「村米制度」とは播州地方の酒米生産地と灘の特定酒造家との間で結ばれる酒米取引制度で、一種の契約栽培の事を指します。白鷹では兵庫県三木市吉川町の市野瀬地区と楠原地区と村米制度を結んでおり、同エリアに自社でも田んぼを所有しております。
兵庫県三木市吉川町特A地区の山田錦は、粒が大きく日本一の酒造米として有名です。白鷹が始めたと言われる「村米制度」、農家と共に品質の向上に励んできた最高の酒米を丹念に磨き上げることから酒造りは始まります。山田錦の中でも吉川産特A地区山田錦は特別な物です。
「宮水(みやみず)」とは西宮のごく限られた地域でのみ湧き出る貴重な天然水です。
宮水が採れる宮水地帯には3つの伏流水が流れており、かつて海であった地域を流れる「法安寺伏流」「札場筋伏流」は、酒の発酵を助けるカリウム、リンなどを多く含みます。一方、夙川を起源とする「戎伏流」は酸素を多く含み、水中の鉄分を酸化鉄として沈殿させて除去します。これらの伏流水が合流することでミネラルが豊富で鉄分が少ない、酒造りに適した「宮水」となっています。
白鷹では宮水地帯に8本の井戸を所有しており、全量宮水で仕込んでいます。宮水で仕込んだ酒はコシのある濃醇な辛口の男酒に仕上がり、白鷹の味を支えております。
また、「宮水」は名水百選にも選ばれる貴重な地下水で西宮市でも宮水保全条例が制定され市を挙げて保全に務めております。
「生もと造り」は、人工的に乳酸を添加する「速醸もと」とは異なり、米・麹・水を摺り合わせていく中で、自然の力によって乳酸やアミノ酸を生成し優良でたくましい酒母が育まれます。
生もと造りで仕上がった酒は、濃醇で喉ごしが良く、酸が効いて押し味の強くなり、生粋の灘酒といえます。白鷹の味を守り続ける為、手間と時間、杜氏の経験から成る「生もと造り」を頑なに守り続けております。
伊勢神宮の神々には、古より朝晩の食事が供えられてきました。これを朝夕日毎大御饌祭(あさゆうひごとおおみけのまつり)と呼び、御饌は豊受大神宮(外宮)で鯛、昆布、御飯などと共に清酒がともされます。
神宮の祭りで供される清酒を「御料酒(ごりょうしゅ)」と呼び、白鷹1924年(大正13年)より「御料酒」に選ばれました。
「御料酒」は専用に醸され一切外部に出ることは無く白鷹本蔵内の御料酒庫で保管され、神宮の神々に供えられています。