埼玉県オリジナルいちご品種特集②|コク深い、濃厚な甘さ。美味しさを追求した希少品種「かおりん」の魅力に迫る

2026/03/18 更新

「かおりん」は、埼玉県で生まれた希少性の高いいちご品種です。

流通量が少なく、市場で見かける機会は多くありませんが、名前のとおり「香りの良さ」が際立つ個性的ないちごです。栽培の難しさから生産者が限られていますが、ひとたび口にすれば、その濃厚な味わいに魅了されるいちご愛好家が後を絶ちません

この記事では、かおりんの栽培に情熱を注ぐ、ただかね農園さん(埼玉県秩父市)、北田農園 苺のマルシェさん(埼玉県所沢市)へのインタビューをもとに、かおりんの魅力を詳しく紹介します。

「かおりん」とはどんな品種か

埼玉県生まれの希少いちご

埼玉県が誇るオリジナル品種には「あまりん」「かおりん」「べにたま」がありますが、なかでも「かおりん」は際立った個性を持ちます。 最大の特徴は、噛んだ瞬間に広がる「芳醇な香り」と、完熟時に引き出される極めて強い甘みと酸味が織りなすコク深さです。
その糖度は時に「あまりん」を凌ぐほど。さらに、しっかりとした酸味が加わることにより、単純な甘さだけではない、力強い味わいを感じることができます。
果汁たっぷりのいわゆるジューシーさではなく、ひと粒に凝縮された味の濃さを堪能できるのが、この品種ならではの醍醐味といえるでしょう。

かおりんの味と香りの特徴

名前のとおり香りが豊かないちご

北田農園の北田さんは、かおりんの風味を「強い甘みと酸味、そして何より芳醇な香り」と表現します。その香りは非常に重厚で、後味まで長く余韻が残るのが特徴です。

この熟成感のある香りは、まるでお酒のような深みを持っており、シャンパンやブランデーといったお酒とのペアリングを楽しまれるお客様も多いそうです。まさに、食の経験が豊富な方が好む「通好み」の味わいと言えるでしょう。

また、その繊細な香りを最大限に楽しむための秘訣も教えてくださいました。かおりんは、冷蔵庫で長時間保管すると自慢の香りが飛んでしまう性質があります。そのため、購入後は冷やしすぎず、できるだけ早めにそのままの状態で味わうことが、かおりんの持つポテンシャルを最も贅沢に引き出す食べ方なのだそうです。

生産者ごとに楽しめる味わいのバランス

同じ「かおりん」でも、農園ごとのこだわりによって異なる表情を見せてくれます。

ただかね農園の「力強さ」

「糖度も酸度も非常に高く、とにかく美味しい」と語るただかね農園さん。その味わいは加工しても損なわれることがありません。例えば、パフェに使用しても生クリームの濃厚さに負けない存在感を放ち、ジャムにすれば旨味がより一層凝縮されるといいます。

北田農園の「芳醇さ」

北田農園では、少しお酒のような熟成香を感じさせる仕上がりを追求しています。甘みと香りの相乗効果による「深いコク」が特徴で、いちご単体で完結したスイーツのような満足感を得ることができます。

かおりんが希少とされる理由

生産量が少ない背景

これほどの実力を持ちながら流通が少ない理由は、栽培の難しさにあります

1.収穫時期の見極め

ただかね農園さんは、栽培の難しさについて「生産者や収穫時期によって味にばらつきが出やすい点」を挙げられています。かおりんの真価である濃厚な風味を発揮させるには、極限まで熟すのを待つ必要がありますが、その収穫時期の見極めはプロでも非常にシビアな判断を求められます。完熟を待たずに早採りしてしまうと本来の良さが出ず、酸味の強さが目立ってしまいます。この妥協のない見極めこそが、かおりんを至高の味わいへと昇華させる鍵となっています。

2.栽培の手間

かおりんは、栽培の過程で余分な芽や葉を取り除くといった管理作業が他の品種より多く必要となります。また、繊細な品種であることから、健全な状態をコントロールするのが難しいことも特徴。水やり、温度調整など、より細やかな管理が必要になるため、手間を惜しまず向き合える農家でなければ栽培が続きません。

3.希少性のジレンマ

現在、埼玉県オリジナル品種のなかでは「あまりん」の知名度が圧倒的に高く、それに比べると「かおりん」はまだ知る人ぞ知る存在です。生産者が丹精込めて育て上げても、その価値が正しく伝わらなければ確実に売り切ることが難しいため、現状では安易に生産量を増やせないという課題があります。この知名度と供給のバランスが、優れたポテンシャルを持ちながらも、栽培面積が広がりにくい一因となっています。

市場流通が限定的な理由

輸送の難しさも、希少性に拍車をかけています。

ただかね農園、北田農園ともに直売をメインとしています。かおりんは、完熟重視の「あまりん」よりもさらに一段階上の熟度で収穫しなければなりません。その繊細さゆえに、より慎重な輸送方法が必要となり、広く一般に流通しづらいのです。

しかし、その希少性は「知る人ぞ知る逸品」としての価値を生んでいます。料理人や青果卸などのプロからは、新しい提案ができる高品質な素材として重宝されています。

「あまりんの影に隠れがちだが、非常にポテンシャルの高い品種。もっと広く知ってほしい」と、ただかね農園さんもその普及に意欲を燃やしています。

かおりんを入手する方法

そもそも生産量が少ないかおりんは、直売所や道の駅でも稀有ないちごです。確実に入手するためには、栽培農家から直接購入するのが唯一の方法といっても過言ではありません。
ただかね農園や北田農園のように、こだわりを持って栽培している農園のSNSや公式サイトをこまめにチェックし、予約や直売の情報を掴むことが入手への近道です。

かおりんはどんな人におすすめのいちごですか

通好み・プロ・いちご好き向け

「ただ甘いいちご」では満足できない方にこそ、かおりんは最適です。

・コク深い味わいと、豊かな香りを重視したい方
・まだ見ぬ新しい食体験を求めている方
・品種による食べ比べを楽しみたい方

特に埼玉県オリジナル品種の「あまりん」「べにたま」と並べて食べ比べると、かおりんの個性がいかに際立っているかを実感でき、非常に面白い体験になります。

贈り物としての位置づけ

「芳醇な香りと力強い甘さと酸味」を兼ね備えたかおりんは、ギフトとしても特別な意味を持ちます。

・いちご通の方へのサプライズに
・食へのこだわりが強い方への贈り物に

その希少価値と圧倒的なクオリティは、大切な方への想いを伝えるのにふさわしい逸品といえるでしょう。

生産者視点で見る「かおりん」の価値

北田さんは、ぜひ埼玉オリジナルの3品種を食べ比べてほしいと語ります。

「知名度はあまりんが先行していますが、個人的には『かおりん』や『べにたま』の味が好きです。それぞれに明確な個性があるからこそ、3品種すべてを大切に育て、紹介していきたい」と話してくれました。

この3つの個性が揃うことで、埼玉県のいちごの層の厚さが証明されます。食べ比べをする際は、その濃厚な風味を堪能するために、ぜひ「最後に」食べていただきたい品種です。

埼玉県公式Youtubeチャンネル「埼玉わっしょい!」では、生産者の方々の想いが詰まったインタビュー動画を公開しています。農園の雰囲気もよく分かりますので、ぜひご覧ください。

埼玉いちごの魅力/生産者インタビュー(YouTube)

埼玉いちごをGETしよう!

埼玉県のいちごは、スイーツとして味わうだけでなく、生産者から直接購入して楽しむのもおすすめです。直売・産地直送の場合、完熟に近い状態で出荷されることが多く、いちご本来の甘さや香りを、自宅でもしっかりと堪能できます。

埼玉農産物ポータルサイト「SAITAMAわっしょい!」には、「あまりん」「かおりん」「べにたま」を取り扱っている農園の情報などが盛りだくさん。ぜひチェックしてみてください。

「SAITAMA わっしょい!」いちごページはこちら

また、「食べチョク」では、希少な埼玉県オリジナル品種「あまりん」や「べにたま」をはじめ、こだわりの栽培方法で育てられた埼玉県産いちごを生産者が出品しています。生産者の顔や想いが見えるのも、産直ならではの魅力です。

🍓旬の時期に合わせて、おいしいいちごを楽しみたい方
🍓産地や生産者のこだわりを大切にしたい方
🍓贈り物として、特別感のあるいちごを探している方

そんな方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

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「食べチョク」埼玉県産いちごの特集ページはこちら

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