【食べチョクアワード2024 ~未来につなげる~】食べチョク主催品評会「グランプリ」総合大賞がもたらす未来!トップに輝いた生産者が描く「次の一手」とは? #3

2025/01/10 更新

食べチョクアワード2024の特別インタビューとして、昨年実施した食べチョク主催の3つの品評会「グランプリ」の総合大賞を受賞した「かがやきいちご園」齋藤さん、「NAKAO FARM」中尾さん、「小野桃園」小野さんの3名に、食べチョクスタッフがお話をうかがいました。

食べチョク主催品評会「グランプリ」

食べチョクは、品目の魅力と生産者の取り組みを発信することを目的とした品評会「グランプリ」を昨年から実施しています。品目に関する知見を持った研究者・生産者・消費者等の審査員が評価し、全国で特に質の高い栽培をしている生産者を食べチョクが表彰するイベントです。

2024年には、1月いちご博2024 に始まり、3月 アスパラグランプリ 、7月 全国桃グランプリ を立て続けに実施。味だけでなく、お届け時の梱包などの観点で特に評価が高かった生産者が金賞を受賞し、その中でも最も優れた生産者に「総合大賞」が贈られました。

グランプリ総合大賞 特別インタビュー

総合大賞を受賞した生産者の方々は、全国から注文が殺到したり、テレビをはじめとしたメディアに取り上げられたり、県知事から直々に祝福されたり・・と、大活躍の1年になったとのこと。食べチョクでもファンが急増し、新しいお客様との出会いがたくさんあったとのことでした。受賞によりどんな反響があったのか。そして次なる挑戦として何を描いているのか。トップの栄冠を手にしたからこそ見られた景色とは?

グランプリ総合大賞受賞!登場する生産者さん

画像左より:
① いちご博2024 総合大賞 受賞
群馬県 伊勢崎市「かがやきいちご園」齋藤 大輝さん

② アスパラグランプリ 総合大賞 受賞
佐賀県 武雄市「NAKAO FARM」中尾 太輔さん

③ 全国桃グランプリ 総合大賞 受賞
山梨県 山梨市「小野桃園」小野 晃良さん

総合大賞受賞、想像を超える反響

まず、グランプリの総合大賞の反響はいかがでしたか?

全員)それはもう、めちゃめちゃありました!

かがやきいちご園)まず、食べチョクでの注文が爆発的に増えました。受賞前は日に2-3件の注文が入るくらいでしたが、受賞後は日に100件ドンと。今日も100件、次の日も100件みたいな感じでしたね。それまでやっていたように全て日付指定で対応することもできず、少しずつ出荷を中断して予約注文に切り替えたり、注文の取り方を変える必要もありました。

小野桃園)私のところも伸びました。桃は収穫期間が短い品種だと1週間程度と、とても短いんです。だから、受賞した時には品薄になってしまいました。受賞をした後の対応を考えないといけないなと、思いましたね。

それはすごい反響ですね!NAKAO FARMさんは、昨年のグランプリの受賞をきっかけに、初めて食べチョクにアスパラガスを出品いただいたんですよね?

NAKAO FARM)そうなんです。それまでは、私の知っている方に、実際に畑を見てから買っていただいていましたから。インターネット販売というと、どこか冷たいというか、機械的に注文が入ってくるようなイメージがあったんです。しかし、食べチョクに登録すると驚きました。お客さんがとても優しいんです。コメント欄でも優しく気遣っていただいて、私の顔も知らないのに何度もリピートして買ってくださる。さらに驚いたことに、10年20年と連絡をとっていなかった友人からも連絡がありました!生まれ育った埼玉県を離れて、父の実家の佐賀県で農業を始めた話を周りの友人にもしていなかったものですから「ネットで名前を見たよ」と驚かれました。いや本当に私も驚いて、悪いことしていなくて良かったなと思いましたね(笑)

ご友人や身近な方の反応は嬉しいですね。

小野桃園)私の場合、先代の父がすでに農園の現場から離れているのですが、グランプリの受賞のニュースを地元山梨の新聞で読んだようで、それはもう喜んでいました。やはり、身内ではない第三者からの評価が嬉しかったんでしょうね。

かがやきいちご園)私たちは、総合大賞の連絡を受けたとき、パートの従業員の方々が泣いて喜んでくれたんですね。自分たちの努力が実って受賞したんだと。自信というか、ここにいる意味を感じてくれたようです。チームの団結も深まりました。

小野桃園)「自信」つきましたね。生産者として周りから認めて頂いたんだと。注文をいただくことも嬉しかったですが、自信がついたことも大きかったです。

NAKAO FARM)私のところには、うちの畑が見たいと、関東や関西をはじめ全国のアスパラ農家から問い合わせをいただきました。人に教えるためにやってきたわけではないんですが、やり方を隠す必要もないので、自分のやっていることをお伝えしています。これからアスパラ農家になりたいという方もいらっしゃいましたね。

全国的に認められた「こだわり」に迫る

全国から同業の生産者さんが見に来るくらい、皆さんの「こだわり」は注目の的だと思います。今日はそのエッセンスをうかがえませんか?

NAKAO FARM)一言でいうと「基本に忠実」です。アスパラが欲しがっているものを与えられるように、光や水、栄養素などに気を配るということです。例えば、収量を増やすために肥料をたくさん与える慣行栽培もありますが、私の場合には、少量だけど植物に必要なミネラルを与えるために、その土地にあった有機物を活用するのが一番だと思っています。稲作もやっているので籾殻を使うこともあるのですが、運搬だったり処理だったり、手間も時間もかかるんですね。それらを惜しまずにできるかどうかが、美味しさの秘訣だと私は思います。

小野桃園)桃は木が親で、桃の実が子どものようなイメージですね。私は、その木の管理をする役割なわけです。木がもともと持っているポテンシャルを発揮したとき、その品種の特徴である甘さだったり酸っぱさが引き立てられます。そうすることで、好みは人それぞれですが、その品種が好きな方にヒットするわけです。木の環境を整えるために、畑や土、微生物の状態に気を配っています。

かがやきいちご園)綺麗・美味しい・安心安全ないちごづくりを心がけております。例えば、気温や湿度、二酸化炭素濃度・土中水分量などを日々調整することで、光合成効率を上げて、よりきれいな果実づくりに繋がります。

栽培に加えて、販売にも「こだわり」を持たれていますね。

かがやきいちご園)私は大手食品メーカーに勤めていたときの経験も活かして、お客さんの視点を重視した商品企画をしています。トレンドも踏まえながら、どのような素材やパッケージが喜んでいただけるのか。食品メーカーの時にはコンビニの商品企画もやっていましたが「こういう観点が揃っていないと商品企画できないよね」という重要なポイントがあるんです。それをいちごの販売にもそのまま活用しています。ちなみに、同梱物も今後さらにパワーアップしようと思っています。こうやって、生産者の意識が変わって、生産者同士でも競争によって刺激しあっていくことは、お客さんにとっても良いことでしかないですよね。

小野桃園)生産者がこだわりを持って作って、それを価格に適正に反映することも重要だと思っています。私は農家で育ったので、生産の苦労が価値に反映されていない様子を子どもの頃からよく見てきました。そうすると、どうしても他の産業の方が魅力的で、最初は農家を継ぎたくなく、サラリーマンや留学も経験しました。しかし、他業界の経験によって視野が広がった今は、農業から逃げるのではなく、攻める方がかっこいいなと思って取り組んでいます。これから農業が産業として良くなるためにも、適正な価格で販売して、それが農家や資材メーカーなど産業全体に還元されていく流れを生み出す必要があると思うのです。

トップの栄冠... その次は?

こだわりが評価されて総合大賞に輝いた皆さんが、次に何にチャレンジされるのか、とても気になります。2025年の抱負を教えていただけますか?

かがやきいちご園)受賞後「総合大賞のいちごはどんなものか」というコメントも増えて、期待値が上がったことを感じました。出品する緊張感が上がりましたね。その緊張感は全てプラスに働いています。総合大賞をとっているんだから、より良いものをお客さんに届けようという思いが一層強くなりました。また、創業して3年ですが、来季はビニールハウスを増やして生産量を拡大することにしました。受賞がなかったら、このタイミングで拡大しようとは思わなかったでしょうね。総合大賞の受賞によって拡大した認知や期待を裏切ることなくパワーアップすることで、ファンや売上の拡大に繋げる年にしたいですね。

今年の食べチョクアワードのテーマは「未来につなげる」です。

NAKAO FARM)アスパラは多年生の植物なので収穫が始まると同時に翌年の栽培について考えはじめます。また、有機物をうまく使って育てようと思うと、3年後の土づくりを考えるんですね。つまり、将来を考えながら今から準備して、常に現在と未来を行き来しながら作業をするわけです。今年のアスパラも楽しみにしていてください!1年前、3年前から仕込んだ未来をお届けします。

小野桃園)未来につなげるということは結局は「人」が繋いでいくのだと思います。農業の担い手の平均年齢が70代に迫る今、私はまだ駆け出しともいえますが、自分のことを考えつつ、同時に将来に繋いでいく「誰か」のことも考える必要があるのです。繋ぐ際に、過去の踏襲ではいけないと思うので、まずは失敗を恐れずに素早くチャレンジをしていくこと。温故知新のように、良いものは引き継ぎつつ、時代にあわせた農業に変えていきます。そして、それを誰かに共有することです。挑戦と共有、それを繰り返すことで未来につなげたいと思います。

結びに

今回は、グランプリ総合大賞を受賞した3人の生産者さんにお話をうかがいました。受賞の反響を糧に、さらにお客さんや栽培に真摯に向き合い、ますますパワーアップするぞ!というエネルギーに溢れていて、お三方ともとても輝いていました。
このような生産者さんとともに、より良い商品と体験をお客様にお届けできるように、そして一次産業の発展に貢献できるよう、食べチョクスタッフも一層励みたいと気持ちを新たにしました。今後とも、応援をよろしくお願いします。

かがやきいちご園さん、NAKAO FARMさん、小野桃園さんの商品が気になった方はぜひ購入いただき、そのこだわりを肌で感じてみてください!

生産者さんの商品はこちら

①かがやきいちご園
予約受付中:【いちご博総合大賞】新鮮完熟やよいひめ(約400g)
https://www.tabechoku.com/products/177161

②NAKAO FARM
今年は3月中旬以降に出荷予定!
2月中旬にブログを更新予定のため、生産者ページよりフォローをお願いします。
https://www.tabechoku.com/producers/29467

③小野桃園
予約受付中:【2025年先行予約】🏆桃グランプリ総合大賞受賞🏆次世代の王に君臨する市場に0.01%しか流通していない超希少桃『黎王』お試し約1㎏3個入り
https://www.tabechoku.com/products/247713

次回「いちごグランプリ2025」について


食べチョク主催品評会、次回は「いちごグランプリ2025」。発表は2025年2月4日予定です。どんな生産者さんのこだわりいちごが受賞するか、ご注目ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000298.000025043.html

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