グルペットメルロー2020

＜味＞
　山梨市牧丘町産　メルロー種100％使用の赤ワインです。
　やや紫がかった明るめのルビー。樽熟成に由来する甘草、クローブの穏やかなスパイス香が立ち、その後ラズベリーなど軽やかな赤い果実の香りが続き比較的華やかなイメージです。タンニンは優しく全体的に軽いタッチながら、意外に噛みごたえのあるボディを持ち、酸がほどよく全体を引き締め、最後にシダーを思わせるすっとしたアフターがわずかに残ります。
　オリーブオイルを使ったシンプルな料理やバーベキューなどのよいお伴になりそうです。2024年現在も熟成が進んでいますが、リリース当初とくらべ、線が太くなった感じが加わり、飲みごたえが増してきました。
　栽培は全量グルペットぶどう園、醸造は甲州市塩山の機山洋酒工業株式会社によります。


＜栽培のこだわり＞
　苗木から自分で手作りし、耕作放棄畑を整備して、いちから育てたメルロー種です。植え付けから18年目を迎え、なんとなくこの地の雰囲気をまとうようになって来たように思われます。植栽方法や散布機材の工夫で、農薬散布の総量を抑えています。がんらい丈夫な植物なのでほとんど施肥を必要としませんが、剪定枝をチップにして畑に戻すなど、有機物の補給をしています。ワイナリーから自園ぶどうの搾りかすをもらい受け、堆肥化して撒くこともあります。（ごく少量ですが化学肥料として、マンガンなどの微量要素配合肥料や、弱勢樹を復活させるため化成配合肥料を使うことがあります）


＜産地の特徴＞
　標高650m、甲府盆地一帯からくらべ300mほど高いエリアで、暑い山梨にあっても朝夕の涼しさを感じることができます。南東向きの斜面で、朝日を早くから浴び、夕方は山から吹き下ろす風によって、すっと気温が下がります。ぶどうの成熟には適する気候条件です。

＜品種など＞
　メルローは、ボルドーを代表する品種であるとともに、世界中で栽培されるワイン専用品種です。日本でもたくさん作られ、さまざまなスタイルのワインとなっています。特に長野県での生産が多くて有名ですが、さまざまな地域で作られているので、そうしたメルローのワインを飲み比べるのも、また楽しいことです。