親子で学ぶ持続可能な農業体験 ~『生き物たちとめぐるファームツアー』開催レポート~

2025/03/26 更新

2024年11月16日(土)、千葉県木更津市にある「クルックフィールズ」で行われた『生き物たちとめぐるファームツアー』は、親子向けの体験型イベントとして、持続可能な農業と循環型社会の重要性を学ぶ貴重な機会となりました。

このツアーでは、農業や環境保全、そして食育に関心のある参加者の方々が、自然と調和した有機農業の現場を見学し、実際に体験しながら、これからの社会を支える「サステナブルな農業の未来」について深く考えることができました。

農・食・アートを軸としたクルックフィールズという場所では、持続可能な農業や循環型社会の実践の場として、様々な取り組みが行われています。

その基本となるのは、「有機農業」と「循環型」というコンセプトです。ここでは、農業を営む上で、ただ作物を育てるだけでなく、環境を保全し、生き物が健やかに過ごせるためのサイクルが整えられています。今回は、楽しみながら学び、その循環の一部を体感してきました。

1. クルックフィールズの哲学と「循環型」という視点

クルックフィールズが目指しているのは、単なる農業の効率化ではなく、「持続可能な循環型社会」の構築です。生き物たちが健やかに過ごすためには、土壌から植物、動物、人間に至るまで、すべてが有機的に結びついており、そのサイクルが正常に回ることで、豊かな農業が成り立ちます。

農業は、生産するだけでなく、環境を守るための営みであり、消費したものを無駄にせずに再利用することが重要です。有機農業の実践とともに、土づくりを含む循環型の農法が徹底されています。例えば、動物たちの糞は堆肥にして畑に還元され、その堆肥はさらに作物の成長を助け、健やかな環境を育んでいきます。

農業を通じて、「人間もまたこの循環の一部である」ことを学ぶことができるのは、クルックフィールズならではの魅力です。今回のツアーでは、この循環型の農業がどのように実現されているのか、実際の作業を通じて体験し、理解を深めることができました。

2. 農業体験プログラム

ツアーのメインとなる体験プログラムでは、参加者が実際に手を使って農作物の収穫や環境保全作業を行い、その過程を学びました。
ここで行われたのは、主に「有機農業」と「循環型農業」の実践に関連する内容です。

クルックフィールズでは、有機農業を通じて循環型農業が実践されています。
同地域の豆腐屋から出るおからや米ぬかを鶏の餌に再利用し、鶏の糞や水牛の糞は堆肥として畑に戻されます。このように、農作物や動物、微生物が一体となって、自然のサイクルを大切にし、すべての資源が循環することで、持続可能な農業が成り立っています。

◆有機農業の収穫体験
実際に有機農業の畑に足を運び、収穫体験を行いました。収穫したのは、ハウス栽培の野菜や、露地栽培のにんじん、紫水菜、レッドオークなどの葉物野菜です。

特に露地栽培のにんじんは、土から直接引き抜く体験ができ、新鮮な野菜を手にした子供たちの表情はとても輝いていました。にんじんを抜く際には、土の感触や土壌の柔らかさに驚く場面もあり、自然の力を肌で感じられる貴重な時間となりました。

収穫した野菜は、その場でサラダとして使われることになり、参加者たちは自分たちで育てた野菜を食べる喜びを感じました。土は湿り気があり、フワフワとしていて、植物が健康に育つ環境が整えられていることが感じられ、土づくりの重要性や有機農業が成り立つ理由についても学びました。

◆鶏の餌作りと肥料づくり
クルックフィールズには平飼い養鶏場があり、飼料は主に廃棄されてしまう豆腐屋さんのおからや米ぬかを使用しています。これらは、地域の廃棄物を再利用し、鶏たちにとって栄養豊富な餌として活用されているのです。

また、鶏たちの糞も重要な資源となり、これを堆肥化して畑に還元することで、土壌の栄養を豊かにし、作物の成長を促進します。

これらの循環の一部として「発酵技術」を活用しており、餌や堆肥は時間をかけて発酵させることで、より効率的に栄養素を活用できるようになっています。このように化学肥料や農薬の使用を抑えつつ、使用する資源を循環させて自然環境への負荷を軽減する農業スタイル(循環型農業)は環境に優しく、無駄を省くため、持続可能な農業の理想型と言えます。

3. 食育体験〜ランチにも一味違う面白さと仕掛けが〜

ランチは、猪肉のそぼろと、卵、畑で取れるにんじん・小松菜などが使われたビビンバ丼と、豚肉と葉物野菜のサラダの2種類を食べました。

もやし以外はクルックフィールズ内で生産されている食材がふんだんに使用されており、鮮度のいい野菜と処理がきちんとされているジビエ肉は、血抜きを捕獲後30分以内にしているため、臭みがなく鮮度の良い状態でお肉として提供されており、食と農について親近感を得る機会となりました。

4. 環境保全への取り組み

環境保全の専門家よっしーさんから、クルックフィールズで行っている環境保全の取り組みについても学びました。

ランチで使用した後のランチボックス(バガス容器:サトウキビの搾かす))や食べかすなどは、コンポストとして土に還すことができ、無駄なく資源を循環させる方法を実践しています。
また、食べ残しや廃棄物を「生ゴミ」と呼ばず、「土に帰すべき資源」として扱っています。このような環境に優しい取り組みが、持続可能な農業=「循環型農業」と食文化を支えているのです。

敷地内には、自然のままに生育している多くの生物や植物が生息しています。小さな池や湿地帯では、微生物やコケ、さらにはエビやおたまじゃくしなどが生息しており、これらの生物が健康的な生態系を形成しています。子供たちは、実際に水槽でこれらの生物を観察し、自然の循環がどのように働いているかを学びました。

虫たちのために「バグホテル」作りも行い、木の枝や竹、葉っぱ、どんぐりなどの自然素材を使って、虫が寝床にしたり、卵を産んだりする場所(ホテル)をつくりました。
子供たちは、何を使用したら虫たちが快適に過ごしやすいかを考えながら、みんなで協力してホテルを作り上げました。この体験を通じて、虫たちがどんな環境で生活しているのか、自然とどう関わるかも学ぶことができました。

さらに、日々様々な社会問題が起きている現代で、その問題を解決するためには「想像力」が必要と考えているため、それを刺激するかのようにいたるところにアートが活用されています。展示されているアートを見た子供たちは、「あのアートが何に見える」や「あの色が〜」など、いろんな話を膨らませていました。

5. 参加者の声と学び

今回のイベントを通じて、持続可能な農業や環境保全の重要性を実際に肌で感じ、学び、体験することができました。参加者の皆さまからは、「農業をスタートしたいと思い、耕作放棄地活用のヒントを得た」、「食の大切さ」や「自然との共生」について深く考えるきっかけとなった、「有機農業という言葉はなんとく知っていたが、それを体験として感じれて嬉しかった」などのお声をいただき、非常に嬉しく思います。

ビビッドガーデンでは、今後も持続可能な社会に貢献するためのイベントを続け、より多くの方々に学びの場を提供していきます。次回のイベントにもぜひご期待ください。

参加者の皆さんに今後の生活に役立つ学びを提供できたことを嬉しく思っております。
また次回お会いできるのを楽しみにしています!

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