【採れたての真っ赤な宝石】世界中から愛される「いちご」の秘密を大解説!
いちごはその鮮やかな赤色と甘酸っぱい風味で、世界中多くの人々を魅了してきました。
採れたての果実をがぶっと頬張るのはもちろん、デザートやスイーツの主役としても華々しく美しく、老若男女問わず愛され続けています。
今回は、そんないちごの歴史や名産地など実は知らなかった情報に加え、生産者さん直伝のいちごを100倍おいしく楽しむ方法を詳しくご紹介します。
なぜ「いちご」っていうの?

最も有力な説の一つは、奈良時代の歴史書『日本書紀』に登場する「伊致寐姑(いちびこ)」が語源とされるものです。当時、木いちごや野いちごを指して「いちびこ」と呼んでおり、これが時代とともに「いちご」へと変化したと考えられています。
また、平安時代の辞書『和名抄』には、「覆盆子(いちご)」が「以知古」と記されており、これも「いちご」の語源の一つとして知られています。

いちごの漢字表記である「苺」についてもおもしろい由来があります。「苺」は「くさかんむり」に「母」と書きますが、これはいちごが茎を伸ばし、次々と子株を増やす様子が母親が子供を育てる姿に似ていることから、「母」の字が使われたとされています。
古くから愛されてきたいちご

起源
いちごの歴史は古く、石器時代には野生のいちごが食用とされていました。7世紀のヨーロッパで世界初のいちごの栽培が始まり、18世紀には北米産のバージニアいちごと南米チリ産のいちごが交配され、現在のような大きさと甘みを持つ品種が誕生しました。
日本への伝来
日本には江戸時代末期にオランダ船によって長崎に持ち込まれ、「オランダいちご」として観賞用に楽しまれていました。明治初期にはアメリカから栽培用の品種が導入されましたが、当初は日本の風土に適応せず、栽培は難航したそうです。しかし、日本の風土に適した「福羽」などの品種が育成され、徐々に国内での生産量を増やしていきました。
どんな育て方があるの?
いちごの栽培方法には主に以下の3つがあります。
土耕栽培

地面に直接苗を植える伝統的な方法で、土壌の管理が重要です。適切な水やりや肥料の調整により、甘くて美味しいいちごが育ちます。
水耕栽培

土を使わず、水と養液で育てる方法です。清潔な環境で栽培でき、病害虫のリスクが低減されます。また、成長が早く、収穫量も安定しています。
ハウス栽培

ビニールハウスや温室内で栽培する方法で、気温や湿度をコントロールできるため、年間を通じて高品質ないちごの生産が可能です。天候に左右されず、安定した供給が期待できます。
いちごの名産地
国内でも様々な場所で栽培されるいちご。各名産地がしのぎを削って、高品質ないちごをたくさん出荷しています。
さて、その中でも特に生産量が多い県はどこなのでしょうか?
1位:栃木県

長年にわたりいちごの生産量日本一の地位を維持しているのが、栃木県。2022年の収穫量は24,400トンで、全国シェアの15%ほどを占めています。
栃木県は、豊富な日照量と清らかな水源、そして肥沃な土壌に恵まれています。さらに、内陸性の気候により昼夜の寒暖差が大きく、この温度差がいちごの糖度を高め、甘みのある果実を育てるのです。
また、首都圏に近接しているため、新鮮ないちごを迅速に首都圏へ供給できる物流の利便性があります。
加えて、生産者、農業団体、行政が一体となり、栽培技術の向上や品種改良に取り組んできました。特に、「とちおとめ」や「スカイベリー」などの高品質な品種が市場で高い評価を受けています。
2位:福岡県

2位は福岡県。2022年の収穫量が16,800トンで、全国シェアの10.4%を占めています。
福岡県といえばブランド品種「あまおう」の成功が強く印象的でしょう。「赤い」「丸い」「大きい」「うまい」の頭文字を取った名前で、その高品質と独特の甘さで全国的に人気があります。
また、 温暖な気候と適度な降雨量が、いちごの栽培に適しています。また、冬季でも比較的温暖なため、早期からの収穫が可能で、出荷時期の競争力を高めています。
3位:熊本県

熊本県は、2022年の収穫量が11,700トンで、全国シェアの7.3%を占め、全国第3位の生産量を持っています。
阿蘇山を中心とした火山灰土壌は、水はけが良く、いちごの栽培に適しています。また、昼夜の寒暖差が大きく、糖度の高いいちごを生産するのに適した環境です。
熊本県では、「ひのしずく」や「ゆうべに」など、独自の品種開発が進められており、これらの品種が市場で高い評価を受けています。
生産者さん直伝!いちごを100倍楽しむ方法は?
10,000軒の生産者さんが登録する食べチョクならでは!いちご農家さんに、いちごが100倍おいしく、楽しくなる様々な秘密を教えてもらいました。
最旬を迎えたいちご、最大限楽しみつくしたいあなたは必見です。
あまり知られていない"食べ頃"の見極め方

- いちごは大粒でも大味にはならず大きい方がジューシーで甘いです。数量ではなく玉の大きさでを選ぶ事をお勧めします。(Berrysvilleいちご農園さん)
- 収穫期はじめの「トップ果」。紅ほっぺの場合、形が崩れてしまうためあまり流通しないのですが、ビックリするほど大きいのと味が濃いのでおすすめです。(ひらの園さん)
- 艶があり、とてもいい香りがして、へたがそっているものはおいしいです。(ココストロベリーさん)
おすすめの保存方法
鮮度が重視のいちごはなるべく早く食べるのがおすすめ。しかし、買った分を一気に食べないこともあるでしょう。そんな時に使える、なるべく長くいちごをとっておける保存方法を教えてもらいました。

- 結露で実が濡れないようにラップを外し、キッチンペーパーなどに包んで冷蔵してください。(かつらぎ苺園さん)
- 4℃前後がいちご保管に適しています。ただ、いちごは追熟しませんので、保存せずお早めにお召し上がりになる方が適切です。(軽井沢ガーデンファームいちご園さん)
おいしい食べ方は?

- ナポレオンパイにチャレンジしてみてください。(かねとよ川島農園さん)
- いちご酢。いちご:酢:砂糖(1:2:1)を混ぜて、一週間ほど待つと完成します。(ストロベリーハウス彩さん)
- いちごではなくジャムなので参考になるか分かりませんが、お肉との相性が良いと思います!生姜焼きの隠し味にいちごジャムを入れていただくと赤ワインに合う、オシャレなお料理になります。(かわさきふるーつさん)
冬から春まで!旬が移ろういちごを楽しもう!

冬から春まで、多種多様な品種が出回るいちご。濃厚な甘さのものから、さわやかなあっさりした甘さのものまで、今後続々登場します。
その時々によって、いちばんおいしい品種をぜひお楽しみください!