空洞庵の投稿一覧

お茶は保存容器によって味が変わります。

だから保存する素材について、もっとこだわろう!とこれまで2度ほどお話ししてきました。

「茶筒を使ってお茶をもっと楽しんでみませんか?」
茶筒の色々(2枚目)


「茶文パッケージの挑戦~美味しさを求めて~」
(1枚目)

一つ目の記事で木製は木の個性が出るし、金属製(錫、銅)はお茶の味への影響は良い意味で少ない、そうお伝えしていました。

ですが、3か月以上に渡って保存しておく場合は、金属製である錫や銅がおすすめです。

3か月以上、木の茶筒で保存しておくと、香味において”木”らしさがかなり出てきます。

一方、錫や銅はそういったことがなく、変わらず”お茶らしさ”を保存してくれます。

茶人である中島庸介氏も著書「煎茶道」の中で「茶入は錫製を第一とする」とあります(3枚目)。



だから、錫や銅がおすすめです。

また「本当に茶筒で味が変わるんかい?」

そう思われる方も多いと思います。

今、広く一般に作られているお茶は、いわゆる”肥料”を用いて味を作っています。

肥料を使用したお茶の味というのは肥料成分が変化したものです。

そのようなお茶の保存の肝は、「いかに肥料による味成分を劣化させないか」ということです。

肥料による味成分は、パンチが効いているため保存容器の素材の影響は受けにくく、茶筒による味変化を感じにくいのだと思います。

またこのようなお茶は、酸素による劣化が起こりやすいです。
茶筒で保存するよりも空気を抜いてあげられるチャック付きの袋の方が相性が良いかもしれません。

一方、空洞庵の作る煎茶は肥料を使わないので、酸素による劣化が起こりにくい。

そして繊細な味のため、保存容器の影響を受けてしまうのです。

ゆえに、保存方法にもこだわってほしい!

錫や銅など金属製の茶筒をおすすめしています。

茶筒は京都の開化堂さんが有名ですが、あそこまで高級でなくても良いと思います。

中蓋がピタッとスッと閉まれば十分です。

お茶作りは、農家や茶商の世界にのみ深い世界が広がっているわけではありません。

皆さんのご家庭にも深い深い世界が広がっています。

一緒に美味しいお茶を探求していきましょう。
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秋新茶、販売の御案内です。お待たせいたしました。
「煎茶 入嶋'22」
梅ヶ島の入島の在来茶を農薬・肥料を使わずに育て、敷草をして手摘みをしました。蒸は浅蒸しです。
在来茶の香りや味をまるごと楽しんでいただきたいため、葉と茎は分けていません。



このお茶は、静岡の茶問屋で育った私が「めっちゃ美味しいお茶を飲みたい」と思い作り始めたお茶です。江戸時代のお茶作りを目指しています。

6月上旬には仕上がっていたのですが、なぜ秋から販売なのか、ご説明いたします。
茶の湯には、春にできた新茶はすぐには飲まず、秋から飲み始めるという慣習がありました。いわゆる口切の茶事です。
「美味しいお茶をのむこと」に徹する茶の湯が、訳の分からぬことをするはずがない、と思い真似してみたのが、秋に新茶と称し販売する理由です。

実際、秋まで寝かせてみてどうだったのか。
荒茶の状態で試飲をすると、このお茶がとても美味しい可能性を秘めていました。荒茶独自の青臭さの向こうに、とんでもない味と香りを感じたからです。
青臭さだけを取り除こうと薄く火入れをしましたが、なんと出来上がったお茶は味も香りもありませんでした。
火によって飛んで行ってしまったのか、それともやっぱり無肥料だから味がしないのか、その時は落ち込んでいました。
とりあえずそのまま寝かせ続けました。結局夏の間、味はなんの変化もありませんでした。
しかし、11月間近になると、香りと味がありました!!それも在来の梅ヶ島独自の味わいで、香りも身体の中一杯に広がるような心地よいものです。

満を持しての販売です。
「煎茶 入嶋'22」
内容量:20g

秋新茶の販売、まだまだ続きます。お楽しみに。
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この投稿をした生産者

静岡県 静岡市梅ヶ島地区

空洞庵