埼玉県オリジナルいちご品種特集①|驚くほどの甘さ。いちご界を席巻する埼玉ブランド「あまりん」をもっと好きになる
今、日本のいちご界で最も注目を集めているであろう品種をご存知でしょうか。その名は、埼玉県が生んだ「あまりん」です。一過性のブームにとどまらず、プロの料理人やバイヤー、美食家たちからも高く評価され、全国的ないちごコンテストでも圧倒的な実績を重ねています。
今回は、あまりんがなぜこれほどまでに人々を魅了するのか、栽培に情熱を注ぐ生産者のリアルな声から紐解きます。
お話を伺ったのは、ストロベリーハウス細田さん(埼玉県さいたま市)、久米原農園さん(埼玉県本庄市)です。
全国が認めた「あまりん」の圧倒的受賞歴

あまりんの実力を語る上で欠かせないのが、近年の主要なコンテストにおける驚異的な受賞歴です。その存在感は、もはや「独走状態」と言っても過言ではありません。
- 全国いちご選手権(日本野菜ソムリエ協会主催)
2023年の第1回から、2025年の第3回まで3年連続であまりんが「最高金賞」を受賞。全国数百品の頂点に立ち続けています。 また、第1回から第4回までの全てにおいて、受賞品種の中では、 あまりんが最多の受賞数を記録しています。- お客様が選ぶ!! 全国いちご選手権(コロンバン主催)
一般消費者の投票で決まるこの大会では、秩父市の「ただかね農園」のあまりんが4連覇(2022-2025年)を達成。プロだけでなく、食べる人すべてを虜にしています。- 食べチョクいちごグランプリ
2026年にも三郷市「TN farm」のあまりんが最高金賞を受賞。最新の評価でもその勢いは衰えません。
「あまりん」とはどんな品種ですか

「あまりん」は、埼玉県農業技術研究センターが長年かけて開発し、2016年に誕生した埼玉県オリジナルのいちご品種です。
この可愛らしい名称は、秩父市出身の落語家・林家たい平師匠によって命名されました。
最大の特徴は、非常に高い糖度と、それを支える適度な酸味のバランスです。
一般的ないちごの糖度が10〜12度前後とされる中、あまりんは15度以上を記録することも珍しくありません。
「ストロベリーハウス細田」の細田さん、「久米原農園」の久米原さんはどちらも、「甘さばかりが注目されがちですが、きちんと酸味があり、味に立体感があるのが魅力です」と口をそろえます。
また、スイーツの素材としても、百貨店やケーキ店などからの信頼も厚い品種です。
無名からブランドへ。あまりん普及の舞台裏
現在でこそ高い知名度を誇るあまりんですが、誕生当初は決して順風満帆ではありませんでした。埼玉県はいちごのイメージが強い産地ではなかったため、販売面では苦労が続いたといいます。
久米原さんの農園では、もともと「とちおとめ」を主力として栽培していました。
県から最初に配布されたあまりんの苗は、わずか5本。すぐに本格導入できる状況ではありませんでした。
転機となったのは、仲間の農園で育ったあまりんを実際に食べたことでした。
「これは本当においしい」と感じ、少しずつ苗を増やしながら挑戦を開始。約2000本まで増やし、本格栽培へと舵を切りました。
一方、細田さんもまた、直売を中心に少量からあまりんの販売をスタート。
最初は知名度も低く、説明しなければ価値が伝わらない状況でしたが、「一度食べたお客様が、また買いに来てくれる」という手応えを感じていたといいます。
その後、生産者自らが百貨店のバイヤーに売り込みをかけたり、仲間同士で食べ比べを重ねたりと、品質を磨き続けた結果、各種品評会での受賞が相次ぎ、県を挙げたPR体制へと発展していきました。
生産者視点で見た、あまりんの難しさ
高糖度が魅力のあまりんですが、栽培・収穫には多くの難しさがあります。
あまりん栽培で特に難しいポイント
- 繊細な温度管理: 春先に気温が上がると味が落ちやすいため、無加温ハウスでは換気や遮光の微調整が欠かせません。
- 収穫の見極め: 完熟の最も美味しい瞬間に収穫するため、一粒ひと粒の目利きが重要です。
- ロスの覚悟: 樹上で長く完熟させるため、傷みやロスのリスクを背負いながら栽培しています。
久米原さんは、「一番おいしい状態で食べてもらうこと」を最優先にしています。
無加温栽培のため、特に春先は換気や遮光などの細かな調整を重ね、味のブレを抑えています。
細田さんも同様に、日々の温度・水分管理を通じて、狙った味に近づける作業を積み重ねています。
「少しの差が、そのまま味に出る」と話す言葉からも、品種の繊細さが伝わってきます。
高糖度いちごとして注目される理由
あまりんが「甘い」と支持される背景には、品種そのものが持つ甘さの特性と、限界まで枝で熟させる「完熟収穫」へのこだわりがあります。
- 一口で分かるインパクト: 食べた瞬間に広がる強い甘み。
- 味の奥行き: 程よい酸味があるからこそ引き立つ濃厚さ。
こうした要素が口コミやメディアを通じて広がり、高糖度いちごの代表格として認知が定着しました。
細田さんは、「ヘタを取るとハート型になる形の可愛らしさも人気の理由」と話します。
直売中心だった販売も、リピーターの増加とともに需要が拡大し、現在は生産が追いつかない状況です。
久米原さんの農園でも、都内や遠方から訪れる購入者が増加。
家族経営からスタートし、現在は従業員17名、栽培面積も120aまで拡大しています。
「甘いだけ」では終わらせない工夫
インタビューで印象的だったのは、両農園とも「甘さの先にある個性」を徹底的に追求していることでした。
ストロベリーハウス細田が重視する”酸味”
埼玉県では、生産者同士が味を比較する食味会が開催されています。細田さんのあまりんは、やや酸味が強く出る傾向にあるそうで、それが味の濃厚さにつながっています。
この酸味をしっかりと出すために、ハウス内の気温や水分量の管理を細かに調整して、狙った味を引き出す努力を重ねています。生産者仲間との情報交換や勉強会も活発に行い、生産技術向上に余念がありません。
好みのあまりんを求めて、飲食店の方々が埼玉県内のあまりん生産者を訪ね歩くことも珍しくないそうで、現在では、ストロベリーファーム細田さんのあまりんがホテルやレストランのデザートにも採用されるなど、業務用での評価も高まっています。
久米原農園が重視する“完熟の目利き”
久米原さんは、「絶対に完熟状態で食べて欲しい」と断言します。理由はとても明快で、その方が美味しいに決まっているから。
完熟しているように見えるいちごでも、もうちょっと赤が濃くなる、もうちょっとツヤが出る、といった、毎日あまりんと向き合ってきたからこそわかる“最適な収穫タイミング”を目利きできることが大きなポイントです。
その集大成が、最高ランク商品「あまりん【極】」です。
あまりん【極】の選定基準
- 久米原さん自身が選んだ「色」「ツヤ」「形」「香り」「大きさ」をクリアした最高ランクのもの
- 大きさは40g前後
- 「ゆりかーご」という資材を使用し傷みを防止
最も良い状態のあまりんを追求し続けることで、最高ランク以外の食味や品質のベースが引き上げられていることが伺えます。
このため、百貨店・ギフト用途での評価が特に高くなっています。
あまりんを選ぶなら「誰が作ったか」も見てほしい

インタビューを通じて共通していたのは、「同じあまりんでも、作り手で味は変わる」という事実です。コンテストでの受賞歴は一つの指標になりますが、生産者の数だけこだわりがあります。記事を読んでいる皆さまには、ぜひ品種名だけでなく、パッケージにある「生産者名」にも注目していただきたい。自分にとって最高の「推し農家」を見つけることこそ、あまりんを最も楽しむ方法です。
細田さんは、「農園ごとに味の雰囲気が変わるので、いろいろなあまりんを食べ比べて好みの農園を見つけてもらえたら嬉しい」と話してくれました。
たとえば、
- 農園名が明記されている
- 栽培方針が見える
- 生産者の顔が浮かぶ
そんなあまりんを選ぶことで、“好みの美味しさ”に出会える確率は高くなります。美味しいあまりんに出会ったら、その生産者を調べてみるのもおすすめです。
埼玉県公式Youtubeチャンネル「埼玉わっしょい!」では、埼玉いちごの魅力がわかる生産者インタビューを公開しています。生産者や農場の様子がわかるので、ぜひチェックしてみてください。
【Youtube動画】埼玉いちごの魅力/生産者インタビュー(埼玉県オリジナル品種「あまりん」「かおりん」「べにたま」はこちら
あまりんはどんな人におすすめですか

甘くて美味しいいちごが好きな方へ
- とにかく甘さを重視したいちごを選びたい
- 酸味が前に出るいちごは少し苦手
- 一口食べた瞬間に「おいしい」と感じられるものを探している
このような方にとって、あまりんは非常に分かりやすく、満足度の高い品種です。
細田さんによると、あまりんの登場によって来店されるお客様の層にも変化があったといいます。以前は子ども向けとして若いお母さんの利用が多かったのに対し、現在は「より美味しく、品質の高いいちごを選びたい」というニーズを持つ、やや年齢層の高いお客様が増えてきたそうです。
贈答用いちごを探している人
- 「埼玉県だけ」で栽培されている希少性
- 味の説明をしなくても価値が伝わる
- 「3年連続日本一」という圧倒的な実績がある
久米原さんは、「やっぱり美味しいものを食べている時って、みんな笑顔になって幸せじゃないですか。みんなにそうなって欲しいんですよね。」と教えてくれました。
こうした想いで丁寧に作られているあまりんは、特別な日の贈り物やフォーマルギフトとしてもおすすめの品種と言えます。
埼玉いちごをGETしよう!
埼玉県のいちごは、スイーツとして味わうだけでなく、生産者から直接購入して楽しむのもおすすめです。直売・産地直送の場合、完熟に近い状態で出荷されることが多く、いちご本来の甘さや香りを、自宅でもしっかりと堪能できます。
埼玉農産物ポータルサイト「SAITAMA わっしょい!」には、「あまりん」「かおりん」「べにたま」を取り扱っている農園の情報などが盛りだくさん。ぜひチェックしてみてください。
また、「食べチョク」では、希少な埼玉県オリジナル品種「あまりん」や「べにたま」をはじめ、こだわりの栽培方法で育てられた埼玉県産いちごを生産者が出品しています。生産者の顔や想いが見えるのも、産直ならではの魅力です。
・旬の時期に合わせて、おいしいいちごを楽しみたい方
・産地や生産者のこだわりを大切にしたい方
・ 贈り物として、特別感のあるいちごを探している方
そんな方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

