりと一次産業の生産者さんに寄り添いサービス提供できる、私たち食べチョクの「災害支援」をこれからも探って参ります。

能登地震から1年。まだまだサポートは必要です。
被災された生産者さんの未来に向けて、応援していただけると嬉しいです。

・被災された生産者さんに寄付ができる応援チケット(500円/5,000円)
・商品を購入することで1注文あたり300円生産者さんに寄付を行える寄付商品

【令和6年能登半島地震】被災生産者応援


食べチョクは、自然と共生する生産者に心から敬意を表するとともに、こだわりをもった生産者の挑戦を今後も応援してまいります。皆様のご支援のほど、よろしくお願いいたします。

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