料理は畑から始まっている
岩手県北部に位置する二戸市浄法寺町。北国・岩手のなかでも特に寒さが厳しく冬の訪れが早いこの町で、冬採りホワイトアスパラガス「白い果実」は育ちます。春から秋にかけて露地でじっくり栄養を貯め込んだ株を、11月初旬に掘り上げ遮光ハウスへ。全国的に供給量の少ない、12月上旬より出荷が始まります。
昼夜の寒暖差が大きい浄法寺では、夜間の低温によりアスパラの呼吸が抑制され糖の消費が少なくすむことで、驚くほど甘いホワイトアスパラガスを作ることができます。また土寄せせずに育てるため、サポニンの生成が抑えられ、苦味が少なく柔らかな食感に。それはまさに、「白い果実」の名にふさわしいおいしさです。
私たちが何より大切にしているのは〈味〉。野菜のなかでも収穫後の品質劣化が起こりやすいアスパラだからこそ、鮮度にこだわり、採れたてをその日のうちに冷蔵状態で発送。土づくりから生産、お客さまの口に入るまで、責任とプライドを持って育て、お客さまのもとへとお届けします。
浄法寺の大地と自然がホワイトアスパラをおいしく育てます
周囲を山々に囲まれ、町の中心には清流・安比川が流れる浄法寺町。りんごやさくらんぼ、雑穀などの農産物のほか、いわて短角牛や、二戸地鶏に代表される養鶏など畜産業も盛んな土地。また、国内漆の生産量の約80%を占める、良質な漆の産地としても知られています。
山々がもたらしてくれる肥沃な土と、ミネラル豊富な澄んだ水、清らかな空気、そして昼夜の寒暖差。浄法寺には、おいしいホワイトアスパラガスを育てる条件もそろっています。
春から秋にかけて行われるのが、露地での「株づくり」。土にこだわり、米ぬかや魚粉などを発酵させたアミノ酸を豊富に含んだ肥料を使い、健康な株を育成。11月始めにはその根を掘り出し、山から採取したふかふかの黒ぼく土に伏せ込みハウス内で萌芽。この地域ならではの気候と土壌、手間のかかる育成法が、ほかではけっして味わえない、甘くてジューシーなホワイトアスパラガスを育みます。
畑から届ける最高の贅沢
冬採りホワイトアスパラガス「白い果実」は、浄法寺の自然と大地、そしてこの地で農業を続けてきた先祖たちの歴史と知恵が生み出した「食財」だと私は考えます。この土地の気候や地形、水とともに歩んできた私たちだから提供できる商品です。
sannimonのコンセプトは「畑から届ける最高の贅沢」。私たちは、流通や生産の都合よりも「味」に重点を置き、土作りからお客様の口に入るまでこだわって、最高の状態で提供します。それは、食事をより楽しい時間にしたいと考えているからです。
私たちは、作り手本位ではなく、何よりも食べる人のことを想い作られた食材で満たされる未来を創っていきたいと思っています。それは当たり前ではありません。今現在、たくさんの食材が作り手と流通の都合で作られています。
私たちの農業の根本には、食にかける想いがあります。今から約70年前まで、この地域は冷害が頻繁に起き、今ほど農業の技術も進歩していなかったことからまともに米が作れず、お腹いっぱいにご飯を食べることは贅沢なことでした。先祖たちが繋いできた農業の歴史には、「次の世代により豊かな食事をしてほしい」という想いがありました。その想いを受け継ぎ、今があるということすべてに感謝し、これからも生命や風土、文化を未来へ繋いでいくことが私たちの使命だと考えております。
それと同時に愛する故郷と農業を盛り立て、さらに、生命を育む自然のすばらしさを感じてもらえるようなsannimonブランドを育てていきたいと考えています。