埼玉県オリジナルいちご品種特集③|ネクストブレイク必至!今推したい旬いちご「べにたま」をご存知ですか?

2026/03/19 更新

埼玉県が誇るオリジナルいちご品種「あまりん」「かおりん」に続き、いま大きな注目を集めているのが「べにたま」です。日本野菜ソムリエ協会主催の「クリスマスいちご選手権」で3連覇を果たすなど、その品質は折り紙付きですが、実際の生産現場ではどのようなこだわりがあるのでしょうか。

今回は、主要産地の一つである吉見町の生産者、塚田英二さん(吉見一元苺出荷組合)へのインタビュー内容をもとに、その特徴、味わい、他品種との違いなど、美味しさの秘密を詳しくご紹介します

「べにたま」とは?

埼玉県は、首都圏という巨大な消費地に近い利点を活かし、高品質ないちごの育成に注力してきました。直売所や観光農園向け品種として育成された「あまりん」「かおりん」が登場し、今では埼玉いちごとして注目を集めるようになっています。

一方で、埼玉県では古くから「とちおとめ」などの栽培が盛んでした。全国各地でその県のオリジナル品種が台頭する中で、埼玉県でも市場出荷向けの県オリジナル品種が求められるようになり、開発されたのが今回の主役である「べにたま」です。

この品種の最大の特徴は、大粒で糖度が高く、たっぷりの果汁溢れるさわやかな甘さ見た目も美しく、鮮やかな紅色の果皮と、切った時の真っ白な果肉のコントラストが特徴です。

11月下旬から収穫が始まる早生品種で、下記のような特長を持ちます。

・しっかりとした甘さ
・ジューシーでさわやかな味わい
・果皮が傷みにくく、輸送に向いている
・旬の時期:11月下旬〜5月頃

生産者の塚田さんによれば、「子供たちは、あまりんよりも『べにたま』の方が好きだと言う子が多い」とのこと。冷凍してスムージーにする際も、何も加えずにそのままで十分な美味しさを発揮します。

「べにたま」の登場により、観光・家庭用・業務用のあらゆるニーズに応えられるようになった点は、埼玉県オリジナル品種としての大きな強みです。この存在が、産地としての埼玉県の地位をより確固たるものにしています。

埼玉県公式サイトでも、「べにたま」の魅力や受賞歴を紹介しています。

県オリジナルいちご新品種「べにたま」

生産者が惚れ込む「収量」と「味の良さ」

埼玉県内一のいちご産出額を誇る「いちごの町」吉見町。その栽培の歴史は昭和30年代にまで遡ります。今回お話を伺った塚田英二さんの祖父・傅一さんがこの地にいちごを導入し、普及に尽力したことで、現在の特産品である「吉見いちご」の礎が築かれました。選果場には当時の表彰状が今も誇らしげに飾られ、その歩みを伝えています。

現在は約80軒の農家がいちごを生産しており、塚田さんが所属する「吉見一元苺出荷組合」は、JA埼玉中央管内の8軒の農家で構成される出荷組織です。

経営を立て直した、新品種との運命的なタイミング

塚田家では、祖父の代でいちご、親の代で花を生産していましたが、英二さんの代も当初は花や花苗を扱っていました。しかし、時代の流れとともに花産業が衰退。そこで約10年前、塚田さんは思い切って花からいちご栽培への転換を決意します。

ちょうどその頃、埼玉県で新品種(後の「べにたま」)の試験栽培が始まるという話が持ち上がり、吉見町がこれに名乗りを上げました。この「いちご栽培への再参入」「新品種の試験開始」という2つのタイミングが重なったことが、結果として塚田さんの経営を立て直す大きな転機となります。塚田さんは当時を振り返り、「まだまだ安定経営とはいかないけれど、あのとき思い切っていちごに切り替えて本当によかった」と語ります。

生産現場から見た「べにたま」の圧倒的なポテンシャル

「べにたま」は従来の品種に比べて「収量が多く、粒が大きい」という非常に大きな魅力を持っていました。さらに果皮がしっかりしているため輸送性に優れ、市場出荷や贈答用としても高い適性を備えています。

また、生産者の立場から「べにたま」に太鼓判を推す理由は、「品質の安定感」「多様なシーンへの適応力」があるからだといいます。

・最も需要の高まるクリスマスシーズンから食味が安定していて美味しい
・贈答用としても、見た目の良さや食味が安定しているため、自信を持っておすすめできる
・生食ではもちろん、輸送に強い果皮と華やかな見た目を兼ね備えているため、高級百貨店からこだわりのパティスリーまで、多様なシーンで活躍できる

埼玉県期待の新品種は、その圧倒的なポテンシャルにより、市場での取扱いは年々増加しています。

「べにたま」の味と特徴

美味しさを支える「吉見の風土」と「つくり手の心意気」

べにたまは、果汁が多く、口に入れた瞬間にさわやかな甘さと香りが広がります。後味はすっきりと心地よく、思わず次の一粒に手が伸びてしまう美味しさです。

塚田さんに美味しさの秘密を伺うと、そこには吉見町ならではの自然の恩恵がありました。町を流れる市野川の氾濫によってもたらされた「荒木田(あらきだ)」と呼ばれる肥沃な砂地です。「この辺りは昔からいちご作りに適している」と言い伝えられてきたこの土地の肥沃さと、長年積み重ねられた栽培技術。この二つが掛け合わさることで、最新品種である「べにたま」が持つ潜在能力が最大限に引き出されています

また、吉見町では40〜50年にわたり技術を磨き続けてきた熟練の生産者が存在します。出荷組合というグループ単位で出荷を行うからこそ、「自分たちで協力して、確かな品質のものを出荷しよう」という意識が非常に高いのが特徴です。

「パックの詰め方ひとつを見ても、どれだけ丁寧に栽培しているかが伝わってしまうからね」と語る塚田さん。その言葉を裏付けるように、管理の行き届いたハウス内は、通路脇の雑草ひとつに至るまで美しく整えられていました。伝統ある「吉見いちご」の名に恥じないものを作りたい。そんな生産者たちの真摯な努力と、地域で培われてきた確かな技術が、最新品種の「べにたま」にも息づいています。

「べにたま」の食感と視覚的な美しさ

「べにたま」の大きな特徴は、しっかりとした果皮とジューシーな果肉のコンビネーションにあります。一口頬張れば、豊かな果汁が口いっぱいに広がります。

一粒のインパクト以上に、食べ進めるほどにその良さが実感できる「飽きのこない味わい」は、日常的に楽しみやすいいちごでもあります。甘さだけではない酸味との絶妙なバランスと、なめらかで上品な果肉の質感こそが、「べにたま」の真骨頂といえるでしょう。

見た目も非常に印象的です。キラリと輝く果皮の光沢と、美しい赤色が目を惹きます。そのまま一粒丸ごといただくのも贅沢ですが、ぜひ一度カットしてみてください断面の真っ白さ果皮の赤による「紅白」のコントラストが際立ち、その美しさに驚かされます

この鮮やかな色彩と優れた食味は、さまざまな楽しみ方を広げてくれます。たとえば、生食はもちろん、他のフルーツとの盛り合わせにも最適です。特に酸味の強い果物と一緒に合わせることで、「べにたま」本来の甘みがより一層引き立ち、その美味しさを再発見できるはずです。華やかな外観に加え、適度な酸味を併せ持っているため、ケーキやタルト、パフェといったスイーツとの相性が良いのも魅力です。

人気品種「あまりん」との比較で見えてくる、それぞれの魅力

「べにたま」と「あまりん」の違い

左が「あまりん」、右が「べにたま」

同じ埼玉県生まれのオリジナル品種として、よく比較されるのが「あまりん」です。すでに高い知名度を誇り、市場でも高値で取引される「あまりん」に対し、最新品種である「べにたま」もまた、その実力から年々人気が高まっています。

・あまりん:インパクトのある「強い甘み」が特徴。一口で驚きを与える濃厚な味わいです。
・べにたま:大粒で果汁溢れる、さわやかな甘さが特徴。上品で飽きのこない味わいです。

濃厚な甘さを存分に楽しみたいなら「あまりん」果汁たっぷりのさわやかな甘さを堪能したいなら「べにたま」という、その日の気分や用途に合わせて選べる点は、埼玉県産いちごならではの贅沢な楽しみ方といえるでしょう。

埼玉県オリジナル品種について、埼玉県公式サイトでも詳しく紹介しています。

「SAITAMAわっしょい」いちごページ

「べにたま」の生産でこだわっているポイント 

「べにたま」の生産現場において、最も心血を注いでいるのが、果実の大きさや味のバランスを一定に保つための徹底した管理です。温度管理や水管理とともに、その要となるのが、「芽かき」と呼ばれる作業です。

「べにたま」という品種は生命力が非常に強く、放っておくと株の脇から次々と新しい芽が吹き出してくる特性を持っています。しかし、芽が増えすぎると株の栄養が分散してしまい、一粒ひと粒が小ぶりになったり、糖度が乗りにくくなったりしてしまいます。

そこで、余分な芽を丁寧に取り除き、「選りすぐりの一粒」に栄養を集中させる必要があるのです。取材に伺った日も、ハウスの中では静寂の中に作業の音だけが響き、一株ずつ状態を確認しながら黙々と芽かき作業が進められていました。

こうした地道で細やかな手作業の積み重ねこそが、バラつきのない安定した食味を支えているのです

「べにたま」はどこで買える?

現在、吉見一元苺出荷組合の「べにたま」は、関東エリアの大手スーパーへ全量出荷されています。プロのバイヤーからも「今の生産量では全く足りない、もっと作ってほしい」と言われているほど、その評価は高く、店頭に並んでもすぐに売り切れてしまうほど希少な存在です。

まさに「見かけたら買い時」という争奪戦必至の状態です。
「べにたま」は、スーパーのほか、県内・都内の百貨店、埼玉県内の農産物直売所でも販売されています。

ただし、地元の直売所であってもその人気は凄まじく、午前中に完売してしまうことも珍しくありません。「美味しいものをよく知る」地元の方々がこぞって買い求めるため、早い時間帯の訪問をおすすめします。

埼玉いちごをGETしよう!

埼玉農産物ポータルサイト「SAITAMAわっしょい!」には、「あまりん」「かおりん」「べにたま」を取り扱っている農園の情報などが盛りだくさん。ぜひチェックしてみてください。

「SAITAMA わっしょい!」いちごページはこちら

また、「食べチョク」では、希少な埼玉県オリジナル品種「あまりん」や「べにたま」をはじめ、こだわりの栽培方法で育てられた埼玉県産いちごを生産者が出品しています。生産者の顔や想いが見えるのも、産直ならではの魅力です。

🍓旬の時期に合わせて、おいしいいちごを楽しみたい方
🍓産地や生産者のこだわりを大切にしたい方
🍓贈り物として、特別感のあるいちごを探している方

そんな方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

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「食べチョク」埼玉県産いちごの特集ページはこちら

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