林に囲まれた田んぼ
滝本米が、作られている田んぼは、福井県勝山市の山奥にあります。
林に囲まれ、自然そのままのとても気持ちの良い空間です。
この林の中にが循環型農法(無農薬栽培米)に取り組んできた、歴史、物語が詰まっています。
循環型農法の米づくりは、1966年から始まりました。
最初に行ったのは、周囲と隔離された自然そのままの林をお米づくりに適した土地にすること。
山を切り開き、約10年放牧をして土づくりを行い、そこから田んぼをつくりました。
「自分の家族に安心でおいしいお米を食べさせたい」循環型農法へのこだわりは、そんな想いから始まりました。
きれいな湧き水のために、土を掘る
放牧により、美味しいお米づくりのための土壌もできてきました。
そして、次に行ったのは米づくりに欠かせないきれいな水を自然からいただくこと。
そのために、農場の中の土を掘り起こし、きれいな湧き水が出るため池をつくりました。
大地の中でゆっくりとろ過された、自然そのものの水をいただけています。
合鴨たちの力を借り、自然と共生する
1991年から22年間、合鴨農法による無農薬栽培のお米づくりを行ってきました。
合鴨農法はヒナを水田に放し飼いにすることで除草・駆虫に効果がある農法です。自然栽培に役立つ農法だったためいち早く取り入れました。
最初は合鴨のヒナを購入していましたが、外部のものを極力入れたくないと、田んぼで活躍した合鴨を自分の農場内で育て、生まれたヒナに活躍してもらうようになっていきました。
『肥えた土』と『澄んだ水』を求め、多くの虫や動物が集まってくるようになりました。源氏ホタルやどじょうも生息しています。
自然そのものの環境の中で、稲がきちんと育つためには、悩みもつきものです。
こまめに雑草を除去することはもちろん、通常のお米づくりの何倍もの手間をかける必要があります。
田植え後約1ヶ月間は、植えたばかりの稲を動物たちから守るため、田んぼの中にある小屋で寝泊まりしています。
自然と共生することを身をもって実践し、体で感じながらつくることを大切にしています。
こうして収穫したお米は、多くの方から注目され、フジテレビのTV番組で特選食材としても使われました。
お米と、自然と、家族の体と、会話する
美味しいお米づくりの決め手は土壌づくり。
取り組んだのがEM微生物群を活用した土壌づくりでした。
EM微生物群と米ぬか、魚粉、菜種油かすなどを独自にブレンドし2年発酵させます。微生物の力を借り自然のものだけで手間ひまかけてつくる自家製ぼかし肥料を使った土壌づくりです。
お米のことを考え、自然な状態の土壌を作っています。
※EM微生物群とは、その土地に生息している微生物の中で浄化する働きを持った微生物を独自に培養させた複合微生物集団のこと。
お米と、自然と、家族の体と、会話する。
私たちが続けてきた無農薬のお米づくりは、会話を続けてきたことです。
お米から、自然から、家族の体から声を聞く。
その声に従い、お米作りを続けてきたにすぎません。
全ては「家族に、自然の力と自分達の手だけで育てた本当に安心できるお米を食べさせたい」という一心で歩んできました。
自然も、人の体も、私たちにもわからないことだらけです。毎年、変化し成長していきます。
これからも自然と共生しながら、その変化をきちんと受け止め対応しながら、お米づくりを続けていけたらと思っています。